十一年会っていなかった母に会うために真島は佐渡島に行こうと思います。そのことを、ちょっと変わった先輩、斎木さんに話してしまったことから、面識のない繁田さんと仲杉くんとの四人で佐渡島に旅行に行くことになってしまいます。
佐渡の金山などの観光をする四人。金山の開発には無宿人と呼ばれる身寄りのない人間たちが使われ、三年も働くとその過酷さから皆命を落としていったことを知り、四人は自分がその時代に生きていたとしたら、家族から離縁され、同じような末路をたどっっただろうなどと慨嘆します。
母とようやく面会する真島ですが、母がある女性と暮らしていることがわかります。母はどうやら同性しか愛せなかった人らしいことがわかります。
その一緒に暮らしている女の人がやって来ると、真島は逃げるように母の元から三人の男たちの元へ戻ります。
ラスト、フェリーに乗って帰る前、真島と三人の男たちは、見送りにきた真島の母に手を振って別れます。爽やかな余韻をのこして作品はおわります。
*
作者は太宰賞の受賞歴があります。
前半、軽妙に物語は展開します。男四人の旅という、何でもないことを書いていながら、おもしろく読めるのは、作者に文章の才能があるからでしょう。
文章はすらすらと読みやすく、表現したいことが過不足なく読み手に伝わっている感じがします。
小説宝石というと、いわゆる純文学の雑誌ではありませんが、エンタメといっても物語の質が高いように感じました。
というか、純文学系の新人賞を読んでも、最近ピンときません。エンタメの方が自分には向いているのかな、とさえ考えています。私の読みが駄目なのか?
今年の宝石新人賞も、個人的には要チェックです。
前半、軽妙に物語は展開します。男四人の旅という、何でもないことを書いていながら、おもしろく読めるのは、作者に文章の才能があるからでしょう。
文章はすらすらと読みやすく、表現したいことが過不足なく読み手に伝わっている感じがします。
小説宝石というと、いわゆる純文学の雑誌ではありませんが、エンタメといっても物語の質が高いように感じました。
というか、純文学系の新人賞を読んでも、最近ピンときません。エンタメの方が自分には向いているのかな、とさえ考えています。私の読みが駄目なのか?
今年の宝石新人賞も、個人的には要チェックです。