涼風の名を汚すわけにはいかないので、フォローしておくが、彼らも決して暇なわけではない。
しかし、今すぐにみんなでやらなくてはならないという仕事の依頼もない。
暇ならば楽しくするのが彼らである。
そんなわけで彼らは先日の『Angel Beats!』を再現してみたものの続編を作ろうとしていたのだった。ちなみに今回は、オープニングで奏こと天使ちゃんがピアノを弾いているあたりである。
「で・・・誰が弾くんだよ?」
前回、せっかくユイにゃんこと七海ちゃんへのプロポーズという感動のシーンで出る幕のなかった日向君こと咲也君が机の真ん中におかれた楽譜を見ながら呟いた。
「えっと、天使ちゃん役の子がやればいいんじゃないっすか?」
正しくその通りな意見を主役に扮する太陽君が提案する。ちなみに今回は無口なイメージからヒロインである天使ちゃんを珍しいことに渚さんが行っていた。
みんなの期待に満ちた視線を受けながら、彼女は楽譜を手にとった。
少しの沈黙。
「・・・無理です。」
にっこりと笑いながら、楽譜をもとに戻す。
それ以上はなにも言わない。
「渚さんがやるのがしっくり・・・」
「・・・無理です。」
咲也君の言葉は強制終了させられました。その笑顔に誰もなにも言えないのだ。冷や汗をかいているのは・・・男性陣だった。
「えーっと、じゃあ・・・七海っすね!」
「えー!私ユイにゃんでバリバリギター弾いたじゃん!!」
なぜか案外、楽器が弾ける七海ちゃん。しかし弾けるだけであり、さほどの技量はない・・・いかんせん器用貧乏につきギターも咲也君が二週間みっちりと教えて、やっとなんとかなったのだった。
「確かに、ユイをしてるからなぁ・・・亜水弥は?」
「へ、あー・・・亜水弥さんは楽器弾けないから!」
「・・・そうだろうな。」
顔をふせた咲也君の頭にごすっと何かがめり込んだ。めちゃくちゃ笑顔で、亜水弥さんは肘をぐりぐりとまわしている。
呻きながら、咲也君は続ける。
「しかたねぇ・・・ピアノ弾ける人ー!」
ピッと手が一人だけ上がる。またみんなの視線が集まる。
「「あ!!」」
~数分後~
カメラをかつぎながら、幸広が合図を送ると、きれいな戦慄が走る。
ピアノの前には、銀髪のカツラをかぶった・・・存在感ありまくりの天使ちゃん?
「うまい・・・けど・・・なぁ。これは・・・セーフか?」
ほぼ初見にも関わらず、曲はきれいに耳に届く。心地がよい。
「アウトだ!」
どこにいたのか、往人さんが全力で天使ちゃんのカツラをはずしにかかる。
「うぁ!・・・往人さんー!」
「あ、カツラ・・・」
実は涼風の中で一番楽器が弾けるのは・・・信也君なんですよねぇ。
「天使ちゃんを汚すなー!」
「俺だって・・・やりたくなかった・・・とりあえず、カツラ・・・」
二人が駆けずりまわるなか、楽譜を回収した咲也君は苦笑いをしながら七海ちゃんへと手渡したのだった。
「・・・練習してこい。」
「・・・はぃ。」
結論としては、いくら下手くそでも身長188㎝の男が天使ちゃんなのは「無理」があったらしい。
七海ちゃんが必死に音符に片仮名で指番号やらを書いている横で・・・ひたすらにおいかけっこは続いていた。
「このテープは廃棄っすかね?・・・ミスキャストっすね。」
「まったくだな。」
みんながほぼ同時に頷いた瞬間だったそうだ。
しかし、今すぐにみんなでやらなくてはならないという仕事の依頼もない。
暇ならば楽しくするのが彼らである。
そんなわけで彼らは先日の『Angel Beats!』を再現してみたものの続編を作ろうとしていたのだった。ちなみに今回は、オープニングで奏こと天使ちゃんがピアノを弾いているあたりである。
「で・・・誰が弾くんだよ?」
前回、せっかくユイにゃんこと七海ちゃんへのプロポーズという感動のシーンで出る幕のなかった日向君こと咲也君が机の真ん中におかれた楽譜を見ながら呟いた。
「えっと、天使ちゃん役の子がやればいいんじゃないっすか?」
正しくその通りな意見を主役に扮する太陽君が提案する。ちなみに今回は無口なイメージからヒロインである天使ちゃんを珍しいことに渚さんが行っていた。
みんなの期待に満ちた視線を受けながら、彼女は楽譜を手にとった。
少しの沈黙。
「・・・無理です。」
にっこりと笑いながら、楽譜をもとに戻す。
それ以上はなにも言わない。
「渚さんがやるのがしっくり・・・」
「・・・無理です。」
咲也君の言葉は強制終了させられました。その笑顔に誰もなにも言えないのだ。冷や汗をかいているのは・・・男性陣だった。
「えーっと、じゃあ・・・七海っすね!」
「えー!私ユイにゃんでバリバリギター弾いたじゃん!!」
なぜか案外、楽器が弾ける七海ちゃん。しかし弾けるだけであり、さほどの技量はない・・・いかんせん器用貧乏につきギターも咲也君が二週間みっちりと教えて、やっとなんとかなったのだった。
「確かに、ユイをしてるからなぁ・・・亜水弥は?」
「へ、あー・・・亜水弥さんは楽器弾けないから!」
「・・・そうだろうな。」
顔をふせた咲也君の頭にごすっと何かがめり込んだ。めちゃくちゃ笑顔で、亜水弥さんは肘をぐりぐりとまわしている。
呻きながら、咲也君は続ける。
「しかたねぇ・・・ピアノ弾ける人ー!」
ピッと手が一人だけ上がる。またみんなの視線が集まる。
「「あ!!」」
~数分後~
カメラをかつぎながら、幸広が合図を送ると、きれいな戦慄が走る。
ピアノの前には、銀髪のカツラをかぶった・・・存在感ありまくりの天使ちゃん?
「うまい・・・けど・・・なぁ。これは・・・セーフか?」
ほぼ初見にも関わらず、曲はきれいに耳に届く。心地がよい。
「アウトだ!」
どこにいたのか、往人さんが全力で天使ちゃんのカツラをはずしにかかる。
「うぁ!・・・往人さんー!」
「あ、カツラ・・・」
実は涼風の中で一番楽器が弾けるのは・・・信也君なんですよねぇ。
「天使ちゃんを汚すなー!」
「俺だって・・・やりたくなかった・・・とりあえず、カツラ・・・」
二人が駆けずりまわるなか、楽譜を回収した咲也君は苦笑いをしながら七海ちゃんへと手渡したのだった。
「・・・練習してこい。」
「・・・はぃ。」
結論としては、いくら下手くそでも身長188㎝の男が天使ちゃんなのは「無理」があったらしい。
七海ちゃんが必死に音符に片仮名で指番号やらを書いている横で・・・ひたすらにおいかけっこは続いていた。
「このテープは廃棄っすかね?・・・ミスキャストっすね。」
「まったくだな。」
みんながほぼ同時に頷いた瞬間だったそうだ。
