百田夏菜子と高橋さおり「幕が上がる」 | ももクロちゃん参戦記録

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幕が上がるの考察なんかもかなり出揃ってきましたね。
その多くが原作との比較や、青春映画としての考察とかで、アイドル「ももいろクローバーZ」としの映画考察は意外と少ないかもと思い、そこら辺を注目してレビューしようかと思います。

つまり、これは思いっきりモノノフ視点という事です。
賛否ありますが、本広監督はモノノフが喜ぶであろう小ネタを仕込んできています。実際それに一番拒否反応を示したのはモノノフだという悲しい現実はありますが 笑

で、自分がレビューしたいのはその小ネタの話ではなくて、ももいろクローバーZの個々のキャラクターと、映画の個々のキャラクターの関係性のようなものです。
これはモノノフ視点でないと考える事はないと思うんですね。
ももクロを知らなければ、メンバーの性格など知る由もないですから。
で、ちょっとそれに関してあくまでも個人的な見解を気ままに書こうと思います。

と思って書き始めたのですが・・・佐々木彩夏さんのところでいきなり止まってしまいました。難しい。佐々木彩夏さんと明美ちゃんを考察するのにはそこにあーりんという存在もかかせない。
で、考えたんですが・・・。
この辺は各推しの方に任せます(´・ワ・`) 


ということで、私が考察するのは百田夏菜子高橋さおりこれだけにしようとおもいます。

以下ネタバレありなので見たくない方は閉じてください。

これも難しいのが、他の方のブログでも言及されていますが、高橋さおりは原作と映画で大きくキャラクターが変わっています。
ここでは映画「幕が上がる」の高橋さおりと百田夏菜子について書いていきます。

まず、最初に私がさおりに夏菜子を感じたシーンは、吉岡先生に「なんで演劇やっているの?やめればいいのに」って言われた時のさおりの表情でした。
「なんでももクロやっているの?」と問われているように夏菜子がオーバーラップしました。
後の舞台挨拶で夏菜子自身も言及していますが、彼女自身もそう感じたそうです。

夏菜子自身のももクロをはじめた経緯は何度か紹介されています。アイドルを目指したわけでも、女優を目指したわけでもなく、周りに勧められてオーディションを受けたら合格してスターダストに入ったと語られています。
そんな中たまたまプロフィールにダンスと書いてあり、ももいろクローバーとして活動していく事になるわけです。

さおりが演劇部に入ったきっかけは、ゆっこの付き添いで演劇部に行き、そこで台本読んだら褒められたから流れで入部したと、さおりは中西さんに語っています。

夏菜子がももクロをはじめたきっかけも、さおりが演劇部に入部したきっかけも、自分本位ではなく、どちらかというと他人に勧められるがまま何となくといったところは共通しています。
だからこそ、「なんで演劇やっているの?」というストレートな問いに夏菜子は「なんでももクロやっているの?」と問われているように感じたのは自然な事のかもしれないですね。
あそこのさおりの表情には圧倒的なリアリティを感じました。
(個人的には、あの表情ではじめて夏菜子の演技に引き込まれたシーンでした)

順番前後しますが、そんなさおりは映画冒頭で嫌々演劇部の部長にさせられます。
拒否するけど、周りに推され結局部長になるわけです。
ももクロでは当初高城れにがリーダーでしたが、途中交代で夏菜子がリーダーになります。当初リーダーは嫌だったと何度かインタビューで答えています。
そして、ゆっこのセリフで「がるるでもよかったんだけど」というセリフは、最初のリーダーがれにちゃんだった事と少しリンクさせたセリフなのかなとも感じました。
つまり、れにちゃんがダメだったわけじゃないよってメッセージも・・・考えすぎかな。

映画中盤、肖像画のシーンが終わるとさおりは演出家に専念します。
つまり裏方ですね。
ここから夏菜子と圧倒的に違う道を歩むわけです。
夏菜子はリーダーでありながらももいろクローバーZの全体的エースでセンターです。
ただ、どちらのチームにおいてもリーダーである事は変わりません。

そして、さおりは人生を狂わせる事になるかもと突きつけられながら全国を目指そうと吉岡先生に煽られます。
ももクロは元々はレッスン感覚ではじまったとグループだったと言われています。
それが徐々になのか突然なのかわかりませんが紅白歌合戦という明確な目標を持ち本気になったグループです。
きっとももクロ本気になった事で彼女たちの人生は大きく変わった事でしょう。

そして人生を賭けてアイドルももいろクローバーとしての夢「紅白歌合戦」を目指します。
ただその夢より優先すべき個人の夢が持ったメンバーが一人いました。

早見あかりです。
彼女が目指したのは「アイドル」ではなく「女優」でした。

私はZ以降のファンですので、Z以前のももクロメンバーの早見あかりの依存度の高さは後に語られているところからしか読み取れませんが、それでも後日談だけ読み取ってもメンバーの精神的支柱であった事は想像に難くありません。
とくに、本人も語っているので百田夏菜子はかなり依存していた事は間違いないでしょう。
そして彼女は自分の「夢」のため、2011年1月13日にメンバーの前にて突然脱退を告げます。
このシーンは映像で残っていますが、あの時の夏菜子の涙、あの喪失感・・・。
一方、吉岡先生も演劇部の「夢」よりも自分の「夢」を優先させるため、演劇部から突然姿を消します。
溝口先生が吉岡先生の手紙を読むシーンのさおりの姿は、あの時の夏菜子と重なったモノノフは少なくないのではないでしょうか。
小ネタで言えばあのあとさおりが自宅のリビングで一人でいるシーンのBGMに怪盗少女のピアノヴァージョンが流れます。
中野サンプラザのあかりんへ贈る歌をオマージュしているようにも思います。

そして明美ちゃんとさおりのシーン、部員の前での挨拶シーン、ラストシーン。
明美ちゃんとのシーンでは、いつか部活には終わりがくるという事への恐怖を明美ちゃんは吐露します。
どこまでも行ける切符を持っているけどどこにも辿り着けない不安感、でもその上で部員に全国を目指すとさおりは宣言し、ラストシーンではさおりはモノローグで「宇宙の果てを目指します」と吉岡先生へ届かない手紙で伝えます。

これこそ、ももクロ自身が紅白の夢や国立競技場のライブの夢を達成したあとに終わりが来てしまうんじゃないかという葛藤と重なり、そしてももクリ2013での夏菜子のライブ最後の挨拶へと見事にリンクします。

ももクリ2013での夏菜子の挨拶

ちょっと、どこまでいけるのかなって考えてみたりもします。
なんか、もうこうなったらちょっと本当にあり得ない世界まで行ってみたいなって。
みんなが絶対に想像できないような、モノノフさんがついて来れなくなるような。
途中でリタイヤしそうになるくらい、私たちは走って行きたいなって思うし、それにきっと、なんだかんだリタイヤしそうになってもついてきてくれるってのは分かっているので、みんなであり得ないところまで進んでみませんか?
みんなと一緒ならなんでも出来る気がするんです。


私は夏菜子とさおりは性格はそこまで似ているとは思いません。
大きく違うという事ではないのですが、百田夏菜子は常に笑顔で元気いっぱいです。
少なくとも私にはそう見えて、それが彼女のアイドルとしてのアイデンティティーだと思います。
ももクロは普通っぽさが良いと表現される事がありますが、あんなに常に笑顔で元気いっぱいな子達はそもそも普通ではないと思うんです。
勿論良い意味で。
一方、高橋さおりはもっと普通の女子高生です。

ただ見事にももクロの夏菜子のストーリーと幕が上がるの主人公高橋さおりのストーリーがリンクしていると思うのは私だけでしょうか・・・。

カメオ出演やタオルやTシャツの小ネタなんかよりも、思いっきりストーリーがももクロそのもので、だからこそ原作を見事に「アイドル映画」として生まれ変わらせた傑作だと思います。

以上が自分なりの考察です
異論は大いに認めます。
少なくとも色々語りたくなる映画である事は間違いないですね( ̄▽ ̄)


あ、ちなみに中西さんとさおりのシーンはあえて言及しませんでした。
やっぱここは杏果推しの見解を聞きたいので 笑
杏果推しのみなさん待ってます(私信)



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