世間では、いわゆるボーナスというものが出される日が近づいてきました。ちなみに最近では給料さえあまりもらえていない涼風のメンバーはそんなものに対して初めから期待なんてしていません。
「ふーん・・・まぁ、なんとかなるか・・・。たまにはなぁ。」
なにやらパソコンを見つめながら呟いている黒崎さんは、いつになくまじめな様子がして、みなそばには行かずに遠くから見ていました。
「黒崎さん、さっきメールした中で集まれる人は集まったみたいだよ?」
「お、ありがとう。すぐに行くからちょっとだけ待ってな。」
頼まれてメーリングでみんなを集めた七海ちゃんにすら、黒崎さんの真意は語られていませんでした。みんなどうせまらろくでもないことが起こるのだろうと正直、苦笑いをしていました。
「みんな、忙しい時期にわざわざ集まってもらってありがとう。」
「きゃー!黒崎さんのスーツ姿が可愛いよぉ!」
なにがツボに入ったのか藍音さんが間違った方向への騒ぎ方をしました。
「っと、ありがとうございます。」
「きゃー!素直な黒崎さんはまたまた可愛いよぉ!」
つまり、なにをやっても可愛いと言うことらしく、他のメンバーは呆れながら二人のズレたやりとりを見ていました。
「と、そうなんだ。今日はみんなに渡したいものがあってさ・・・・。」
思い出したようにポケットを漁りだした黒崎さんの様子を見てみんな3歩ほど後ろに下がりました。おそらく・・・ついに借り物競走が開始されるのだろうと言う恐怖にみな怯えていたのです。
「えーっと、名前呼ぶから呼ばれたらこいよー。」
にこにこしている黒崎さんを見ながらみんな自分が最初に呼ばれないように祈っていました。
「えーっと、青木太陽!」
「・・・黒崎さん、太陽兄さんまだ南アフリカにいるよ・・・」
彼のワールドカップはまだ終わっていませんでした。
安堵したのもつかの間・・・また名前が呼ばれます。
「あーじゃあ、小波亜水弥!」
「うわぁ・・・最悪☆」
亜水弥さんが明らかに嫌そうにしながら、黒崎さんから何かを受け取りました。
次々と名前が呼ばれていき、みなが静かにその渡されたものを見ていました。
「・・・これなんですか。」
渚さんがみんなが聞けなかったことを聞いてくれました。
彼らに渡されたのはいわゆる「ぽち袋」。
「あ、絵柄はそれしかなかったんだ・・・ごめんな?」
日曜日の朝にやっているような可愛いイラストの書かれた袋を奇妙そうに眺めていました。
「なんて言うか、みんな頑張ってたからボーナスだよ。」
「え!だって・・・」
だって、お金がないんじゃ・・・とは誰も言えませんでした。
「金はないから、悪いけどもはや・・・ぼけなすぅ☆って感じだから。」
ボーナスとぼけなすぅ☆・・・あまりの冷たさにみんなが固まった瞬間でした。
それから、一人また一人と「ぼけなすぅ☆」をあけたのでした。
「・・・黒崎?」
「気にしないで、好きに使え。」
かっこつけていなくなった黒崎さんの後ろ姿を見ながらみんなため息をついていました。
「・・・好きに使えって・・・」
「うまいぼーとか買いに行く?」
「チロルチョコじゃないか?」
みんな手には50円玉を持っていました。
「・・・袋の方が高そうですね。」
渚さんの的を得たツッコミに・・・みんな静かに頷いていたのでした。
それでも、少しだけみんな楽しそうにしていたのが「ぼけなすぅ☆」が無駄ではなかったとのことでした。
「ふーん・・・まぁ、なんとかなるか・・・。たまにはなぁ。」
なにやらパソコンを見つめながら呟いている黒崎さんは、いつになくまじめな様子がして、みなそばには行かずに遠くから見ていました。
「黒崎さん、さっきメールした中で集まれる人は集まったみたいだよ?」
「お、ありがとう。すぐに行くからちょっとだけ待ってな。」
頼まれてメーリングでみんなを集めた七海ちゃんにすら、黒崎さんの真意は語られていませんでした。みんなどうせまらろくでもないことが起こるのだろうと正直、苦笑いをしていました。
「みんな、忙しい時期にわざわざ集まってもらってありがとう。」
「きゃー!黒崎さんのスーツ姿が可愛いよぉ!」
なにがツボに入ったのか藍音さんが間違った方向への騒ぎ方をしました。
「っと、ありがとうございます。」
「きゃー!素直な黒崎さんはまたまた可愛いよぉ!」
つまり、なにをやっても可愛いと言うことらしく、他のメンバーは呆れながら二人のズレたやりとりを見ていました。
「と、そうなんだ。今日はみんなに渡したいものがあってさ・・・・。」
思い出したようにポケットを漁りだした黒崎さんの様子を見てみんな3歩ほど後ろに下がりました。おそらく・・・ついに借り物競走が開始されるのだろうと言う恐怖にみな怯えていたのです。
「えーっと、名前呼ぶから呼ばれたらこいよー。」
にこにこしている黒崎さんを見ながらみんな自分が最初に呼ばれないように祈っていました。
「えーっと、青木太陽!」
「・・・黒崎さん、太陽兄さんまだ南アフリカにいるよ・・・」
彼のワールドカップはまだ終わっていませんでした。
安堵したのもつかの間・・・また名前が呼ばれます。
「あーじゃあ、小波亜水弥!」
「うわぁ・・・最悪☆」
亜水弥さんが明らかに嫌そうにしながら、黒崎さんから何かを受け取りました。
次々と名前が呼ばれていき、みなが静かにその渡されたものを見ていました。
「・・・これなんですか。」
渚さんがみんなが聞けなかったことを聞いてくれました。
彼らに渡されたのはいわゆる「ぽち袋」。
「あ、絵柄はそれしかなかったんだ・・・ごめんな?」
日曜日の朝にやっているような可愛いイラストの書かれた袋を奇妙そうに眺めていました。
「なんて言うか、みんな頑張ってたからボーナスだよ。」
「え!だって・・・」
だって、お金がないんじゃ・・・とは誰も言えませんでした。
「金はないから、悪いけどもはや・・・ぼけなすぅ☆って感じだから。」
ボーナスとぼけなすぅ☆・・・あまりの冷たさにみんなが固まった瞬間でした。
それから、一人また一人と「ぼけなすぅ☆」をあけたのでした。
「・・・黒崎?」
「気にしないで、好きに使え。」
かっこつけていなくなった黒崎さんの後ろ姿を見ながらみんなため息をついていました。
「・・・好きに使えって・・・」
「うまいぼーとか買いに行く?」
「チロルチョコじゃないか?」
みんな手には50円玉を持っていました。
「・・・袋の方が高そうですね。」
渚さんの的を得たツッコミに・・・みんな静かに頷いていたのでした。
それでも、少しだけみんな楽しそうにしていたのが「ぼけなすぅ☆」が無駄ではなかったとのことでした。
