今年は、連絡が遅かったがために客のはいりがイマイチになったバレンタインイベント。
仕切り直しの意味も込めてランチタイムがとられることになったのでした。
「毎年、こんなんだったら楽だね。」
それでも、それなりな人数を相手にした亜水弥さんは少しお疲れモードで肩を揉んでいました。
「ですね~。平和です。」
お茶を配りながら、七海ちゃんが肯定するのです。
そこに藍音さんが少し楽しそうに瞳を輝かせたのでした。
「でも、でも~咲也君には、まだまだお客様がいるみたい・・・だよ、だよ?」
確かに、ランチタイムがとれそうにないのは黒崎さん、太陽君、そして咲也君の三人なのでした。
楽しそうにチョコレートを受け取ったあとにおしゃべりをしている姿を見ると、なんとなく七海ちゃんもムカッとしてきたのでした。
「・・・ちょっと、行ってきます。」
メイド風味なユニフォームから白いエプロンをはずすと、七海ちゃんがスタッフ用のウインドブレーカーを着ながら走り出したのでした。
「にゅふふ・・・嵐の予感、かな、かな?」
「おー!楽しくなってきたね!」
お姉さま二人は、不適に笑いながらその背中を見つめるのでした。
変装?をした七海ちゃんは咲也君へとチョコレートを渡すために並んでいた女の子たちの最後尾から話しかけたのでした。
「大変、咲也様にチョコレートあげると・・・咲也様が手作りのチョコレートくださるんだって!」
「え!!うそ!!」
「ねぇ、ちょっと、ヤバイよ!」
こっそり呟いた話しはどんどん尾びれをつけて広がっていくのでした。その話を聞いた女の子たちは、みなフリーズしたあとに、「スタッフ」の七海ちゃんにチョコレートをたくして、帰っていったのでした。
「よっしゃ!」
うまくいきすぎた計画に思いっきり、ガッツポーズをする七海ちゃん。
余裕ができてしまった咲也君が、頭を傾げながら休憩室へと入ってくると、七海ちゃんがお茶を持ってやってきます。
「兄さん、はいどうぞ、お疲れ様です。」
「お、ありがとう。・・・なぁ、七海・・・みんな、俺のこと嫌いなのか?」
ぐ!?
確かに、いきなり人がいなくなったんですから不安になるのは当たり前です。
あまりに直球ストレートなお話に、やや心が苦しくなった七海ちゃんはとりあえず「預かったチョコレート」を手渡したのでした。
「み、みなさん・・・交通手段が・・・」
風が強いため、電車が怪しいから帰るしかなかったとぎりぎらの説明をする七海ちゃん。内心では、冷や汗がだらだらと流れていました。
「まぁ、いいんだけどさ・・・ただ、せっかく準備したのに・・・なぁって。」
なにやら、紙袋をガサガサとし始めている咲也君に不思議そうな視線をおくる七海ちゃん。
そこからでてきた、箱に・・・なにか「恐怖」を感じたのでした。
そんなことはまったく気にしない咲也君がにっこりと笑いながら、その小さな箱が詰まった袋を差し出してきたのでした。
「お礼・・・今年は、ちょっと作ってみたんだけどさ。市販分で足りそうだから、これはみんな七海にあげるな。」
ひきっつたスマイルで、その袋を受け取りながら、七海ちゃんは問いかけるのでした。
「もしかして・・・手作りのクッキーとか・・・ですか?」
そう言えば、小麦粉が途中で足りなくなったような・・・嫌な予感がうずまきます。
できることなら、聞きたくない。咲也君が作るものは・・・ファンの子すら逃げ出す味なのです。
「愛を込めて作ったからさ~・・・自信作なんだ。」
「あ・・・ありがとうございます。」
まさか、軽い気持ちでついた嘘が現実になるなんて・・・。
ごめんなさい・・・中にはいっているであろう「クッキー」と言う名の「未知の物体」をイメージしながら七海ちゃんは「二度とファンの子の邪魔をするようなことはしない」と心に決めたのでした。
仕切り直しの意味も込めてランチタイムがとられることになったのでした。
「毎年、こんなんだったら楽だね。」
それでも、それなりな人数を相手にした亜水弥さんは少しお疲れモードで肩を揉んでいました。
「ですね~。平和です。」
お茶を配りながら、七海ちゃんが肯定するのです。
そこに藍音さんが少し楽しそうに瞳を輝かせたのでした。
「でも、でも~咲也君には、まだまだお客様がいるみたい・・・だよ、だよ?」
確かに、ランチタイムがとれそうにないのは黒崎さん、太陽君、そして咲也君の三人なのでした。
楽しそうにチョコレートを受け取ったあとにおしゃべりをしている姿を見ると、なんとなく七海ちゃんもムカッとしてきたのでした。
「・・・ちょっと、行ってきます。」
メイド風味なユニフォームから白いエプロンをはずすと、七海ちゃんがスタッフ用のウインドブレーカーを着ながら走り出したのでした。
「にゅふふ・・・嵐の予感、かな、かな?」
「おー!楽しくなってきたね!」
お姉さま二人は、不適に笑いながらその背中を見つめるのでした。
変装?をした七海ちゃんは咲也君へとチョコレートを渡すために並んでいた女の子たちの最後尾から話しかけたのでした。
「大変、咲也様にチョコレートあげると・・・咲也様が手作りのチョコレートくださるんだって!」
「え!!うそ!!」
「ねぇ、ちょっと、ヤバイよ!」
こっそり呟いた話しはどんどん尾びれをつけて広がっていくのでした。その話を聞いた女の子たちは、みなフリーズしたあとに、「スタッフ」の七海ちゃんにチョコレートをたくして、帰っていったのでした。
「よっしゃ!」
うまくいきすぎた計画に思いっきり、ガッツポーズをする七海ちゃん。
余裕ができてしまった咲也君が、頭を傾げながら休憩室へと入ってくると、七海ちゃんがお茶を持ってやってきます。
「兄さん、はいどうぞ、お疲れ様です。」
「お、ありがとう。・・・なぁ、七海・・・みんな、俺のこと嫌いなのか?」
ぐ!?
確かに、いきなり人がいなくなったんですから不安になるのは当たり前です。
あまりに直球ストレートなお話に、やや心が苦しくなった七海ちゃんはとりあえず「預かったチョコレート」を手渡したのでした。
「み、みなさん・・・交通手段が・・・」
風が強いため、電車が怪しいから帰るしかなかったとぎりぎらの説明をする七海ちゃん。内心では、冷や汗がだらだらと流れていました。
「まぁ、いいんだけどさ・・・ただ、せっかく準備したのに・・・なぁって。」
なにやら、紙袋をガサガサとし始めている咲也君に不思議そうな視線をおくる七海ちゃん。
そこからでてきた、箱に・・・なにか「恐怖」を感じたのでした。
そんなことはまったく気にしない咲也君がにっこりと笑いながら、その小さな箱が詰まった袋を差し出してきたのでした。
「お礼・・・今年は、ちょっと作ってみたんだけどさ。市販分で足りそうだから、これはみんな七海にあげるな。」
ひきっつたスマイルで、その袋を受け取りながら、七海ちゃんは問いかけるのでした。
「もしかして・・・手作りのクッキーとか・・・ですか?」
そう言えば、小麦粉が途中で足りなくなったような・・・嫌な予感がうずまきます。
できることなら、聞きたくない。咲也君が作るものは・・・ファンの子すら逃げ出す味なのです。
「愛を込めて作ったからさ~・・・自信作なんだ。」
「あ・・・ありがとうございます。」
まさか、軽い気持ちでついた嘘が現実になるなんて・・・。
ごめんなさい・・・中にはいっているであろう「クッキー」と言う名の「未知の物体」をイメージしながら七海ちゃんは「二度とファンの子の邪魔をするようなことはしない」と心に決めたのでした。
