『死神の精度』伊坂幸太郎・・・・88点
短編集です。まだ表題作を含め、二作品しか読んでいませんが、面白かったので、レビューを書いてみます。
伊坂幸太郎という作者は、村上春樹チルドレンと呼ばれているそうです。
村上に文体とかが似ていたり、村上の作品の影響を受けている人を春樹チルドレンと呼んでいるようです。
文体は、確かに、すこし、似ている気がします。
でも、読みやすいから、私は好きです。
基本的に、私、純文学は好きですけど、文学文学してる文体は好きじゃありません。
素直な文章が好きなので。
まだるっこしい文章もそれはそれで味があるのでしょうけど、短い言葉でざくっと表現できる作家って「凄いわ」と感心してしまいます。
それはそうと。
『死神の精度』。
主人公は、年百年も生きてきた死神で~す。
死神は、1週間後とかの死にそうな人のところに派遣されてきて、その人が本当に死ぬべきかどうかを調査しています。死神がオッケーを出せば、その人は死んでしまいます。
ある醜い女の人を死神が調査します。
彼女は、会社の苦情処理係を担当させられていて、毎日毎日、たちの悪い苦情の電話が彼女の元にまわされます。
その苦情の中の一件は、会社の商品の苦情からはじまって、女性に歌を歌えとか、無理難題を言ってくるものまであります。
死神が、この女性は仕事が辛そうだから、死んでいいだろう、と思っていると、その苦情の主は実はただのクレーマーではなく、・・・。
まだ直木賞はとってないみたいですけど、獲るのも時間の問題という気がします。
電話交換手の声が素敵だから、音楽プロデューサーが惚れ込んで抜擢した、という話は、本当にありそうですね。
表題作に限って言えば、お話に深さ、とかはないですけど、面白さはあります。
面白さがあれば、それで充分、という気も最近しています。
他に何作品か読んでみたい作家ができました。