涼風のなかでもあまり目立つことのなかった黒崎さん。彼がなぜ今さらこんなにも中心となったのか。
数年ぶりに帰ってきた黒崎さんは、なぜか大きくなっていました。あまりのことに、誰もが彼だと認識できなかったのでした。
「しかし、驚いた・・・っていうかコメントしにくい。」
だいたい、咲也君が見下ろしていた。黒崎さんがほぼ同じような高さになっていたのですから驚きです。
このあたりからして咲也君には気に入らないんです。
「人間やればできるが俺のモットーだからさ!」
やればできるで、身長が5センチも伸びるのなら、世界の人間の悩みがひとつ減ると思います。
ため息をつく咲也君。
どうしても、男らしくなった黒崎さんのことが許せなかったのです。
「・・・おまえ本当に黒崎か?」
「へ?」
「宇宙人に連れ去られて手術されたんだろ?」
真顔で迫ってくる咲也君が妙に怖くて仕方がないのでした。黒崎さんもさすがになにかに感づいたようで、必死に首をふっています。
「さ、咲也!落ち着け!」
「俺は冷静だ、そっちこそいい加減にはいたらどうだ。死神代行さん。」
死神代行さんについては、黒崎さんにいってはいけない言葉ナンバーワンなのでした。
彼の名前コンプレックスは非常に高いものでした。
「あいかわらず・・・やなガキだな。」
「・・・おまえも、あいかわらず空気読めないな。」
にらみ合いながら牽制し会う二人の姿をみな、遠くから見つめていたのでした。
「空気は読むものじゃな」い!吸うものだ!!」
エコーでもかかりそうな瞬間でした。・・・自信満々に言い切った黒崎さんを見ながら、咲也君が深いため息をついたのでした。
「・・・負けた。」
「勝った?」
・・・ついに突っ込みをいれることに対して、諦めはじめた咲也君がねをあげてしまったのでした。
正確には、話す気にならないってことでした。
「おまえ、本気で弁護士になれたのかよ?」
「なれた。見てみろよ!」
確かに、襟の裏には弁護士のバッジがしっかりとつけられていたのでした。なんとなく悔しくなった咲也君が、呟くのです。
「・・・正義を貫けよ。」
なんともとれる発言を残して、いなくなってしまった咲也君を見つめながら首をかしげるのでした。
そして、すぐにその正義を試すチャンスが起こったのでした。
「黒崎ー助け・・・」
息をあげながら暁羅さんがすべりこんできました。
「ど、どうしたんですか?」
ただならぬ雰囲気に彼も息をのみました。
「あ、いたー!!黒崎さん、そいつ捕まえて!」
亜水弥さんの声が響き渡ります。続けざまに女の子たちが部屋になだれ込んできます。
「・・・黒崎~弁護してくれへんか?」
泣きそうな声。
「黒崎さん。そいつ私たちの写真売ってたの!!訴えてやるー!!」
「ちが、ちがうんや!あれはおまえらの成長の記録なんや!!冤罪や!」
なんやかんやと声がとびかいます。
双方からの言葉をききながら、黒崎さんは正義ってなんだっけ・・・とはやくも先の見えない世界を知ってしまったような気分に陥ったのでした。
「・・・目に見えるものだけが正義じゃねぇんだよ。」
もはや、困りきっている黒崎さんを咲也君が遠くから笑いながら見ていたのでした。
「・・・涼風の怖さを忘れてたみたいだな。」
黒崎さんが、涼風のテンポについていけるようになったのはそれから三日後のことだったのでした。
数年ぶりに帰ってきた黒崎さんは、なぜか大きくなっていました。あまりのことに、誰もが彼だと認識できなかったのでした。
「しかし、驚いた・・・っていうかコメントしにくい。」
だいたい、咲也君が見下ろしていた。黒崎さんがほぼ同じような高さになっていたのですから驚きです。
このあたりからして咲也君には気に入らないんです。
「人間やればできるが俺のモットーだからさ!」
やればできるで、身長が5センチも伸びるのなら、世界の人間の悩みがひとつ減ると思います。
ため息をつく咲也君。
どうしても、男らしくなった黒崎さんのことが許せなかったのです。
「・・・おまえ本当に黒崎か?」
「へ?」
「宇宙人に連れ去られて手術されたんだろ?」
真顔で迫ってくる咲也君が妙に怖くて仕方がないのでした。黒崎さんもさすがになにかに感づいたようで、必死に首をふっています。
「さ、咲也!落ち着け!」
「俺は冷静だ、そっちこそいい加減にはいたらどうだ。死神代行さん。」
死神代行さんについては、黒崎さんにいってはいけない言葉ナンバーワンなのでした。
彼の名前コンプレックスは非常に高いものでした。
「あいかわらず・・・やなガキだな。」
「・・・おまえも、あいかわらず空気読めないな。」
にらみ合いながら牽制し会う二人の姿をみな、遠くから見つめていたのでした。
「空気は読むものじゃな」い!吸うものだ!!」
エコーでもかかりそうな瞬間でした。・・・自信満々に言い切った黒崎さんを見ながら、咲也君が深いため息をついたのでした。
「・・・負けた。」
「勝った?」
・・・ついに突っ込みをいれることに対して、諦めはじめた咲也君がねをあげてしまったのでした。
正確には、話す気にならないってことでした。
「おまえ、本気で弁護士になれたのかよ?」
「なれた。見てみろよ!」
確かに、襟の裏には弁護士のバッジがしっかりとつけられていたのでした。なんとなく悔しくなった咲也君が、呟くのです。
「・・・正義を貫けよ。」
なんともとれる発言を残して、いなくなってしまった咲也君を見つめながら首をかしげるのでした。
そして、すぐにその正義を試すチャンスが起こったのでした。
「黒崎ー助け・・・」
息をあげながら暁羅さんがすべりこんできました。
「ど、どうしたんですか?」
ただならぬ雰囲気に彼も息をのみました。
「あ、いたー!!黒崎さん、そいつ捕まえて!」
亜水弥さんの声が響き渡ります。続けざまに女の子たちが部屋になだれ込んできます。
「・・・黒崎~弁護してくれへんか?」
泣きそうな声。
「黒崎さん。そいつ私たちの写真売ってたの!!訴えてやるー!!」
「ちが、ちがうんや!あれはおまえらの成長の記録なんや!!冤罪や!」
なんやかんやと声がとびかいます。
双方からの言葉をききながら、黒崎さんは正義ってなんだっけ・・・とはやくも先の見えない世界を知ってしまったような気分に陥ったのでした。
「・・・目に見えるものだけが正義じゃねぇんだよ。」
もはや、困りきっている黒崎さんを咲也君が遠くから笑いながら見ていたのでした。
「・・・涼風の怖さを忘れてたみたいだな。」
黒崎さんが、涼風のテンポについていけるようになったのはそれから三日後のことだったのでした。
