「ね、絶対ここの歌詞がいいと思わない?」

「思うーよ!こんなこと言われたらグラグラですよね!」

「はぅ~、よすぎるよぉ。」

いつものことですが、ミーハー精神が高い涼風女子のみなさんはジャニーズの一グループに今とっても夢中なのでした。
みんなでテレビにしがみついてエンドレスでPVを見ています。

「でもさぁ、七海はいつも咲也に言われてるんじゃないの?」

ついでに恋愛話に発展してしまうと手が着けられなくなるのも・・・まぁ、女の子にはあることですよね。お節介焼きな亜水弥さんがにやにやと探りをいれてくるのでした。

「や、やー、そんなこと言われてないです!」

毎度のことながらからかわれるとついつい真っ赤になるために七海ちゃんに関しての恋愛話はすぐにバレてしまうのでした。

「うふふ・・・藍音さんは知ってるんだよ?この間ななちゃん・・・」

「ストーップ!藍音さんストーップです!」

「ありゃ?藍音さんはこの間ななちゃんが、黒崎さんに飛びついたらナイスな位置にはいっちゃったって言おうとしただけだよ、だよ!」

「あれぇ・・・七海はなにをそんなに恥ずかしがってるのかなぁ?」

にやにやしています。
騙された。
本当にこの人たちは手が着けられないということを改めて感じる瞬間です。

「・・・いじめだぁ・・・。」

毎度のことなのに毎回引っかかる自分にやや悲しくなりながら七海ちゃんは足をばたばたさせています。

「あんたら、見ててめんどくさい!」

「にゃにゅ!」

あんまりにもズバリ言われたために、本気で泣きたくなる七海ちゃん。

「ん~・・・藍音さんとしても同意だよ、だよ!」

「えぇ!」

地味にショックがでかい。ちなみに二人についてはみんなよくわかっているようにこれ以上発展することはある意味タブーでもあるのでした。

「いっそさぁ、往人と付き合えば?」

「却下です。」

コンマ二秒。
いつもトロイ七海ちゃんとしてはあり得ないくらいに素晴らしい反射でした。

「そーだね、君が嫌いな君が好きっていうか・・・みんなが苦手な君が好き、だよ、だよ!」

よくよく考えるとヒドい評価です・・・みんなが苦手って藍音さんはなかなか厳しいのでした。

「・・・それならいっそ・・・私はシスターになります!」

もはや往人さんについては誰もフォローをしないという。
あまりにも言い切るまでが早かったために、亜水弥さんの作戦は失敗だったのでした。

「あーぁ、これで進展させようって思ったのになぁ・・・。」

隣で藍音さんも笑っていました。

「でも、二人は相手が嫌いなとこも確実に好きっていうから・・・大丈夫じゃないかな?」

「・・・そーだね。」

「お節介やいちゃいましたね。」


ちなみに、それは彼にも届いていたのでした。

「・・・わざとだよな?」

わざわざ、彼の部屋の前ではなしているのだから恐らくわざとです。

「・・・まぁ、七海もだけどお節介なおまえらも好きだけど、な。」

結論としては、お節介なんて必要ないし、なんだかんだでみんなが互いを認めていることは明らかでした。


あ、一人やや忘れてますが・・・ね?