ある日の、なんてことないミーティングのお話。
ホワイトボードを前に、和服に身を包んだ暁羅さんが拳を握りしめながら、熱く演説を始めます。
「これからの涼風の目標は、これや!」
バンッ!
無駄に声量はあるのですが、なにぶん、真夜中の二時のため・・・団員の中の半数は思考能力が著しく低下しています。
真夜中の招集に、めんどくさそうにしているのでした。
ガンッ!
1テンポ、おくれて下の方で鈍い音がしました。
「うぅ・・・頭ぶった、少ない脳細胞が、いだぃ・・・う~、びっくらん~」
すでに、眠さに負けて隣に座っていた咲也君の膝をマクラにしていた七海ちゃんは、思いっきり頭をあげたために机に前頭葉のあたりを強打したのでした。
「暁羅!おまえがうるさいから、ななが起きちゃったじゃねぇか!」
よしよし、痛かったなぁ~っと、さらに幼児を相手にするように前頭葉を撫でてあげながら、咲也君が抗議します。
「せやな・・・まず、ミーティングが開始されて1分もたっとらんうちから寝とるところから話あわなあかんみたいやな。」
片方が唸れば、片方が吠える!!そんな二人なのでした。
そんなやりとりをしているうちに、白衣の往人さんがすすっと立ち上がりホワイトボードに文字を書いていたのでした。
『世界制服』
スペースを無視して、大きく書かれた今日のキーワード。
せかいせーふく?
誰かが、首をかしげながら読んだのでした。
「続き・・・たのむ。」
やりきった顔の往人さんから、ミーティングの主導権は再び暁羅さんへとうつされます。
しきりなおしに、ゴホン!と咳をすると暁羅さんはまた声をはりあげます。
「往人、おおきに。みな、ここに書いてあるように俺たちは・・・『世界を手にいれる』んや!」
・・・しーん。
真夜中の静寂に、さらに沈黙が重なりました。
「せ・・・世界制服?」
「ど、どうやるのかな、かな?」
「まさかの最終兵器・・・制服?」
ちなみに、暁羅さんはホワイトボードと自分の間に大きな間違いがあることに気がついていません。
もちろん暁羅さんは
『世界征服』
往人さんは
『世界制服』
なんといいますか・・・認識の差は恐ろしいものです。
すっ・・・と手が挙がりました。またもや往人さんがなにやら、服を取り出しています。
「お、往人やる気やなぁ~!」
「はい・・・この制服を・・・世界に広める!」
彼が手にしていたのは・・・ゲームなどでありがちなだいぶ、斬新なデザインの制服(様々な種類あり)でした。
「おー?可愛い!」
「確かに・・・往人にしてはやるな!」
「え、あ、なんやこれ?」
急に、結束し始めた団員たち。
制服に対して、議論を重ねていく団員たちから、まるで取り残されてしまった化のように・・・暁羅さんは一人円の外でパニクっていたのでした。
ーおかしいやないか・・・涼風、ハリウッド計画から、外れとる!?ー
ちなみに、まだ世界制服の方が現実味がある!と、後に団員たちが話していたのは・・・また、別なお話なわけです。
「『世界制服!』ってくらいなんすから・・・やっぱ、なんか競うんすかね?」
ここでも、認識の差が。
急に、水を得た魚のごとく生き生きとしだした太陽君が、珍しく提案をしだしたのでした。
「それは・・・制服のデザイン・・・さらには、運動性を・・・競う・・・サバイバルだ!」
こちらも、いつになくホームグラウンドなテーマのため饒舌な往人さんが、周りが違和感を口にする前にそれらしいことを次々と弾幕のごとく口にして・・・自らの野望を押しとおそうとしていたのでした。
「サバイバル・・・それなら、俺はこのフリルを軽くあしらったピンクを推す!」
ツッコミ役の咲也君が、ツッコミを諦めた瞬間でした。
「ななも~♪ピンク、ふりふりが可愛いと思う~!」
「二人とも、サバイバルを甘く見ちゃだめっすよ!俺は・・・自然に溶け込む意味でもこっちの緑っす!」
「斬新な色・・・ですね。」
「いや・・・世界を手にするんなら、あえてのセーラーなんじゃないかな、かな?」
結論。
夜中にありがちなパターンで、よくわからないのも無視して妙にヒートアップした。
次の日の、仕事にならなかったのは言うまでもないのでした。
いったいなん着、制服を準備したんだとか・・・だいたいスタートになるキーワードから間違っているとか・・・太陽君のなかでは
『世界陸上』
的なノリになっているとか・・・暁羅さんが、
「世界征服や・・・」
と呟いていたとか、そんなのも全部ふくめて、ある意味いつものように、ハチャメチャ元気な涼風であることにかわりはないのでした。
この『世界制服プロジェクト』が日の目を見ることは・・・たぶん、ないだろうなってことだけは確かな事実です。
ホワイトボードを前に、和服に身を包んだ暁羅さんが拳を握りしめながら、熱く演説を始めます。
「これからの涼風の目標は、これや!」
バンッ!
無駄に声量はあるのですが、なにぶん、真夜中の二時のため・・・団員の中の半数は思考能力が著しく低下しています。
真夜中の招集に、めんどくさそうにしているのでした。
ガンッ!
1テンポ、おくれて下の方で鈍い音がしました。
「うぅ・・・頭ぶった、少ない脳細胞が、いだぃ・・・う~、びっくらん~」
すでに、眠さに負けて隣に座っていた咲也君の膝をマクラにしていた七海ちゃんは、思いっきり頭をあげたために机に前頭葉のあたりを強打したのでした。
「暁羅!おまえがうるさいから、ななが起きちゃったじゃねぇか!」
よしよし、痛かったなぁ~っと、さらに幼児を相手にするように前頭葉を撫でてあげながら、咲也君が抗議します。
「せやな・・・まず、ミーティングが開始されて1分もたっとらんうちから寝とるところから話あわなあかんみたいやな。」
片方が唸れば、片方が吠える!!そんな二人なのでした。
そんなやりとりをしているうちに、白衣の往人さんがすすっと立ち上がりホワイトボードに文字を書いていたのでした。
『世界制服』
スペースを無視して、大きく書かれた今日のキーワード。
せかいせーふく?
誰かが、首をかしげながら読んだのでした。
「続き・・・たのむ。」
やりきった顔の往人さんから、ミーティングの主導権は再び暁羅さんへとうつされます。
しきりなおしに、ゴホン!と咳をすると暁羅さんはまた声をはりあげます。
「往人、おおきに。みな、ここに書いてあるように俺たちは・・・『世界を手にいれる』んや!」
・・・しーん。
真夜中の静寂に、さらに沈黙が重なりました。
「せ・・・世界制服?」
「ど、どうやるのかな、かな?」
「まさかの最終兵器・・・制服?」
ちなみに、暁羅さんはホワイトボードと自分の間に大きな間違いがあることに気がついていません。
もちろん暁羅さんは
『世界征服』
往人さんは
『世界制服』
なんといいますか・・・認識の差は恐ろしいものです。
すっ・・・と手が挙がりました。またもや往人さんがなにやら、服を取り出しています。
「お、往人やる気やなぁ~!」
「はい・・・この制服を・・・世界に広める!」
彼が手にしていたのは・・・ゲームなどでありがちなだいぶ、斬新なデザインの制服(様々な種類あり)でした。
「おー?可愛い!」
「確かに・・・往人にしてはやるな!」
「え、あ、なんやこれ?」
急に、結束し始めた団員たち。
制服に対して、議論を重ねていく団員たちから、まるで取り残されてしまった化のように・・・暁羅さんは一人円の外でパニクっていたのでした。
ーおかしいやないか・・・涼風、ハリウッド計画から、外れとる!?ー
ちなみに、まだ世界制服の方が現実味がある!と、後に団員たちが話していたのは・・・また、別なお話なわけです。
「『世界制服!』ってくらいなんすから・・・やっぱ、なんか競うんすかね?」
ここでも、認識の差が。
急に、水を得た魚のごとく生き生きとしだした太陽君が、珍しく提案をしだしたのでした。
「それは・・・制服のデザイン・・・さらには、運動性を・・・競う・・・サバイバルだ!」
こちらも、いつになくホームグラウンドなテーマのため饒舌な往人さんが、周りが違和感を口にする前にそれらしいことを次々と弾幕のごとく口にして・・・自らの野望を押しとおそうとしていたのでした。
「サバイバル・・・それなら、俺はこのフリルを軽くあしらったピンクを推す!」
ツッコミ役の咲也君が、ツッコミを諦めた瞬間でした。
「ななも~♪ピンク、ふりふりが可愛いと思う~!」
「二人とも、サバイバルを甘く見ちゃだめっすよ!俺は・・・自然に溶け込む意味でもこっちの緑っす!」
「斬新な色・・・ですね。」
「いや・・・世界を手にするんなら、あえてのセーラーなんじゃないかな、かな?」
結論。
夜中にありがちなパターンで、よくわからないのも無視して妙にヒートアップした。
次の日の、仕事にならなかったのは言うまでもないのでした。
いったいなん着、制服を準備したんだとか・・・だいたいスタートになるキーワードから間違っているとか・・・太陽君のなかでは
『世界陸上』
的なノリになっているとか・・・暁羅さんが、
「世界征服や・・・」
と呟いていたとか、そんなのも全部ふくめて、ある意味いつものように、ハチャメチャ元気な涼風であることにかわりはないのでした。
この『世界制服プロジェクト』が日の目を見ることは・・・たぶん、ないだろうなってことだけは確かな事実です。
