最近、涼風メンバーは全体的に年齢があがってきたこともありなかなか気軽に集まることもできなくなってきました。
そんな訳で、比較的近くにいるあまり頼りにならない二人が事務作業などを行っております。
ちょうど…新しい風(生け贄ではなく)を取り込むために団員募集にやって来た命知らずな方々の書類審査をするために遅くまで作業をしたために…まさかの悲劇がおこってしまったのでした。
「うー…羊が1024匹…1025匹…」
気を抜くと飛んでいってしまいそうな意識を繋ぎ止めるために羊を数え続ける七海ちゃん。
うん…逆効果である。
「へー…この子中性的な感じで良いかもな…」
ちなみに、現在の涼風メンバーは完全スカウト制という名のもとに前々団長暁羅による誘拐…もとい合意的誘拐でつれてこられた人がほとんどである。
それが咲也に世代交代さらに黒崎へと団長が変化してあまり新入団員がいなかったので、危機を感じ急遽例をみない方式を試したわけである。
「うー…くろ兄…その感想…7人目ぇ…あ、羊…なん匹だっけ…」
一応、ツッコミはいれる。
「うぇ?そうだっけ…お、次の子もなんか中性的な…」
…元々、仕分けが得意ではない黒崎さんも見事すぎる無限ループに突入していたりする。
だいたい書類審査のはずなのにすべて通過に重ねられていく。
「ん…羊が…一匹…」
「あ…この子も良い子そうだな…」
こうして、あまりにも不毛な行為だけが繰り返されて夜は明けていくのでした。
「ふぁ~…あれ?あれ?黒崎さん起きてー!おーきーてー!!」
「おー…あと少し…」
ガクガクと机に額をつけている黒崎さんの肩を揺する。
「いやいや!遅刻ですよ!リアルに…うっう~!」
目覚まし時計以上に騒がしい声でなんとか目を開けた黒崎さんも、朝のお馴染みのニュースの星占いに思わず飛び起きます。
「うぇ!やば…これはスーツ着替えにすら戻れない…というか書類、書類!」
そんなに時間をかけるつもりじゃなかったためにバタバタと二人それぞれに準備を始めます。
「く、黒崎さんーベーシックインカムってなにー!?」
どうやら宿題をしていなかったらしい七海ちゃんがここぞとばかりに叫んでいます。
「ベーシックインカムってのは国民全員に…って、ごめん、今それ説明してたら俺クビになる!」
律儀に一度止まって、ノートに文字を書こうとするあたりは変わってないのですが優しさゆえにこちらに戻ってきてからと言うものトラブルメーカーに足を引っ張られ、遅刻が増えた黒崎さんは真っ青になっています。
「うー…黒崎さんななを見捨てないで…先生から哀れみの視線を浴びせられちゃうよー」
「わかった!わかったから泣くな、な?ノート貸してみて…」
「黒崎さん大好き!あ、なな咲也兄さんが予備に置いてったスーツと昨日のおかず、お弁当に詰めるね!!」
咲也君にバレたら、いい加減に甘やかすのは止めろ!!と怒られてしまいそうですが…つい世話を焼いてしまうのが黒崎さんの良いとこです。
そして…七海ちゃんのちゃっかり度がまずい具合に増したのも否めません。
チャラチャンチャーチャチャチャー♪
あまりにも力が抜ける音楽が流れ、思わず頭をぶつけて携帯電話を手にとる黒崎さん。
「なーなー!携帯からなんか、力の抜ける音楽が鳴ってるぞー!」
お弁当箱を持ちながら、七海ちゃんが顔を出します。
「ふぇ?あ、それ暁羅さんからの電話だー!出てー!」
ちなみに力の抜ける音楽は暁羅さん自作の『暁羅のテーマ』だったりする。
「もしもし?」
「メソポタミアー!なんや?黒崎やないか!」
「相変わらず…お元気ですね暁羅さん…どうかなさいましたか?」
いまだに放浪癖が治らない暁羅さんに若干黒崎さんが冷たい瞬間でした。
「なんや…黒崎まで最近咲也に似てきたんやないか…いや、それより今週の日曜日は…」
「黒崎さんーお弁当にスーツだよー!おりょ?お電話?」
「問題ないよ。ありがとう、なな!こっちもノートにだいたい書いたから目を通してみてな。」
「おーぃ、なんか混線しとらんか?」
「黒崎さんー大変駅前渋滞してるみたいだよ?」
「へ?やば…行かないと」「おーぃ…今週の日曜日…聞いとるかぁ?」
「いってきます!」
「いってらっしゃーい!」「…なぁ?頼む…どっちでもいいから返事をー」
その後、ガサガサと言う音しかしなくなった携帯を耳にあて暁羅さんは必死に
『父の日アピール』
をしばらくしていたらしいが、残念ながら繋がっているようで繋がっていないのだった。
チャララーチャラーラーラーラーラー♪
七海ちゃんの言ったとおりに渋滞している道で、また携帯が鳴る。
運転中の黒崎さんはとりあえず通話ボタンを押して放置することにした。
「なな、おはよう!お兄ちゃん今週仕事早く終わりそうなんだ、だから久しぶりにななの好きなとこに…」
なにやら、咲也君がひどく甘ったるい愛情を語っているのをハンズフリーにした黒崎さんが一喝する。
「俺としては、七海にはやっぱしフワフワしたスカートが」
「咲也、うるさい!!遅刻したら信頼を失うんだからな!?」
「え!?な、なんで黒崎…まさ!?」
「ノロケは二人っきりでやれ!」
ちなみに電話主咲也君は予想外の返事とともに、ツーツーと反応しなくなった携帯を片手に自分の恥ずかしい発言もふまえて頭を抱えていたらしい。
それから、なんとか遅刻しないですんだ黒崎さんが爽やかに挨拶をかわしながらデイスクにつくと、メールを知らせる表示がでたのです。
『来週火曜日の法制と精神福祉は講師不在のため休校となります。◯◯大学院』
「よっしゃー!全休だ!」
それを読んだ瞬間に思わず学生時代の条件反射で、ガッツポーズをして注目を集めてしまった黒崎さんは…汗が止まらないなか…なんで自分に大学からメールがきているんだ?と冷静に、自分の手の中にある『ピンク色』の携帯を見つめ直したのでした。
「…これ…七海の携帯!?」
まずぃ!朝のドタバタでそのまま持ってきてしまったんだ!?きっと困ってる!!と焦ってデイスクの電話から七海ちゃんの携帯に電話をかける黒崎さん。
チャッチャーチャランランランラン♪
当たり前なことに…自分の目の前の携帯から流れる可愛らしい着信音に、頭を抱えた瞬間でした。
そりゃ…目の前の携帯は七海ちゃんのなんだから、七海ちゃんの番号にかけたらこうなるのは当たり前で…
冷静に、自分の携帯に電話をかけるとしばらくしてから
「おー!リモコンが音ならしてるのかと思った☆」
となんともお気楽な七海ちゃんがでたとか、でなかったとか。
その後、黒崎さんのスマホで存分になめこを伐採していた七海ちゃんからスマホを取り上げるのにひどく苦戦したのは言うまでもないのでした。
まだ、リモコンを持っていってしまった方があり得るのに…とこの携帯事件はまたもや新たな伝説を産み出したのでした。
間違いは…あなたのまわりにも転がっていたのかもしれない。
どうかみなさんもお気をつけて…。
そんな訳で、比較的近くにいるあまり頼りにならない二人が事務作業などを行っております。
ちょうど…新しい風(生け贄ではなく)を取り込むために団員募集にやって来た命知らずな方々の書類審査をするために遅くまで作業をしたために…まさかの悲劇がおこってしまったのでした。
「うー…羊が1024匹…1025匹…」
気を抜くと飛んでいってしまいそうな意識を繋ぎ止めるために羊を数え続ける七海ちゃん。
うん…逆効果である。
「へー…この子中性的な感じで良いかもな…」
ちなみに、現在の涼風メンバーは完全スカウト制という名のもとに前々団長暁羅による誘拐…もとい合意的誘拐でつれてこられた人がほとんどである。
それが咲也に世代交代さらに黒崎へと団長が変化してあまり新入団員がいなかったので、危機を感じ急遽例をみない方式を試したわけである。
「うー…くろ兄…その感想…7人目ぇ…あ、羊…なん匹だっけ…」
一応、ツッコミはいれる。
「うぇ?そうだっけ…お、次の子もなんか中性的な…」
…元々、仕分けが得意ではない黒崎さんも見事すぎる無限ループに突入していたりする。
だいたい書類審査のはずなのにすべて通過に重ねられていく。
「ん…羊が…一匹…」
「あ…この子も良い子そうだな…」
こうして、あまりにも不毛な行為だけが繰り返されて夜は明けていくのでした。
「ふぁ~…あれ?あれ?黒崎さん起きてー!おーきーてー!!」
「おー…あと少し…」
ガクガクと机に額をつけている黒崎さんの肩を揺する。
「いやいや!遅刻ですよ!リアルに…うっう~!」
目覚まし時計以上に騒がしい声でなんとか目を開けた黒崎さんも、朝のお馴染みのニュースの星占いに思わず飛び起きます。
「うぇ!やば…これはスーツ着替えにすら戻れない…というか書類、書類!」
そんなに時間をかけるつもりじゃなかったためにバタバタと二人それぞれに準備を始めます。
「く、黒崎さんーベーシックインカムってなにー!?」
どうやら宿題をしていなかったらしい七海ちゃんがここぞとばかりに叫んでいます。
「ベーシックインカムってのは国民全員に…って、ごめん、今それ説明してたら俺クビになる!」
律儀に一度止まって、ノートに文字を書こうとするあたりは変わってないのですが優しさゆえにこちらに戻ってきてからと言うものトラブルメーカーに足を引っ張られ、遅刻が増えた黒崎さんは真っ青になっています。
「うー…黒崎さんななを見捨てないで…先生から哀れみの視線を浴びせられちゃうよー」
「わかった!わかったから泣くな、な?ノート貸してみて…」
「黒崎さん大好き!あ、なな咲也兄さんが予備に置いてったスーツと昨日のおかず、お弁当に詰めるね!!」
咲也君にバレたら、いい加減に甘やかすのは止めろ!!と怒られてしまいそうですが…つい世話を焼いてしまうのが黒崎さんの良いとこです。
そして…七海ちゃんのちゃっかり度がまずい具合に増したのも否めません。
チャラチャンチャーチャチャチャー♪
あまりにも力が抜ける音楽が流れ、思わず頭をぶつけて携帯電話を手にとる黒崎さん。
「なーなー!携帯からなんか、力の抜ける音楽が鳴ってるぞー!」
お弁当箱を持ちながら、七海ちゃんが顔を出します。
「ふぇ?あ、それ暁羅さんからの電話だー!出てー!」
ちなみに力の抜ける音楽は暁羅さん自作の『暁羅のテーマ』だったりする。
「もしもし?」
「メソポタミアー!なんや?黒崎やないか!」
「相変わらず…お元気ですね暁羅さん…どうかなさいましたか?」
いまだに放浪癖が治らない暁羅さんに若干黒崎さんが冷たい瞬間でした。
「なんや…黒崎まで最近咲也に似てきたんやないか…いや、それより今週の日曜日は…」
「黒崎さんーお弁当にスーツだよー!おりょ?お電話?」
「問題ないよ。ありがとう、なな!こっちもノートにだいたい書いたから目を通してみてな。」
「おーぃ、なんか混線しとらんか?」
「黒崎さんー大変駅前渋滞してるみたいだよ?」
「へ?やば…行かないと」「おーぃ…今週の日曜日…聞いとるかぁ?」
「いってきます!」
「いってらっしゃーい!」「…なぁ?頼む…どっちでもいいから返事をー」
その後、ガサガサと言う音しかしなくなった携帯を耳にあて暁羅さんは必死に
『父の日アピール』
をしばらくしていたらしいが、残念ながら繋がっているようで繋がっていないのだった。
チャララーチャラーラーラーラーラー♪
七海ちゃんの言ったとおりに渋滞している道で、また携帯が鳴る。
運転中の黒崎さんはとりあえず通話ボタンを押して放置することにした。
「なな、おはよう!お兄ちゃん今週仕事早く終わりそうなんだ、だから久しぶりにななの好きなとこに…」
なにやら、咲也君がひどく甘ったるい愛情を語っているのをハンズフリーにした黒崎さんが一喝する。
「俺としては、七海にはやっぱしフワフワしたスカートが」
「咲也、うるさい!!遅刻したら信頼を失うんだからな!?」
「え!?な、なんで黒崎…まさ!?」
「ノロケは二人っきりでやれ!」
ちなみに電話主咲也君は予想外の返事とともに、ツーツーと反応しなくなった携帯を片手に自分の恥ずかしい発言もふまえて頭を抱えていたらしい。
それから、なんとか遅刻しないですんだ黒崎さんが爽やかに挨拶をかわしながらデイスクにつくと、メールを知らせる表示がでたのです。
『来週火曜日の法制と精神福祉は講師不在のため休校となります。◯◯大学院』
「よっしゃー!全休だ!」
それを読んだ瞬間に思わず学生時代の条件反射で、ガッツポーズをして注目を集めてしまった黒崎さんは…汗が止まらないなか…なんで自分に大学からメールがきているんだ?と冷静に、自分の手の中にある『ピンク色』の携帯を見つめ直したのでした。
「…これ…七海の携帯!?」
まずぃ!朝のドタバタでそのまま持ってきてしまったんだ!?きっと困ってる!!と焦ってデイスクの電話から七海ちゃんの携帯に電話をかける黒崎さん。
チャッチャーチャランランランラン♪
当たり前なことに…自分の目の前の携帯から流れる可愛らしい着信音に、頭を抱えた瞬間でした。
そりゃ…目の前の携帯は七海ちゃんのなんだから、七海ちゃんの番号にかけたらこうなるのは当たり前で…
冷静に、自分の携帯に電話をかけるとしばらくしてから
「おー!リモコンが音ならしてるのかと思った☆」
となんともお気楽な七海ちゃんがでたとか、でなかったとか。
その後、黒崎さんのスマホで存分になめこを伐採していた七海ちゃんからスマホを取り上げるのにひどく苦戦したのは言うまでもないのでした。
まだ、リモコンを持っていってしまった方があり得るのに…とこの携帯事件はまたもや新たな伝説を産み出したのでした。
間違いは…あなたのまわりにも転がっていたのかもしれない。
どうかみなさんもお気をつけて…。
