"シングルオリジン"と呼ばれるコーヒーをご存知ですか?
これもスペシャルティコーヒーと関わりの深いワードです。
簡単に言うと、前回の記事でお話ししたトレーサビリティ(=追跡可能性)の明確なコーヒーの事。
コーヒーには所謂"銘柄"として『コロンビア』や『グァテマラ』、『ケニア』、『ブラジル』などの種類がありますが、これって実はかなり大雑把な区分なんです。
コーヒーには数十種の品種、無数の栽培地域、数百数千の農園があるのに、その銘柄の範囲で栽培されている総ての豆を『これはストレートコーヒーです』としてまとめて販売しているのがそれ。
これではトレーサビリティも何もあったものではありません。
せっかく別々に栽培されているそれぞれの個性をごちゃまぜにして、その時点で"銘柄内でのブレンド"を作り出してしまっているんですから。
それに対してスペシャルティコーヒーなどの高いグレードのコーヒーには、銘柄以外にもう一つ二つの名前がついていることが多いです。
例えば『パナマ エスメラルダ ゲイシャ ウォッシュド』など。
これは"パナマ国"の"エスメラルダ農園"の"ゲイシャ種"を"ウォッシュド精製"した豆という意味。
他にもグァテマラのサンタカタリーナなどが有名ですね。
このように国や地域だけではなく、どこの農園で栽培し、どんな方法で精製したのかまで(他にも幾つかありますが)を細かく明確にしている"一種類のコーヒー"がシングルオリジンです。
そしてスペシャルティコーヒーに於けるストレートコーヒーは全てがシングルオリジン。
コーヒーは品種どころか、精製方法の違い、農園の違いでそれぞれ微妙に味が変わってきます。
シングルオリジンの魅力は、通常の流通で失われてしまうそこだけの個性が生きていることにあります。
以前飲んだエチオピアのコチャレ地区で栽培されパルプドナチュラル精製された豆は、力強い花の様なアロマと明るい酸味ととろりとした口当たりが最高でした。
スペシャルティコーヒーが生まれたのは、それだけ美味しいコーヒーがあり、それを求める人がいるから。
それに応え、様々な農園で育まれたそのままの美味しさを確実に僕達に届けてくれるのが『シングルオリジン』という新しい考え方なんです。
ただ現在、僕達の周りでそれを取り扱っている店は決して多いとは言えません。
珈琲店、喫茶店と銘打っていても、それに見合うコーヒーを出す店はほんの一握り。
他にも様々な半端モノが溢れている昨今、正しい知識と情報収集無しには本当においしいコーヒーは飲めません。
でもここまでこだわり尽くしたコーヒーがどれだけ美味しいかなんて、想像するだけでワクワクしませんか?
コーヒーの世界は果てしなく広いです。ぜひみなさんにもコーヒーの事をより深く知って、新たな感動を発見してほしい。
そんな思いから始めたYouTube活動もこれから継続していきます。
いつも応援してくださっている方々、本当にありがとうございます。
これからもよろしくおねがいします!