「なんで七夕って毎年晴れないのかなぁ?」
一年に一度しか会えないのにその日すら晴れないのではさぞかし思いも募ることだろう・・・。
「確かにこの時期は雨期が重なるから、ちゃんとした晴れはなかなかないかな。」
と返すのは黒崎さん。ちなみに文系の彼には明白な答えはわからないそうです。もし咲也君がいたのなら暑く語り出していたであろう内容だったのでした。
「黒崎さん、今年は笹ないの?」
「あー、なんかいつものとこから送られてこなくてさ・・・・」
「えーー、つまんなぁい。」
毎年巨大な笹にめちゃくちゃなお願いを書くのが、涼風の中での例年行事でした。しかしみなが大人になる度にそういった「イベント」ができなくなってきてしまったのでした。
「確かに笹は残念だけど・・・大丈夫、今年は秘策があるから。」
「秘策?」
珍しく意味ありげに笑っている黒崎さんを前に首を傾げる七海ちゃんだったのでした。
一方。この時期には絶対に集まらなくてはならないために、頑張って車を運転していた咲也君は、なにかを感じ取ったかのように少し首を傾げたのでした。
「・・・なんか寒気がする。」
風邪とかじゃなくて、もはや長年の感というものでしょうか?言い知れぬ不安にかられたのでした。ふと見上げた空には雲がたくさん。
「・・・今年も晴れないか・・・な?」
小さくつぶやきながらまたみなの元へと帰るために健気に頑張っていたのでした。
「・・・と言うわけだから、みんなこれに願いを書いてな。」
その間に集まってきたメンバーたちには「短冊」がわたされたのでした。しかもそれは裏側がシールになっています。
「星に願うより、確かな人に願いが伝わるからな。」
こういうとき、彼らの団結力は非常に高いものがありました。なんだか悪い微笑みを浮かべているのでした。
「つまりー今年はお願い事は咲也の背中に張るわけ?」
亜水弥さんはすでに楽しそうに「○○に会いたい」と無茶なことを書いているのでした。
「そうしたら、咲也君がかなえてくれるんだね、だね?」
本人の意思はもはや無視されて、むちゃくちゃなお願いがたくさん書かれていきます。
「・・・ふーん。」
なぜか、七海ちゃんだけはためらったようにペンを止めたのでした。
そして書きかけた言葉を消して・・・
「七海?なにかいたの?」
「秘密ですね!」
そのまま短冊を隠してしまいました。本当に些細だけど・・・咲也君にしかできないこと。
「かなえてね・・・兄さん。」
大切そうに、その短冊をバレないように抱きしめていたのでした。
一年に一度しか会えないのにその日すら晴れないのではさぞかし思いも募ることだろう・・・。
「確かにこの時期は雨期が重なるから、ちゃんとした晴れはなかなかないかな。」
と返すのは黒崎さん。ちなみに文系の彼には明白な答えはわからないそうです。もし咲也君がいたのなら暑く語り出していたであろう内容だったのでした。
「黒崎さん、今年は笹ないの?」
「あー、なんかいつものとこから送られてこなくてさ・・・・」
「えーー、つまんなぁい。」
毎年巨大な笹にめちゃくちゃなお願いを書くのが、涼風の中での例年行事でした。しかしみなが大人になる度にそういった「イベント」ができなくなってきてしまったのでした。
「確かに笹は残念だけど・・・大丈夫、今年は秘策があるから。」
「秘策?」
珍しく意味ありげに笑っている黒崎さんを前に首を傾げる七海ちゃんだったのでした。
一方。この時期には絶対に集まらなくてはならないために、頑張って車を運転していた咲也君は、なにかを感じ取ったかのように少し首を傾げたのでした。
「・・・なんか寒気がする。」
風邪とかじゃなくて、もはや長年の感というものでしょうか?言い知れぬ不安にかられたのでした。ふと見上げた空には雲がたくさん。
「・・・今年も晴れないか・・・な?」
小さくつぶやきながらまたみなの元へと帰るために健気に頑張っていたのでした。
「・・・と言うわけだから、みんなこれに願いを書いてな。」
その間に集まってきたメンバーたちには「短冊」がわたされたのでした。しかもそれは裏側がシールになっています。
「星に願うより、確かな人に願いが伝わるからな。」
こういうとき、彼らの団結力は非常に高いものがありました。なんだか悪い微笑みを浮かべているのでした。
「つまりー今年はお願い事は咲也の背中に張るわけ?」
亜水弥さんはすでに楽しそうに「○○に会いたい」と無茶なことを書いているのでした。
「そうしたら、咲也君がかなえてくれるんだね、だね?」
本人の意思はもはや無視されて、むちゃくちゃなお願いがたくさん書かれていきます。
「・・・ふーん。」
なぜか、七海ちゃんだけはためらったようにペンを止めたのでした。
そして書きかけた言葉を消して・・・
「七海?なにかいたの?」
「秘密ですね!」
そのまま短冊を隠してしまいました。本当に些細だけど・・・咲也君にしかできないこと。
「かなえてね・・・兄さん。」
大切そうに、その短冊をバレないように抱きしめていたのでした。
