~犯人は誰だ!?こうして事件は次へと続く編~
珍しいことに、目が疲れたためコンタクトをはずして咲也君はメガネに制服を着用していた。
ちなみに涼風の中での暗黙のルールとして「メガネの咲也を怒らせてはいけない」と言うものがある。
彼は、コンタクトを外すと目からビームを出すとか出さないとか・・・いや、それはこのさいあまり気にしなくていいのだが・・・とにかくメガネの咲也君は普段の倍くらいの力を持っている。
「騙されるところだった・・・あの瞬間、ずっと俺はあんたの存在を感じてはいた。」
一歩咲也君が前に出れば、相手は必然的に一歩下がることになる。逃げ道はどんどんなくなっていく。
「たまに視界のはしに妙な光を感じた。」
一歩前へ。
「あのときなぜかあんたは、俺に早くシャワーへ行けと促した。」
また一歩前へ。
「そして、なぜかあんたは一度俺たちの前からいなくなった。」
犯人はもう壁に背中を押しつけられてしまい、逃げ道がなくなったことに気がつき、乾いた笑いを返した。
「暁羅・・・俺と太陽のパンツをなんにつかった!?」
そうだったのだ。封筒に入っていた写真には珍しく「暁羅さん」の姿がうつっていた。
そして、なにかを受け取る姿までがキレイに印刷されていた。
「あはははは~ばれたか?」
「ばれたかじゃねぇよ・・・いい加減にしろよな、このトラブルメーカー!」
トラブルメーカーにトラブルメーカーと言われたのはちょっと悲しかった。
「・・・妹たちのためや・・・。」
「は?」
暁羅さんは、潤んだ瞳で咲也君をしっかりと見つめ、いかにこの劇団が「財政難」なのかについてを切々と語り出した。
曰わく「給料なんてだせない。」
曰わく「会場費もだせない。」
曰わく「正直食費も怪しい。」
まさに、涙なくては聞いていられないような悲惨な話だった。
しかし、メガネ咲也君は冷静だった。
「それがなんで俺らのパンツにつながるんだよ?」
もはやうそをついても意味がないと感じ取った暁羅さんは開き直ったかのように笑いながらにわかには信じられないような真相を語ったのだ。
「売ったんや・・・おまえらの熱狂的なファンの子たちに。」
涼風の中でも、咲也君と太陽君の人気には他をよせつけないものがありました。
「嘘だろ?!女が・・・男のパンツなんて買ってなんになる!?」
確かにかなり気味の悪い話である。下着泥棒はほとんどが男が行うものだ。
「・・・一緒にいたいんやろ?好きな人のものならなんでも欲しい。いじらしいやないか・・・。」
いじらしいか?
少なくとも彼女に自分のパンツを大切そうにもたれたら泣きたくなる。
しかし、最後に彼はまたもっと深い地獄を知ることとなったのだ。
「・・・まぁ、ファンが女の子だけとも限らんしな!」
とりあえずこれで赤字は何とかなった。ありがとう咲也などと笑いながらその場を後にしようとした暁羅さんに向かって、ドロップキックが入ったのは言うまでもない。
「あーきーらー・・・おまえの腎臓を売りに出してやる!」
真面目にやりかねない勢いだった咲也君をなんとかなだめるまでに、数週間もの時間がかかったのだった。
「・・・太陽には・・・言わないでやろう。」
彼は「繊細」で「健気」で「笑って許してしまう」優しい太陽君を傷つけないために、あえて真相は語らなかったそうだ。
しかしどこからもれたのかこの事件は「パンツか?金か?」と名付けられ、涼風の中でも都市伝説のように語り継がれることとなった。そして数年後・・・まさかの事態が発生し、この事件がまた表に出ることをこの時はまだ、誰も考えてすらいなかったのだった・・・。
珍しいことに、目が疲れたためコンタクトをはずして咲也君はメガネに制服を着用していた。
ちなみに涼風の中での暗黙のルールとして「メガネの咲也を怒らせてはいけない」と言うものがある。
彼は、コンタクトを外すと目からビームを出すとか出さないとか・・・いや、それはこのさいあまり気にしなくていいのだが・・・とにかくメガネの咲也君は普段の倍くらいの力を持っている。
「騙されるところだった・・・あの瞬間、ずっと俺はあんたの存在を感じてはいた。」
一歩咲也君が前に出れば、相手は必然的に一歩下がることになる。逃げ道はどんどんなくなっていく。
「たまに視界のはしに妙な光を感じた。」
一歩前へ。
「あのときなぜかあんたは、俺に早くシャワーへ行けと促した。」
また一歩前へ。
「そして、なぜかあんたは一度俺たちの前からいなくなった。」
犯人はもう壁に背中を押しつけられてしまい、逃げ道がなくなったことに気がつき、乾いた笑いを返した。
「暁羅・・・俺と太陽のパンツをなんにつかった!?」
そうだったのだ。封筒に入っていた写真には珍しく「暁羅さん」の姿がうつっていた。
そして、なにかを受け取る姿までがキレイに印刷されていた。
「あはははは~ばれたか?」
「ばれたかじゃねぇよ・・・いい加減にしろよな、このトラブルメーカー!」
トラブルメーカーにトラブルメーカーと言われたのはちょっと悲しかった。
「・・・妹たちのためや・・・。」
「は?」
暁羅さんは、潤んだ瞳で咲也君をしっかりと見つめ、いかにこの劇団が「財政難」なのかについてを切々と語り出した。
曰わく「給料なんてだせない。」
曰わく「会場費もだせない。」
曰わく「正直食費も怪しい。」
まさに、涙なくては聞いていられないような悲惨な話だった。
しかし、メガネ咲也君は冷静だった。
「それがなんで俺らのパンツにつながるんだよ?」
もはやうそをついても意味がないと感じ取った暁羅さんは開き直ったかのように笑いながらにわかには信じられないような真相を語ったのだ。
「売ったんや・・・おまえらの熱狂的なファンの子たちに。」
涼風の中でも、咲也君と太陽君の人気には他をよせつけないものがありました。
「嘘だろ?!女が・・・男のパンツなんて買ってなんになる!?」
確かにかなり気味の悪い話である。下着泥棒はほとんどが男が行うものだ。
「・・・一緒にいたいんやろ?好きな人のものならなんでも欲しい。いじらしいやないか・・・。」
いじらしいか?
少なくとも彼女に自分のパンツを大切そうにもたれたら泣きたくなる。
しかし、最後に彼はまたもっと深い地獄を知ることとなったのだ。
「・・・まぁ、ファンが女の子だけとも限らんしな!」
とりあえずこれで赤字は何とかなった。ありがとう咲也などと笑いながらその場を後にしようとした暁羅さんに向かって、ドロップキックが入ったのは言うまでもない。
「あーきーらー・・・おまえの腎臓を売りに出してやる!」
真面目にやりかねない勢いだった咲也君をなんとかなだめるまでに、数週間もの時間がかかったのだった。
「・・・太陽には・・・言わないでやろう。」
彼は「繊細」で「健気」で「笑って許してしまう」優しい太陽君を傷つけないために、あえて真相は語らなかったそうだ。
しかしどこからもれたのかこの事件は「パンツか?金か?」と名付けられ、涼風の中でも都市伝説のように語り継がれることとなった。そして数年後・・・まさかの事態が発生し、この事件がまた表に出ることをこの時はまだ、誰も考えてすらいなかったのだった・・・。
