実は、今、わが家の近辺にいる野良猫ちゃんを保護したいと、餌付けしている。

猫は好きだけど、いろいろ事情があって、私自身は飼えないでいた。

その一つは、アレルギーがあって、酷いときは抱っこしただけで、喘息っぽい症状が出たりしていたこと。

もう一つは、飼いたいと思ったとき、一人暮らしで仕事は忙しく、経済的にも精神的にも余裕がなかったこと。


ところが、ここに来てちょっと状況が変わってきた。

リウマチの薬として、サイトカイン阻害剤を使っているので、免疫が弱くなっている。そのせいか、アレルギーが軽くなって、猫を抱っこしても鼻がムズムズしたり、喉がヒューヒュー鳴ったりしなくなってきた。

さらに、母が亡くなって寂しいこともあるのだろうが、本気で猫と暮らしたくなったのだ。


その上、近所をうろつくノラちゃんを見つけたものだから、これはお近づきになりたいものだと、カリカリを裏の三和土に置いておくことにしたのである。


果たして、ノラちゃんは食べてくれるようになったが、その減り方が凄まじい。


私が見つけたノラちゃんは、ホルスタイン柄の子で、牛柄だからウーちゃんと名付けたのだが、ほっそりした小柄な子である。

その子がこんなに食べるものだろうかと訝っていると、もう1匹いた。いや、正確にいうと、子連れのママだったからもう2匹である。


白ベースにグレイとトラ模様が少しだけ入っているお母さんに、黒っぽい虎柄のおチビちゃん。お母ニャとチビにゃと名付けた。



どの子も警戒心が強くて、近づこうとするとそそくさと逃げ去ってしまう。

網戸越しに様子を観察するのが精一杯である。


ある夜、黒っぽい子が餌を食べているのに気づいた。よく観察すると、黒っぽいじゃなくて黒い子だ。

餌皿がほぼ空だったので、追加を入れようとすると、逃げはしないのだが、大きな声で鳴いたりシャーシャー言ったりする。


まあ、4匹も食べに来てるのなら餌のヘリ具合も早いよなあ……と、半分ため息をつきながら、扶養家族のために餌代を稼がにゃと校閲のお仕事も頑張っているわけなのだ。

ところがである。先日、薄暗くなった三和土を、例のごとく網戸越しに眺めていたら、猛烈な勢いで食べてる子がいた。3日くらい何も食べてないくらいの勢いなのだ。

それが、どうも4匹とは柄が違うような気がする。確認すると、第5の男だか女だかわからないが、新顔であることがわかった。


そこで、新参者のシンちゃんと呼ぶことにしたのだが、一気に5匹の餌係というか、猫ババアになってしまい、この展開に自分でも驚いている。


このあとも驚くべき展開があるのだが、今日はここまで。