普段洋楽のことしか書かない(洋楽しか聴かない)私が10年以上前から声を大にして言いたいことがある。

 

それは日本で一番歌が上手い歌手は福原美穂だ!ということだ。

まぁまぁ、まずは何も言わず彼女の歌声を聞いてほしい。

これは当時中学生だった福原美穂が地元ローカルテレビで披露したときの映像だ。

 

 

中学生とは思えないこの歌声。

これは才能と言って間違いないだろうと思う。普通の人が出そうと思っても練習して出る声ではない。

 

私が初めて彼女の存在を知ったのは高校1年の学校祭の時。

生徒ののど自慢で、ある3年生の先輩がステージに立った。

歌い出した瞬間、会場中が一気にざわめいた。

まさに衝撃的だった。

うまいなんてもんじゃない、あの先輩は誰だ!?

へぇ、福原先輩っていうんだ・・・!もしかしたら将来歌手になるのでは!?

そこにいた全校生徒、先生、誰もがそう口々に噂した。

 

そして私が高校を卒業したある日、自宅でテレビを見ていた時流れてきたのが彼女の歌だった。

北海道日本ハムファイターズの応援ソングではなかったかと思う。

聞いてすぐに彼女だ!と思った。だってこんな歌い方ができる歌手は他にいないから。

あぁ、やっぱり歌手になったんだ。うまかったもんな、ぜひ売れてほしいな!そう思ったのを覚えている。

 

正直「誰それ?知らない」という人がほとんどだと思う。

そりゃそうだ。売れてないから。

でもきっと彼女が売れないのは彼女のせいではない。

 

私は日本の音楽業界のせいか、リスナーのせいか、はたまた両方のせいか?と思っている。

「音楽業界のせい」といったのは、日本の音楽界は「うまい歌手」を売りたいのではなくて「売れる歌手」を売りたいからだ。

そりゃ音楽だってビジネスなのだから至極当たり前のことだと思うが、彼女はその「売れる歌手」ではなかったということになる。

 

「リスナーのせい」といったのは、リスナーのニーズもまた「うまい歌手」ではなく「売れている歌手」にあるから。

本当にうまい歌手を求めているリスナーというのは日本には少なくて、上手いかどうかよりも売れていてみんなが聴いている歌を聴きたいという、流行に流されやすい国民性も関係していると思う。

最近のランキングなんか見ていてもそのほとんどがアニメソング、K-POP、アイドルばかり・・・

こんなこと言ったら怒られるかもしれないが正直終わってる。

もちろん「売れている歌手=うまい歌手」という構図も成り立つのだが、残念ながらその逆の「うまい歌手=売れる歌手」という構図は必ずしも成り立たない。

 

「両方のせい」といったのは、こうした業界とリスナーの需要と供給が相互に作用し「売れてないけどうまい歌手」の入る隙がなくなっているから。

その証拠に、彼女にはたくさん上手い曲はあるのだがこれといったヒット曲に恵まれていない。

逆に言えば、大してうまくなくても万人受けする曲があれば(またはヒットするような曲があれば)日本で売れることはできる。

 

大きなおせっかいを承知で言うが、彼女にはこんな国でくすぶっていてほしくない。

アギレラやマライアのレベルといっても過言ではないし、実際に彼女らが活躍するアメリカで羽ばたいてほしいとずっと思っている。

本人にその気がないのかそれともこの国で売れるのを諦めていないのか、それは彼女にしかわからないけれども。

このままこの才能を潰してしまうにはあまりにも惜しすぎる。

 

なぜこのような記事を急に書きたくなったかというと、なんとなく見ていたテレビで「声楽家190人が選んだ歌がうまい歌手最新ベスト50」という特番がやっていたのを見ていたからだ。

本当に歌のプロが選んだのならもしかしたら彼女がランクインするかも・・・と淡い期待をもって見ていたが、結局ランクインすることはなかった。

誰も彼女を知らないだけなのか、知っていて他の歌手を選んでいるのか?

それとも忖度が働いているのか・・・まさに今売れている歌手ばかりが出てきてがっかりしてしまった。

期待した私が馬鹿だった・・・知ったような口をきくがこれが日本の音楽業界かぁ。と心底思ってしまった。

 

私がめったに邦楽を聴かない理由はこれかもしれない。

でもさきほどの動画のコメント欄に「日本にいてはもったいない」というようなコメントが多数ついていてほっとした。

そういう耳や感覚をもっているリスナーが少なからずいて、まだ捨てたもんじゃないのかな?とちょっと思えた。

 

ちなみに小柳ゆきも昔から密かにファン。

彼女についてはヒット曲があり、一時期爆発的に売れたが最近は鳴りを潜めている。

以前近所のショッピングモールに来ると聞いてかけつけたところ、あんなに売れた歌手が来る(しかも無料で聴ける!)というにもかかわらず観衆はまばらだった。

そのおかげで至近距離で生歌を聞くことが出来たのだが、それはそれは本当にうまかった。鳥肌がたった。

思っていたより小柄で華奢なあの身体のどこからあんなパワフルな声がでているのか不思議なほどだった。

彼女もまた、この国に握り潰されてしまった才能のひとつなのかもしれない。

 

 

 

話を元に戻すが、これは福原美穂がアメリカの教会でゴスペルパフォーマンスを披露した際の映像だ。

とくに3:30~のアメイジング・グレイスは必聴。

この2つの動画を見る限り、彼女は日本の歌よりも洋楽に向いた歌手に違いない。

日本のポップスを歌っていてはその良さを殺してしまうように感じる。

 

無責任かもしれないが一ファンとして言わせてもらえば、とにかく福原美穂には一日も早くその才能を発揮してほしい。

私の2つ先輩なので彼女ももう34歳。

こんなレベルの低い国ではないところで、もっと多くの人の耳にその声を届けてほしいと思う。