アキラの家から帰る途中は頭真っ白やった。




ヤバイ殺される。ヤバイほんま殺される。




俺は黙っとくけどもしあの人が話したら・・・




されたって言っても絶対信じてくれへん。




何も考えれない頭にアキラの言葉が浮かぶ




『大悟さん圧勝』




『俺絶対あの人の怒りに触れんとこうって心に決めた』




『もうボッコボコやったで』




『体吹っ飛んだ』



『衝撃で花瓶割れてん』




もう最悪やわ。




いつばれるかとソワソワしたけど、




大悟さんに会っても



いつもと何も変わらなかった。




春華さんには、こんな狭い地元の中やったけど




1度も会うことはなく、




1年が過ぎていった。




なんか一区切りつけたのか、アキラがタバコの煙を吐く。




「・・・・・あんな?」



「んー?何ー?」



「オレこの間帰ったやん?途中で。」



「あー、具合悪かった日?」



「そうそう。まぁ具合は良かったんやけど。」



「何やお前仮病か。」



「春華って人おったやん?」



「春華・・・・春華・・・・あぁー。あの人な」



「あの人とちゅーした。」




アキラが目を見開く。




「あの人ぐらい悪くなって、ベッド運んだやん。そん時。みんなには内緒やで。って言われてん。」



「・・・・・・・・・・・・・。」


「やっぱ女からして来るって事は、なんか気持ちあったんかなーとか。でもこの間初めてあったやん?ただ酔ってただ・・・・」



「ちょっとまてストーーーーーーーーーップ」




アキラが両手をバタバタさせて話を途切れさせる。




「・・・・・何やねん」



「お前今の話俺にしかしてないよな?!」



「・・・・してへんけど?」



「絶対他の奴らに絶対はなしたらアカンで?!?!?!」



「だからなんなん!!!!」




アキラがタバコを灰皿にネジ捨てて、俺の肩を掴む。




「何やねん!!!!!いきなり!!!!!!」








「春華さんな?大悟さんの彼女やで?」












「何かあったん?」



「大悟さんと内山先輩喧嘩するし、女は泣き叫ぶし!!!俺めっちゃ大変やったんやで!!」



「大悟さんと内山先輩とか壮絶やな(笑)」



「まぁ大悟さんの圧勝やったけどなー!!!俺、絶対あの人の怒りに触れんとこうって心に決めたわ!!」



「そんな?」



「もうボッコボコやったで!!!体吹っ飛んだしな、衝撃で花瓶割れてん!!!まぁ大悟さん家のやけど(笑)」



「(笑)」



「喧嘩止めよう思うて、2人の間入ろうとしたら、山内先輩俺にキレるしな。オレー?!って感じやん?」



「まぁそうやなぁ」



「ほんま災難やったで。」


-アキラの家-



アキラが下手くそなギターを弾きながら意味のわからん歌を歌ってた。



「それ何の歌?」



「オリジナル♫いけるやろー?」



「いけへんと思うで。」



「そうかー?」



アキラがギターを置き、タバコを咥える。



「そうや!お前こないだ大変やってんで!!!!」



「なにこの前って」



「お前が飲み会の途中で帰った日やん!!!」



「・・・・・・・・あぁ・・・。」




忘れてたのに、一瞬でキスの事を思い出した。



それから春華さんはしばらく寝るって言ってベッドで寝てた。



女の人とキスした事はあったけど、初対面でキスされた事はなかったから



めっちゃ焦った。




「蓮くーん。どうしたーん?顔赤いでー?」



「何も・・・」




アキラが話しかけてきたけど、頭の中はさっきのキスの事だけ




「そんな飲んでないやろー?」



「まだ一本。」



「一本じゃ酔わんなー(笑)」



アキラが俺の正面に座り込む。



「具合悪いん?帰るー?」



「でも大悟さんいるし。」



「大丈夫やろ、大悟さんだいぶ酔ってるし(笑)」



「・・・・・・・・・・・・・・。」



俺は具合が悪いって嘘ついて家に帰った。



春華さんはみんなに内緒って言うてたけど



後でアキラに相談しよ。




「・・・・・・・・・・・・・・・。」




俺が見てるのに気づいたその人が口を開いた。




「・・・・どーしたん?」



「いや・・・別に・・・名前なんて言うんですか?」



「春華・・・。そっちは?」



「蓮です。」



「大悟の後輩?」



「そうですね。」



「ふーん。知らんかった・・・。」




少し寂しそうな顔して春華さんが笑った。




「・・・・・ねぇちょっと。」




ベッドの縁に起き上がり、春香さんが手招きをする。」




「なんですか?」



「ええから・・・ちょっと来て・・・」




手招きを続ける彼女に近づくと、両手で首を引かれた。



「ちょっ・・・・・・ッ・・・・・。」




重なり合う唇。



しばらくの間、キスして春華さんが口を離した。





「みんなには・・・内緒やで・・・。」
「あの。部屋移動しましょうか。ここうるさいし。」



「うん・・・・・・・・。」



ゆっくり立ち上がるその人を支えながら



大悟さんの部屋まで連れてった。



先輩達は会話に夢中で俺たちの事を全然気にしてなかった。




-大悟さんの部屋-


部屋につくなりその人はベッドへ倒れ込んだ。



「大丈夫ですか?水いります?」



「平気・・・・。しょっちゅうだから・・・・。」



「・・・・・・・・・・。ならいいですけど。」




しょっちゅうならちょっとは酒加減しろよとか思った。




「・・・・なんかごめんね。」




「イヤ、俺は大丈夫です。」







改めてその人を見ると



すごいキレイな人やった。



手足がスラッとしてて



茶色でサラサラの髪の毛。



目が大きくて、めっちゃキレイやなって思った。



先輩達に挨拶したかったけど、何か盛り上がってたから



とりあえずタバコ吸いながらビール飲んでた。




部屋を見渡していると



女の人が床にうつ伏せで寝てた。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」




近づいて話かけてみる。




「大丈夫ですか?」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」



「おーい。」



肩をポンポン叩いてみると少しだけ動いた。



「眠たいんですか?」



「ん・・・・気持ち悪い・・・・。」



「気持ち悪いんですか?トイレ行きますか?」



「無理・・・。吐けへん・・・。」



「・・・・・・・・・・・・。」




どうしようもなくて、アキラに話に行った。




「あの人気持ち悪いらしいんやけど・・・。」



「んー?だれー?」



「あの人」



「あぁー。トイレの隣に大悟さんの部屋あるから、連れてってー。」



「・・・・・・・・・・・・・・。」




なんで俺が。って思ったけど、またその人の所に戻った。


玄関のドアをあけた瞬間、



うるさい音楽とタバコと酒の匂いが漂ってきた。




「・・・・・・・・・・・。」



入るのを躊躇してたら、アキラに足蹴られて、しょうがなく中に入った。



「こんちわ。」



「おぉ北川!!!!」



大悟さんが近づいてくる。



「すみません。遅くなって」



「ええよ。ええよ。まぁ座って飲めや!!!」



「はい。」



座る場所もないぐらい汚い部屋を見て、とりあえずビールを持って隅に座った。



アキラは先輩達に挨拶したりしてた。



部屋の中には、爆笑してる男が4人と、爆音の中踊り狂ってる女が2人いた。



大悟先輩ってゆーのは地元の先輩。



体むっちゃゴツくて、ほんま喧嘩とかしても、




5人がかりぐらいじゃないと絶対勝てへんやろうなって人。




地元じゃ負け知らずってこの人の事言うんやろうなって思うぐらいイカツイ人やった。




もともとアキラと仲良くて、それで何か俺まで可愛がってくれてた。




でも、かなりの気分屋やったから




あんま俺たちは好きじゃなかった。