こわれた腕輪ーゲド戦記Ⅱ― | ஐ La vie ‪ஐ‬ 〜❁*.゚ありがとう♡だいすき.゚*❁〜

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ஐLa vie‪ஐ‬とはフランス語で命・人生 の意味です。

✧*。この世界で出逢ってくれて、ありがとう大好きだよ✧*

日々の“ありがとう”と“”大好き”を綴るブログです。


本読んだ本の
気になったフレーズや文章を子供のころ
ノートに書き出すのが好きでした。メモ


ブログテーマ【本の付箋】は
そんなノートメモがわりのブログです。(*^^*)



P180
「そうさ、彼らは人間に与えるものなどなにひとつ持ってはいないんだ。彼らには物を作るチカラがないんだもの。彼らにあるのはこの世界を暗くし、破壊する力だけだ。彼らはここを離れることができない。彼らはこの場所そのものなんだからね。ここは彼らに残してやるべきなんだ。彼らの存在は否定されるべきでもなければ、忘れ去られるべきでもない。だが、また、崇拝されるべきものでもないよ。
この世はたしかに美しくて、明るくて、慈愛に満ちている。だが、それだけじゃない。
この世には、また同時に、醜くて、暗くて、非情なところもある。緑の草原ではウサギが恐ろしい悲鳴をあげて死んでいくし、山々は巨大なこぶしを握りしめて大量の真っ赤な溶岩を絞り出す。海にはサメがおよぎ、人の目には残忍さがひそんでいる。そして、人間がこうしたものをよしとして、その前にひれ伏すところでは、悪は勢いを得て、大いに栄えるんだ。
そこには闇があつまり、闇の集まるそんな土地は、われわれが名なきものたちと呼ぶ精霊の支配下になってしまう。
ひかりがあらわれる以前からの古い大地の精霊たちの支配下にね。闇、破壊、狂気といった力の支配下に、だ。
...コシルはそうしたもの達の力で、もうずっと前に正気をなくしたのではないだろうか。彼女は自分自身の迷宮をさまようように、この地下の洞穴をさまよってきて、ついに、どんな日の光も見えなくなってしまったんだと思うよ。
コシルはあんたに名なきもの達は死んだ、というんだね。そんなことが信じられるのは真実というものがまったく見えなくなってしまった人間にだけだよ。
名なきもの達はちゃんといるさ。だが、彼らは決してあんたの主人なんかではない。これまでだって、そうではなかったんだ。あんたは自由なんだよ、テナー。
あんたは奴隷となるように仕込まれた。だが、あんたはそれから抜け出したんだ。」




P240

「いいかい、テナー、よく聞くんだ。あんたは、たしかに、邪なるものの器だった。だが、中味はあけられた。ことは終わって、邪なるものは、
その自らの墓に埋められたんだ。あんたは、決して、残酷さや闇に奉仕するために生まれてきたんじゃない。あんたはあかりをその身に抱くように生まれてきたんだ。灯のともったランプは、周囲を明るく照らし出す。私のみつけたランプは、まだ灯がともっていなかった    」

―(中略) ―
 
「見よ!わたしは闇で光をみつけたぞ。光の精を見つけたぞ。」
わたしは彼らにいうんだ。
「この人のおかげで、古き悪は滅び、この人のおかげで、わたしは墓から出られた。この人のおかげで、こわれたものはもとどおりひとつとなり、この人のおかげで、憎しみのあったところに平和がもたらされるんだ。」