最近、私の周りの人たちはなにやらかなりインパクトに残るようなことをし始めた。だいたいいつもと同じことをしたって「普通」ではないから気にしなくていいのに。
変なところで力を出すこの人たちには本当にたまに・・・なにかを通り越してあきれてしまう。

「にぱ~☆」

満面の笑みで首を傾げる・・・ついに、信也兄さんが壊れたかと私は頭を抱えたくなった。

「にぱ~☆」

やっぱり壊れたと思った。私が初めて見た瞬間から憧れていたクールな信也兄さんはもうきっといないんだ。

「っ・・・くけけけけけけけ??」

疑問系で聞かれても困ります。そう言えば、昔は信也兄さんとれおんさんと往人さんが三人で集まるとずっと「無言」だったことが懐かしくなった。つまりはこの「個性」の方向を果てしなく間違った兄たちに対して、どう対応をしたらいいのかがわからなかった。

「信也兄さん・・・自衛隊へ帰れ☆」

きっと兄さんなら今だって国のために、みんなのために頑張れるよっと心からの応援の意味を込めて、私は笑い返してあげた。

「くっ!・・・さすが七海だな。ちゃんとひぐらし風味に返すなんて・・・隙がない。」

「それはそれは、ありがとうございます。」

私には往人さんというある意味無敵のコーチがいるんだからそう簡単に信也兄さんに負けたりなんかはしない。・・・あんまり嬉しくはないけど、誉められたのだから一応はお礼を言っておこう。
「で、みなさんなにがしたいんですか?」

私の言葉に、おそらく隠れているつもりで壁に張り付いている人や床になりきっている人たちが立ち上がった。

「たのむから、たまには咲也以外も書いてください。」

「・・・私もたまにはふれてほしい。」

「咲也さんとのからみは俺だろう?この大バカ女ー!」

「僕は太陽さんとで♪」
「なな姉、僕だってずっといるのにひどいよ!」
つまりはみんな私が書いていないということは私から「不要」だと思われているのだと解釈したらしい。「愛の差」があるから「咲也兄」とか「太陽兄」ばかりが書かれている。あとはいきなり変なことをしだした人たちが書かれている。
これらから、彼らは頑張っていたらしい。

「・・・わたりました。ちゃんとみんなのことも書きますから。」

私が笑うと、みんなが嬉しそうに歓声をあげた。笑顔は良いなぁなんて思いながら見ていたけど、誰から書いていいのかがまったくわからなかった。

「・・・ってわけでここにまとめてかいちゃお。」

名前が乗っていないせりふにはみんなが当てはまるんだよ☆

「・・・愛は平等に。」
みんな勘違いだよね。
ここのネタにされた人たちがあまりのひどさから泣いていることを知らないんだから。

「まぁ、ある意味全員からOKサインがでたんだからいっか☆」

もはや、私を止めるものはなくなったんだ。みんなが私に望んだのだから、ちゃんと書いてあげないとだよね。

「・・・次の生け贄は誰にしようかな~。」

私は箱の中から名前が書かれたボールをとりだして確認をした。

「次の人・・・けってーぃ。」

愛とかじゃなく公平に・・・こうやって、次の犠牲者は決まっていくのでした。