テーマ(本の付箋)は個人的に付箋を貼った箇所からの抜粋です😊
『センス・オブ・ワンダーを探して』
阿川佐知子 福岡伸一より
生命は絶え間なく入れ替わり流転しているのにもかかわらず、どうして全体として一定のバランスが保てるのかという問題がある。
その原理はまだ誰も説明できていない。
まずそれを語れる思考的な枠組みがあって、その上に精神とか心とか感情の問題が出てくると思うんです。
たぶん、私が生きている間にはそこまではできないと思うんですけども、その要素として、どうして統合されて行くのかという部分はもうちょっと語る余地があるし、考える余地があるのかもしれませんね。
私たちの体は、社長さんがいなくて、みんな平社員なのに会社がうまくいくような仕組みになっているんですよね。
六十兆個ある細胞のどれも全体のことなんか知らない。
自分がどこにいるかもわかっていない。
わかっているのはせいぜい上下左右、前後ぐらいの細胞との関係ですよ。
でも、一番端に行けば皮膚になるし、血管がそばにあれば栄養素をやり取りするし、いらなくなれば自ら死んで捨て去られていく。
それがどうしてうまく協調しながらやっていけるのかについては、いろんな手がかりはあるけれども、ちゃんとは説明できていない。
そういったことを考えようとした人はこれまでにもいたんですよ。
たとえば多田富雄さんは免疫系はどうしてそれだけ統合して自分と敵を認識できるのかを考えた人なんだけど、志半ばにして亡くなってしまったんです。
だから、カッコよく言うと、私は多田富雄さんが目指したことを引き継いで、もうちょっと考えられないかなと思っているんですよ。 ーー 福岡伸一 ーー
❤︎*。←ついでにこちら福岡伸一訳
「ドリトル先生航海記」について書いた記事です♡