~ハイスペック軍団?~

「考えてみると、涼風ってハイスペック軍団だよね。」

少し遅れた新年会の席で、急に遠い目をしながら亜水弥さんが呟いた。
とあるゲーム風に言うならば、超高校級の~~といった感じだろうか。

「ハイスペック?」

「疑問系で聞いてきてるけど七海も大学院生っていう立派な経歴だからね。」

「いやいや、最近は大学院も普通になってきたろ…」
「修士課程卒業してさらに博士課程の咲也には言われたくない。」

何があったのか…亜水弥さんがやさぐれている!?と奇妙な緊張感が支配した瞬間だった。

「医者三名、大学教授二名、弁護士一名、検事一名、大学院生…現役に卒業生も含めたら十名越えるじゃん!!」

「…その前に、そんなに団員いたことに驚愕した。」
年齢を重ねただけあって、皆それぞれの道を歩んでいたため昔のように何から何まで一緒とはいかなくなってしまったのだ。

「亜水弥さんは思ったのよ…そのうちオリンピックとかノーベル賞あたりくるんじゃないかと!!」

「「それはない!!」」

久々の一致団結したツッコミだった。

「ふっふふふふ…忘れてもらっては困るぞ、亜水弥嬢…」

どこからか、忘れておきたい声が響いてきた。これはまさしく…奴しかいない。
「このハイブリッドオタクの往人のことを!!」

今日もきょうとで、白衣を翻しながら登場する往人さんの姿に七海ちゃんが怯えたように咲也君を盾にした瞬間だった。
むしろ、医者としてすでにハイスペックとされていたのにあえてオタクを主張する姿は尊敬に値する。

「はぅ~なら、なら、新作ゲームは欠かさない腐女子藍音さんのこともカウントして欲しいんだよ、だよ?」

「あ、それなら…ワンコのスペシャリストとして俺もカウントしてほしいっす!!」

咲也君が…おまえ水泳とか工学部修士じゃなくて良いのかよ…っと呟いていたけど、本人は満足げだった。
「キングオブシスコン&ブラコンもいるっすよね?」
「「俺(なな)のこと!?」」

一片の迷いもなくあなたたちのことです。

「…都市伝説クラッシャーの鈍感さんもいらっしゃいますね…」

誰にともなく渚さんが言うと黒崎さんが頭を下げてうなだれていた。
一人かくれんぼで爆睡をしたり、ことごとく都市伝説を知らぬ間に突破してきたメンタルの強さは折り紙つきだ。

「これだけの人材が揃うと…怖いものなしだね!」

一部に関しては、世間からの目が怖いとか怖くないとか。
亜水弥さんが目に怪しい光をともしながら、立ち上がった。

「このあらゆる分野のハイスペック団員で世界を狙うわよ!!」

…今日は、オリンピックの取材にいっているフリーのカメラマンこと暁羅さんが言いそうな言葉を代弁したようだった。

「「おー!!」」

なんだかよくわからないテンションのまま、賛同せざるおえなくなった団員たちの声が重なった。
…後からわかったことだが亜水弥さんはどうやら新年会に羽目を外しすぎていてすべて酔った勢いで言ったため、次の日に聞いても何も覚えていなかったと言うある意味夢おちと言うことだった。