アイスリンク仙台のお話、もう少し続きます。
ご存じの方もおいでかと思いますが、私、2019年の初冬に病気で右足を少し悪くしました。
以前、コロナ前にアイスリンク仙台を訪ねた折に、一度リンクに立ってみたいという思いを抱いていました。
けれど、出来ませんでした。私が訪ねたその日は阿部先生がいらしていて、女の子のスケーターさんたちが多勢練習していました。
もちろん一般滑走のお客様もいらしたけれど、たまたまなのか、競技選手と思われるスケーターさんが多かった。
ちょっと気後れして、様子を見ていました。
こんなスケート靴の履き方もよくわかっていないドドドドド素人がリンク内をうろうろしたら、邪魔になるのでは?迷惑をかけるのでは?
滑ってみたい。
でも、真面目に練習している選手の邪魔になってはいけない。
かなり葛藤しつつリンクを見ていたら、やたらめったらスピンの上手な男の子を発見しました。
彼がスーッと滑って来て、私の目の前をゆっくり通り過ぎる時にお顔を見ました。すぐに、佐藤駿君だと気付きました。
そりゃあ上手いはずだわ(^◇^;)
つい先日、アイスショーで見たばかり。
ま、まずい…。
世界に羽ばたくような将来有望な選手が練習しているのに、おばちゃん、とてもじゃないけどこんな混んだリンクでムダに手すり磨きなんかして邪魔になってはいけない💦💦
そう思って、その日は結局見るだけにしました😅
いつか機会があったら、その時は思い切って氷の上に出てみよう。
そう思いながら、帰りました。
その後、仙台には行ってもアイスリンク仙台を訪ねる機会がないまま月日は流れました。
佐藤駿君は、拠点を移して、アイスリンク仙台からは姿を消しました。
そして2019年、病気で足を悪くしました。
もうスケートなんて出来ない。
ただでさえ経験が無いど素人なのに、片足を引きずりながらスケートなんて…。
もう、結弦さんが見ている景色を見ることは出来ないんだ。
もっと早く、機会を作ってやってみれば良かった。
そう思って、酷く後悔しました。
今回の旅が決まった時、アイスリンク仙台を久しぶりに訪ねてみよう、そう思いました。
氷の上に立つことは出来なくても、リンクの見学に行こう。そう思っていました。
けれど、ふと思い出しました。
子供が小さい頃、遊園地のスケートリンクに遊びに連れて行った時の事を。
椅子に座って後ろから押して、氷の上で遊べる遊具があったことを。
アイスリンク仙台にメールで問い合わせてみると、「椅子型のソリの貸し出しがあり、大人も使用可能です」と、お返事を頂きました。
これを使えばリンクに出られる!
結弦さんが日々見ている景色を見ることが出来る!
結弦さんが愛してやまない氷の上が、どんな世界なのか、ほんの少し感じられる!
滑走券と貸し靴のチケットを買い、貸し靴の窓口で、ソリを借りました。
ソリのレンタルは、30分300円。
30分もあれば十分です。
以前見たあの日より、リンクが空いていたのもラッキーでした。
そして、推しの練習拠点の大事なリンクに、わずかでもお金を落とせたことも嬉しく思いました。
氷の上に薄いブレードで踏み出すと、安定感0😅
手すりにつかまってそろそろと、ソリに座りました。
氷についた足が、ブレードでつるつる動く!
滑る…。
当たり前です(^◇^;)
ちょっとだけ手すりにつかまって立ち上がり、そ〜っと数十センチくらい滑ってみました。
怖いと言えば怖い。手すりを離すともっと怖い💦
でも、楽しかったんです。
右足はあまり踏ん張りがきかないし、痛みがあるので、長くは滑れません。
そして万が一転倒して怪我をしたり、後ろ向きに転けて頭を打ち脳震盪でも起こしたら、リンクに大変な迷惑をかけてしまう。
なので、ほとんどの時間座っていました。
そんな状態でも、楽しかったんです。
途中から阿部先生がいらしてレッスンが始まったので、リンクの中央付近には近づかないように、隅っこでこしょっと滑らせて頂きました(*ノω・*)
そうか。
結弦さんはこんな風に風を切って、氷の上で過ごしているんだ。
歩くより、いえ、走るより早いスピードで、周りの景色を見ているんだ。
長袖、フルレングスのボトム、手袋をしていても、この季節でも底冷えするリンクの上で、滝汗をかくほどのトレーニングをしているんだ。
そうか。
結弦さんのいる世界は、やっぱり少し特別なんだな。
そんなことを感じました。
コロナ禍や病気を経験して、人生いつ何が起こるかわからないと実感。
やりたいことは、チャンスがあればやってみるべきなんだ。
後悔しないために。
そう思って、思い切ってリンクに出てみました。
いい大人がソリ遊びなんて、カッコ悪いし恥ずかしいかなとも思いましたが、やってみたら楽しかった。
人の目より、自分の心。
ただ、周りに迷惑をかけるような事態にならないように、十分気をつけてはいましたが。
初めて頂いた、アイリンちゃんのスタンプを押したカード。
このカードにスタンプが増えることは、無いかもしれません。
でも、大事な記念です。
またいつか行きたいと思います。
一つ思ったことがあります。
リンク内の撮影は、一切禁止になったのは何故か?
途中から、阿部先生以外にもう1人男性コーチがいらして、あるスケーターさんが練習を始めました。
私のすぐ横で、そのスケーターさんがスゴイジャンプを跳んだんです。
敢えてお名前は言いません。
でも、多分フィギュアスケートファンならみんな知っている選手。
もしかしたら、そう言ったスケーターさんのプライバシーを守るためなのかも知れない。
そう思いました。
結弦さんも、ストーカーやパパラッチに追い回されて大変な思いをされているけれど、そういうことがなるべく起きないように、守ろうとしているのかなと思いました。
リンクの周りをぐるりと見回せば、結弦さんがSharePracticで立っていた場所、歩いていた通路、見覚えのある壁などがあります。
こういうのを、記念に写真に撮りたい気持ちがなくはありませんが、選手のプライバシーを守るためならば仕方ないなと思い、目に焼き付けて来ました。