行き詰まった。完璧になんにも浮かばなくなってしまった七海ちゃんはベッドで頭を抱えていました。テスト勉強もしなくちゃなのにシナリオも思い付かない。ため息と時間ばかりが過ぎていきます。
「あ・・・そうだ。」
思い付いたかのように、iPodをとりだしてなにやらデータを探し始めました。そしてお目当てのものを見つけると、ベッドに座りながら聞き始めます。
なにやら、瞑想にふけり歌い出したりすることもなく目を閉じています。
実は七海ちゃんは先生から習った「自律訓練」を昔から行ってきました。
昔から「暗示」にかかりやすかった七海ちゃんはこの「自律訓練」がうまく作用するのでした。
「・・・重く、重く・・・。」
先生が吹き込んでくれた内容をつかいながら「暗示」をかけていきます。しばらく使っていなかったためにこうして内容を思い出すことにしたのです。
思い出すきっかけはたまたま授業で習ったからでした。
「あれ?・・・兄さん?」
あと少しで終わるはずなのに、なぜか咲也君の声へと切り替わりました。しかし内容はおかしくなかったために気にしなかったのです。
「・・・兄さんの声・・・久しぶり。」
それどころか、もはや久しぶりに聞く兄の優しい呟きにどんどん心地よくなっていました。
促されるように、意識が沈んでいきます。
「七海、なーなーみ!」
「・・・黒崎・・・さん?」
ぼーっとしながら、七海ちゃんは目を開けました。それどころかひどい倦怠感で体が起こせません。
「夕食、食べに行くって約束しただろ?」
「・・・約束・・・」
「・・・大丈夫か?具合悪くて寝ていたのか?」
「寝て・・・え!」
時間を見れば、いつの間にか三時間も経過しています。その間、咲也君の「暗示」が繰り返されていたのです。
冷や汗をかきます。きちんと「解除」までしなくてはならないのです。
気だるい体でなんとかデータをさがします。
「・・・ない!?」
古いデータだったために消えてしまったのか、「解除」のデータがないのです。
「ふぇぇ!」
気分が晴れるはずが、もはや疲れはてていました。
「七海!医者行くか?」
黒崎さんが体を抱えてくれたおかげで倒れなくてすみました。
「兄さん・・・兄さんに電話・・・」
「分かった!咲也だな?」
黒崎さんが、すぐに咲也君に連絡をしてくれたためになんとか事態は終息へと向かうことになったのでした。
「・・・おまえ、トランスしやすいんだから自律訓練は止めろって言っただろ?」
咲也君は少しおこっていました。昨年は「ゲシュタルト崩壊」に近いものを引き起こしたために、「自律訓練」は禁止したのでした。
「・・・だって、兄さんの声だったから・・・」
寂しかった。といいたかったんですが、言えなかった七海ちゃんに咲也君は優しく答えるのでした。
「もうすぐ帰るから、そしたらたくさん聞かせてやるから・・・な?」
「・・・うん!」
ちなみに、七海ちゃんが振り返ったときには興味本意で聞いていた黒崎さんが眠りこけていたらしいです。『自律訓練』はしっかりとした指導のうえに行ってください!
「あ・・・そうだ。」
思い付いたかのように、iPodをとりだしてなにやらデータを探し始めました。そしてお目当てのものを見つけると、ベッドに座りながら聞き始めます。
なにやら、瞑想にふけり歌い出したりすることもなく目を閉じています。
実は七海ちゃんは先生から習った「自律訓練」を昔から行ってきました。
昔から「暗示」にかかりやすかった七海ちゃんはこの「自律訓練」がうまく作用するのでした。
「・・・重く、重く・・・。」
先生が吹き込んでくれた内容をつかいながら「暗示」をかけていきます。しばらく使っていなかったためにこうして内容を思い出すことにしたのです。
思い出すきっかけはたまたま授業で習ったからでした。
「あれ?・・・兄さん?」
あと少しで終わるはずなのに、なぜか咲也君の声へと切り替わりました。しかし内容はおかしくなかったために気にしなかったのです。
「・・・兄さんの声・・・久しぶり。」
それどころか、もはや久しぶりに聞く兄の優しい呟きにどんどん心地よくなっていました。
促されるように、意識が沈んでいきます。
「七海、なーなーみ!」
「・・・黒崎・・・さん?」
ぼーっとしながら、七海ちゃんは目を開けました。それどころかひどい倦怠感で体が起こせません。
「夕食、食べに行くって約束しただろ?」
「・・・約束・・・」
「・・・大丈夫か?具合悪くて寝ていたのか?」
「寝て・・・え!」
時間を見れば、いつの間にか三時間も経過しています。その間、咲也君の「暗示」が繰り返されていたのです。
冷や汗をかきます。きちんと「解除」までしなくてはならないのです。
気だるい体でなんとかデータをさがします。
「・・・ない!?」
古いデータだったために消えてしまったのか、「解除」のデータがないのです。
「ふぇぇ!」
気分が晴れるはずが、もはや疲れはてていました。
「七海!医者行くか?」
黒崎さんが体を抱えてくれたおかげで倒れなくてすみました。
「兄さん・・・兄さんに電話・・・」
「分かった!咲也だな?」
黒崎さんが、すぐに咲也君に連絡をしてくれたためになんとか事態は終息へと向かうことになったのでした。
「・・・おまえ、トランスしやすいんだから自律訓練は止めろって言っただろ?」
咲也君は少しおこっていました。昨年は「ゲシュタルト崩壊」に近いものを引き起こしたために、「自律訓練」は禁止したのでした。
「・・・だって、兄さんの声だったから・・・」
寂しかった。といいたかったんですが、言えなかった七海ちゃんに咲也君は優しく答えるのでした。
「もうすぐ帰るから、そしたらたくさん聞かせてやるから・・・な?」
「・・・うん!」
ちなみに、七海ちゃんが振り返ったときには興味本意で聞いていた黒崎さんが眠りこけていたらしいです。『自律訓練』はしっかりとした指導のうえに行ってください!
