雪が軽く道路につもり始めた冬休みが間近にせまった日の朝のことでした。見事に寝坊をした二人は、大急ぎで走っていました。
「ち、遅刻だよ!」
「おぃ、そこすべ・・・」
七海ちゃんは自分の学校へと、咲也君は駅へと走っていました。必死に走り回っている七海ちゃんはおきまり通りに咲也君からの警告もむなしくつるんと転ぶのでした。
「にゃゎーー!!」
冷たい道路の上にぺたんと座り込みながら七海ちゃんは足をさすっていました。
「痛ぃ・・・よー!」
うーと騒ぐ七海ちゃんと時計を見比べながら、咲也君は肩を落としたのでした。このままでは、残念ながら遅刻は決定的だったのでした。
「しかたないな・・・行くぞ!」
もはや、バックを抱えるようにしながら七海ちゃんを持ち上げた咲也君はそのまま走り始めたのでした。
二人分の荷物も持っているのですからさすがとしか言いようがありません。
「わ、兄さん!そこー!」
「へ?」
さすがにこの状態で下までは見れなかった彼は思いっきり滑って転んだのでした。しばらくの間、二人は、雪にまみれながらぼーぜんとしていたのでした。
遠くで、非情にもチャイムがなり響く音がしました。
「・・・痛い。」
「・・・まさかの今年初転びだ。」
立ち上がる気力がない。
しんしんと雪が降り積もっていくなかで、二人はまるで忙しく動き回る世界から取り残されてしまったみたいでした。
「兄さん・・・私、受験生。」
だから『すべるとか転びはダメだよ!』ってことみたいなんですが・・・受験生なら朝はちゃんと起きろと言いたくなるのでした。
「・・・今のうちに転んでおけば・・・大丈夫だよ。」
確かに、今のうちに転びまくっておけば・・・なんとなくではありますが、大丈夫だろうという謎な理論でした。
「・・・とりあえず、冬の間は抱っこはなしだな。」
「・・・あれ、抱っこだったんですか。」
「ボストンバック・・・」
「・・・ひどいよ。」
・・・こうして、不毛な会話をたんたんと続けていく二人の姿は周囲からしたらなぞな様子だったのでした。
実は正確に言うなら、二人にはダメージが大きく、ねんざに近いものをしていたために立ち上がれなかったのでした。
無事に学校へついたのはお昼過ぎだったのです。
冬の道には気を付けてさらには、朝は早く起きるように心がけていこう。これがそれから先の彼らの合言葉になったのでした。
「ち、遅刻だよ!」
「おぃ、そこすべ・・・」
七海ちゃんは自分の学校へと、咲也君は駅へと走っていました。必死に走り回っている七海ちゃんはおきまり通りに咲也君からの警告もむなしくつるんと転ぶのでした。
「にゃゎーー!!」
冷たい道路の上にぺたんと座り込みながら七海ちゃんは足をさすっていました。
「痛ぃ・・・よー!」
うーと騒ぐ七海ちゃんと時計を見比べながら、咲也君は肩を落としたのでした。このままでは、残念ながら遅刻は決定的だったのでした。
「しかたないな・・・行くぞ!」
もはや、バックを抱えるようにしながら七海ちゃんを持ち上げた咲也君はそのまま走り始めたのでした。
二人分の荷物も持っているのですからさすがとしか言いようがありません。
「わ、兄さん!そこー!」
「へ?」
さすがにこの状態で下までは見れなかった彼は思いっきり滑って転んだのでした。しばらくの間、二人は、雪にまみれながらぼーぜんとしていたのでした。
遠くで、非情にもチャイムがなり響く音がしました。
「・・・痛い。」
「・・・まさかの今年初転びだ。」
立ち上がる気力がない。
しんしんと雪が降り積もっていくなかで、二人はまるで忙しく動き回る世界から取り残されてしまったみたいでした。
「兄さん・・・私、受験生。」
だから『すべるとか転びはダメだよ!』ってことみたいなんですが・・・受験生なら朝はちゃんと起きろと言いたくなるのでした。
「・・・今のうちに転んでおけば・・・大丈夫だよ。」
確かに、今のうちに転びまくっておけば・・・なんとなくではありますが、大丈夫だろうという謎な理論でした。
「・・・とりあえず、冬の間は抱っこはなしだな。」
「・・・あれ、抱っこだったんですか。」
「ボストンバック・・・」
「・・・ひどいよ。」
・・・こうして、不毛な会話をたんたんと続けていく二人の姿は周囲からしたらなぞな様子だったのでした。
実は正確に言うなら、二人にはダメージが大きく、ねんざに近いものをしていたために立ち上がれなかったのでした。
無事に学校へついたのはお昼過ぎだったのです。
冬の道には気を付けてさらには、朝は早く起きるように心がけていこう。これがそれから先の彼らの合言葉になったのでした。
