追記:結論を先に書いておきます。 


LIFEBOOK U9311/Fで3500MB/sを超える高速SSDを使うのは間違いです。Readが2000MB/s~2500MB/s前後のSSDが放熱設計的に限界なので注意しましょう。

 

 

 

  LIFEBOOK U9311/Fに合うSSDを考える

個人的にWindowsが入っているメインドライブのSSDは1TB~2TB欲しい派です。

OS用とワーク・データ用のSSDを分けるなら別ですが、LIFEBOOKのようにSSDが1枚しか入らないモデルでは今後色々データが増えてきた時の事や、耐久性を考えると最低でも512GBはあった方が良いと思います。

 

また3000MB/s程度のスペックがあった方がOSの起動やその他動作が早くなり、メモリ不足でスワップが発生した時も比較的早く動作出来ると思われます。

 

が、こういうスペックの物は発熱が結構ある事が多くLIFEBOOKでは放熱が追い付かない事が予想されます。

 

そこで、すでに持っているSSDや低発熱と噂されるorメーカーの説明に書いてあるモデルからどれがLIFEBOOKに良いのか決めたいと思います。

 

今回新たに購入したもの

  • Western Digital 1TB WD Blue SN570 (レビューで低発熱と書かれていることが多い)
  • SK hynix Gold P31 1TB (低消費電力と優れた温度環境とのこと)
  • GIGABYTE M.2 SSD M30シリーズ 1TB (低発熱かつ高性能とのこと)

 

元々持っていた物

  • XPG SSD M.2 512GB SX8100シリーズ (買ったけど使ってない)
  • Western Digital SN730 NVMe SSD 512GB (OMEN15の付属パーツ)

上3枚が1TBで下2枚が512GB。GIGABYTEとXPGは両面実装で後は片面実装。

LIFEBOOKにはマザーボード上にサーマルパッドが張り付けられており、裏向きで装着する為、ヒートシンクを使ってSSDコントローラーを冷却する事が出来ない。そもそもスペースに余裕が無いため、銅板の薄いヒートシンクすら付けられない。XPGのペラペラなヒートシンクぐらいなら裏に付けられそうだが、温度が高いコントローラーやDRAMに接触しない為、意味が無いと思われる。

SN570のTLCの1TBメモリが1チップと言うのはなかなかインパクトありますね。

 

OMEN15やDeskMiniで使用してる「Samsung 970 EVO Plus」は元々爆熱なのが判明しているので今回使用しない。

「Team M.2 2280 NVMe SSD 1TB PCIe Gen3x4 MP33シリーズ」は書き込み遅いのがわかってるので使用しない。

 

  テスト項目や条件

TLCのSSDでは大抵の場合は総容量の1/3まではキャッシュが切れてもSLCと同じ様な動作速度になる可能性が高い。実際の使用を考えるとある程度はデータが入ってると思われる為、

1TBのSSDでは333GB以上、512GBのSSDでは171GB以上のデータがある状態でテストします。

(記事内のベンチ画像で使用率が低い物があるのはデータコピー前にアプリを起動してしまっているからです)

 

テストで評価するのは下記3項目です。

  • CrystalDiskMarkでのベンチ結果
  • 同じドライブ上の大容量の動画データを同じドライブにコピーする事でのキャッシュ切れ時の速度計測(300GB程度)
  • それぞれの温度

 

 

  Western Digital 1TB WD Blue SN570

 

CrystalDiskMarkの結果

半分以上使用している状態でもカタログスペック通りの性能が出ています。

体感でも初期のSSDより明らかに速いと感じました。

 

300GBの動画データを同じフォルダにコピー

キャッシュがある時は約1GB/sですが、すぐにキャッシュは無くなり400MB/s後半をうろうろする感じです。キャッシュが切れてもそこそこの速度は出ています。

 

上記テスト時の温度変化

アイドル時は44.0℃でテストをLIFEBOOKの放熱性能を考えると悪くない温度です。

300GBのファイルをコピー中は78.0℃まで上がりました。普段LIFEBOOKではそこまでの操作は行わないと思いますが、少し気を付けた方が良いと思います。

軽い操作をしている時の温度は50℃前半です。

 

 

 

  SK hynix Gold P31 1TB

 

CrystalDiskMarkの結果

SEQ128Kの速度が落ちてますが、ほぼスペック通りの速度です。SN570より書き込み速度は速いようですが、体感できる差はありません。

 

300GBの動画データを同じフォルダにコピー

キャッシュがある時は約1GB/sですが、そこそこキャッシュが持った後に800MB/s前後をうろうろしたあと500MB/s前後に落ちたり800MB/sに復活したりを繰り返します。SN570より書き込み性能が高い事は確かなようです。

 

上記テスト時の温度変化

アイドル時の温度が少し高めです。大容量データのコピー中は79.0℃まで上がった為、このSSDを使用する時も気を付けた方が良さそうです。

軽い操作をしている時の温度は50℃台中盤です。

 

 

 

  GIGABYTE M.2 SSD M30シリーズ 1TB

 

CrystalDiskMarkの結果

今までの2機種よりも書き込み性能が劣ります。スペック上は3000MB/sとなっていますが、何もデータが書かれていない状態での性能のようです。購入直後にしかベンチマークしない人は気づかないと思うのでこういうのはちょっと印象悪いです。

使用時に他の機種との違いは感じませんでした。

 

300GBの動画データを同じフォルダにコピー

やはりデータがある程度存在する場合にキャッシュが切れると書き込み性能が極端に落ちます。

キャッシュがある時は上の2機種と同様1GB/sですが、すぐにキャッシュは無くなり100MB/s~200MB/sを行ったり来たりします。遅いので途中で中断してしまいました。

LIFEBOOKでこれだけのデータを一度に書き込む事はあまりないと思いますが、リアルタイムで動画を保存したりする用途には使わない方が良いと思います。

 

上記テスト時の温度変化

書き込みが遅いのもあって、最大温度は69.0℃と一番優秀でした。書き込みスペックを取るか温度を取るかは少し悩むところです。

 

 

 

  XPG SSD M.2 512GB SX8100シリーズ

このSSDには元々薄いヒートシンクが付いているのですが、そのヒートシンクとLIFEBOOK側のサーマルパッドが干渉して入りませんでした。ヒートシンクも両面テープでがっちり付いている為、今回はあきらめました。

※補足:このヒートシンクは購入後に自分で張り付けるタイプなので、購入直後なら問題なく装着可能です。

 

 

 

  Western Digital SN730 NVMe SSD 512GB

 

CrystalDiskMarkの結果

ベンチマークとしてはSN570より少し遅い結果になりました。OMEN15に元々付属していたSSDですが、なかなか優秀なSSDのようです。

 

300GBの動画データを同じフォルダにコピー

キャッシュは少ないのですが、キャッシュが切れた後も700MB/s台後半を維持しており優秀でした。

 

上記テスト時の温度変化

総容量512GBの為、連続でコピー出来るデータ容量が少なかったからか71.0℃までの温度上昇となりました。

 

 

 

総評:どれが一番良いのか? 

ぜんぜんわからん!!!

 

もうちょっと機種によって温度が上がらないとかあるかなと思ったんですが、結構みんな熱いんですよね。M30が一番マシだけどキャッシュありでも書き込みスペックが劣るし・・・

 

そもそもLIFEBOOKは3500MB/sあたりのSSD載せる用に設計されていません。

耐久性とかを考えると元々付属している2000MB/s前後のスペックで低発熱の物を選択するのが正しいと思います。

 

と言っても普段こんなに爆熱になるまでデータ書き込みする訳じゃないので、「CrystalDiskMark」の結果だけで判断しても良いかなと言うのが正直な感想です。あとは好きなメーカーで決めるとか?

 

今回は速度と普段の温度が比較的安定している事から「SN570」を使用していこうと思いますが、、、

 

結論としては「モバイルノートで3000MB/sを超えるSSDを使うな」

って事で・・前提が間違っていましたね・・・ォィ。

 

 

  追記:もっと遅いSSDを使ってみる

一度起動時に謎のエラーが発生したのでちょっと怖くなってもっと低発熱のSSDを使おうと思いました。

そこで以前購入したけど速度が遅かったので使うのをやめていたTeam SSD 1TB MP33シリーズを使ってみました。

大容量の連続ファイルコピーはやってないですが、ベンチを動かした時の最大温度は63℃でした。

元々付属していた128GBのSSDと似たようなスペックですが、高速なSSDを使った時と体感は正直変わりません。

起動時間もLIFEBOOKに関してはWindowsを読み込む前のBIOSの起動に時間がかかる為、高速なSSDと比べても2秒ぐらいしか変化しませんでした。

 

何より一番良いのは通常使用では他の高速SSDよりも10℃近く温度が低い事でしょうか、どうも50℃前後のSSDを入れっぱなしにしているとキーボードの左手を置く辺りが結構熱くなってきます。

このSSDに替えてからは暖かいなと感じるレベルに収まっている気がします。

 

やはり前回の結論は正しかったと思います。

 

もう一度言いますが・・・

LIFEBOOKのUシリーズやWU2シリーズなどの薄型軽量PCで3500MB/sの高速SSDは使わない方が良いです。

WDも旧SN550ならギリギリありだったかもしれません。現在は入手性が悪く値段が上がっているのが微妙な所ですが・・・

あと確か純正の大容量のモデルはSN530を使ってる物もあるみたいです。

やはり2000MB/s前後のスペックがちょうど良さそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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