とても素敵な記事です。

毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20230922/k00/00m/050/132000c




まだ後に滑走者がいたにも関わらず、勝利を確信して喜びが爆発した瞬間。


SPの素晴らしい演技と高得点という背景があったことを差し引いても、あのフリーは確かに勝利を確信させるパフォーマンスでした。

安倍晴明が憑依し、京の都を跋扈する魑魅魍魎を薙ぎ倒してゆくかのような危機迫る演技。

同時に、丁寧に、冷静にエレメンツをこなして行く。

祈ることさえ忘れて、ただただ息を詰めて見守った4分30秒。


「これ、ウィニングランだ!」

「みんな見ててー!」


安倍晴明の仮面がはずれて、人間羽生結弦が感情の爆発と共に躍動したあのステップ。

そしてフィニッシュからの、咆哮。



思い出すと、今でも泣けちゃう私です。


ラストジャンプを降りて、コレオシークエンスのステップに入る瞬間は、今アイスショーで見ていても、一際大きな爆破的な歓声が起こり、会場が文字通り揺れる。

ここからクライマックス!

SEIMEIはこうでなくっちゃ!

わくわくする瞬間でもあります。



あの日、江陵のリンクでも、あの瞬間観客のボルテージがマックスまで跳ね上がって、天井が吹き飛ぶほどの歓声が上がりました。

後に結弦さんが「ウィニングラン」と言ったあの伝説のステップの興奮から、いつの間にかふんわりと優しい笑顔に。

緊張と重圧から解放された瞬間でもあったのでしょうか?

日の丸を纏い、天を仰ぎ、噛み締めるような優しい柔らかな笑顔。

なんて素敵な瞬間を切り取って残して下さったのでしょう。

思い出すと、またうるっと来ちゃいます。

映像だとどんどん流れて行ってしまうけれど、瞬間を捉え、残して下さる神ラマンの皆様。

まるで、時を止める魔法を使っているようです。



「みんな見ててー!」


ちゃんと見てたよ。

しっかり見届けて、覚えているよ。

そして、一生忘れないよ。