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日常な非日常的日常
この世界に来てだいぶ時間が経ったな。
異世界って聞けば剣と魔法の世界をイメージしてたけど案外違うもんなんだな・・・・そうでもないか、ここは能力とかもあるし、他の異世界も存在するみたいだしな。
自分の能力を聞きに言った時におそらく俺以外の異世界転移者のような人が1人いた。
見た目人間みたいなんだけど耳長かったからエルフ?なのかな。
てか俺ってこの世界に来てからよく考えごとするようになったな。自分でもびっくりだ。
「ねぇ千君、そろそろ夏休み終わるから学校の準備でもしようか」
台所から深珀が濡れた手を拭きながら来た。おい、ズボンではなくタオルで拭け。
「もうそんな時期か・・・・どんなのが必要なんだ?」
「そうだね〜」と考えながら頭についた耳を揺らしている。今はいつもの猫耳ではなくうさ耳になっている。昨日動物園に行き、うさぎを触った際にどうせだからということで猫からうさぎに変えたらしい。
「とりあえず制服と教科書・・・筆記用具は前に買って来たからいいかな・・」
深珀ぶつぶつと話していると
「千君は部活とかやる予定は?」
やっぱりここにも部活はあるのか。
「深珀はやってるのか?」
「もちろん・・・と言いたいところですが入ってないんだよね」
「にゃはは」と苦笑いをする深珀。家の主がこんな感じだから別にやらなくてもいいかな。
「前の世界ではやってたけどやらなくていいかな」
「ふむ、それじゃあ制服とか貰いに行きますか」
いつものように家を出て買いに行く2人。制服や教科書は役所に行けば用意はしてくれているらしい。
もう二回も役所に行っているので道は覚えているのだが家にいてもつまらないという理由でついてくる深珀。
前に一度1人で本屋に行こうとしたら
「ここで絶対命令権を発動する、残念だったね〜千君」
と言われ2人で行くことになった。命令権は着実に深珀が勝っているので減ることがない。最近俺も勝負を仕掛けていないが。
そんなことを思い出しながら歩いていたら隣から視線を感じた。深珀がつまらなさそうな顔をしてこちらをチラチラみている。なんだよなんでもいいから話せって言いたそうな顔だな。
「そういえば部活のことなんだが、どんなのがあるんだ?」
「やっと私のアイコンタクトに気がついたのかい?やっぱり千君は鈍いな〜」
なんだこいつ話せと言わんばかりに視線を向けておいて話したらこれか。
そんな千幸の気持ちは知らんと言わんばかりに説明が始まった。
「運動部と文化部に分かれてて、サッカーとか吹奏楽とかそんな感じだよ」
意外と普通だな。なんかもっとこうな・・・能力をバリバリ使ってると思ってた。
「もちろん能力の使用も可能だから運動系は見応えあるよ」
前言撤回、使うらしいです。それだったら俺の能力的に運動部は駄目やろ。でも名前すぐにわかるからマネージャーとしてならワンチャン。
部活に入ろうか迷っているうちに役所に到着し制服と教材を受け取り家に帰る。
「なぁ深珀、俺が部活入るなら一緒にやるか?」
「う〜ん」と悩んでから
「考えてはみるかな。私はいろんなところから勧誘来てるからね。」
まぁそうだろ。見た目もいいし、運動神経は能力でカバーできるからどこも欲しいだろうな。
しばらく考えてみるか。
9話→公開中
11話→制作中
日常な非日常的日常
役所に行ってから自分の能力を聞かされていい使い方をずっと考えている千幸。
相手の名前がわかる能力か・・・・どんな使い方があるんだ?
慣れればほかの情報も見れるようになるかもしれないって言ってたからどんな風になるかによって変わってくるかな。
そういえば初めて深珀に会った時に一瞬深珀の名前が見えたのは俺の能力だったのか・・・あの時に名前の他に何歳かもわかったから年もわかるのか。
「難しい顔して、何考えてるのかな千君」
テーブルの上に置いてあった首が揺れる人形を弄り続けていた深珀が話しかけてきた。
「いや、さっき俺の能力聞いてきただろ?」
「うん、そうだね」
「それをどう使えばお前に勝てるか考えてるんだ」
「・・・にゃはは、頑張りたまえ」
「ちくしょう、今度こそ勝ってやる」
千幸は再び考え始めて、深珀は人形をいじるのをやめて近くに置いてあった本を読み始めた。
するとピンポーンと玄関からインターホンが鳴った。
「なんだなんだ?誰か来たのか?」
「う~ん誰も来る予定を聞いてないけどな~、めんどくさいな~」
深珀が立ち上がって玄関に行った。
「はいは~い、どちら様ですか~」
「あなたの愛しの彼女様ですよ~」
「・・・・お越しになった住居は現在使われていないか居留守を使っているため入れません」
「おい深珀、何馬鹿なこと言ってるんだ。早く開けてやれよ」
いつまでたっても開けてやらない深珀を見かねて玄関を開けに来た千幸。
「あ、ちょ、何してんの千君」
「やっと素直に開けてくれましたね音見?誰かいるんです・・・・」
玄関に現れた女子は深珀と千幸のふたりを交互に見て
「・・・彼氏?」
「「いやいやいや、どうしてそうなる」」
そんな発言を全力で否定する二人。
別に彼女でもいいと思うけどな、可愛いし。
「だって音見の家にいるとすれば私ぐらいだし・・・男だとすれば彼氏?」
そんなことを言い始める女子に軽く説明をしている深珀。
「な~んだ、異世界から来た人か~なら納得かな」
リビングでお茶を飲みながら話を聞いていた女子。
「てことは、うちのことは知らないってことかな?」
「そうなるな、俺の名前は佐谷亀 千幸だ、今は深珀の家に居候している」
「うちは奈児 雪葉(なに せつは)って名前だよ、よろしく」
手を出して来た雪葉、千幸も同じく手を差し出して握手をする二人
握手をすると千幸何かに驚いて手を離した。
「うわ冷たっ・・・なんだこれっ雪?」
「ふふふ、これがうちの能力だよ」
「これが?」といい手の中に残っている雪を見始めた。
「そうなんだよ、うちの能力は雪をだすっていう単純な能力だよ・・・この家の主にはよく夏に呼び出しを食らうよ」
ジト目で深珀を見つめる雪葉、「にゃはは・・」と笑いながら視線を外す深珀。
「そ、それよりも今日は何しに来たんだい?」
「とくに用事なんてないよ、ただ音見を見に来た」
「暇だから来たんだね」
「まぁそういうことだ」といいお茶を飲む雪葉。
「それじゃぁ雪も千君も暇なら一緒に私と出かけるかい?」
そんな提案をしている深珀。
まぁずっと家にいるのも暇だし別にいいか。
「俺は別にいいぞ」
「うちもいいよ」
「んじゃ行こうか」
家を出て歩き始める三人。
雪葉と深珀は千幸から少し離れたところを歩いていている。
なんか話しているな・・・まぁ別にいいか。
二人は話しているが時々ニヤニヤしながら千幸を見ている雪葉。
そんなことをしていると
「はい着いたよ・・・・そろそろ雪も開放してよ」
「仕方ないですね~いやはや面白いことが聞けましたよ」
ニヤニヤする雪葉・・・おいこっち見るななんかうざい。
こうして三人は図書館だと思われる場所に入っていった
8話→公開中
10話→公開中