わー、忘れた頃にやってくるヤンデレさんシリーズ!クオリティが低いという注意は飲み込んで、今回も誰かが・・・病みますよ(-_-;)
今回は一話完結です。
内容的には、ちょっとだけシリアスですかね?
あまり重くは・・・ならないといいな。

「お友だち」↓ずっと一緒だよ。なにがあっても一緒だよ。だから、どこにも行かないで。


双子には不思議な力があるとかいう人がいる。私たちは双子だったけど・・・正直よくわからなかった。
いくら双子でも私と彼が考えていることはいつも反対だったから、私には何を考えているのかがわからなかった。

「本当にあんたたちってよく似てるよね。」

幼なじみの有紗が私たちの顔をしげしげと見た後になにか不思議なものを見ているかのように小さく息をついた。

「一卵性なんだから当たり前だろ?」

そうだよ、当たり前だよ。私はずーっと陸のことを見ていたんだから・・・陸の考えていることなんかすぐにわかっちゃうの。
有紗を前にすると陸は急にドキドキして落ち着かなくなるの。わかるよ、私には陸の気持ちわかる。
きっと私たちは同じ考えを持っているんだよ。

「里菜?さっきから黙り込んでどうしたんだよ?」

大変!陸に心配をかけちゃった。ごめんね、私・・・陸を助けてあげるために頑張らなくちゃいけないのに、今すぐ私が陸の悩みを解決してあげるよ。

「有紗~トイレに行こうよー。」

「うん、いいよー。陸待っててね。」

陸がうなずくのを待って私は有紗をつれて公園のトイレへと向かった。
私ね、有紗のこと大好きだよ。有紗は可愛くて優しくてなんでもできて・・・いじめられていた私にも手をさしのべてくれたの。
私、有紗のことだぁい好き。ずーっと一緒にいたいなーって思ってたんだよ。三人でずーっと一緒にいたかったのに。

「あれ?里菜どうしたの?そんなに怖い顔して・・・。」

悪かったのは・・・有紗だったんだよ。私はずーっと三人で痛かったのに・・・。

「有紗は、陸のことが好きなの?」

「えっ?なにを・・・」
なにを慌てたふりをしているの?あなたの気持ちなんて私は全部知ってるの。

ー里菜のことを使えば簡単に陸に近寄れるって、里菜って友だちいないじゃん?ちょっと声かけたらすぐにお友だちになれるよ。ー

クラスの子たちに話していたのがあなたの本心なんでしょ?

「・・・有紗は、里菜を使って陸に近づいたんでしょ?」

こんな公園のトイレになんて誰も来ない。
陸だって女子トイレの中になんてはいってこれない。
・・・大好きだったよ。
「ねぇ、有紗・・・私有紗のこと大好き・・・優しくて頭も良くて、スポーツもできて・・・私とは正反対だね。」

どうしたの?そんなにたくさん汗なんかかいちゃって・・・やだなぁ、そんなにおびえないでよ。私がこんなに笑っているのにあなたがそんな顔をしてたら・・・つまんないよ。

「・・・私たち、友だちだよね?」

「あ、あたりまえだよ。」

「よかった・・・私、嬉しいよ。」

私たち、ずーっと一緒だよね。
有紗は私の友だちなんでしょ?有紗は私の友だちなんだよね。
だから私の陸には近寄らないで。
私は小さな小瓶をとりだしたの・・・そんなに見なくても大丈夫だよ。

「り・・・里菜、なに・・・それ?」

あれ?頭のいい有紗がわからないはずがないよね。そうして私はまた、そこに小さな針をいれていくの。ほら・・・歌にもあるでしょ。

ー指切りげんまん、ウソツイタラハリセンボンノーマスー

気をつけて・・・これがたくさんたまったら、その時には・・・。

「り、里菜・・・もぅ戻ろう・・・陸待ってるよ!」

私はまた一つ、針を追加したの。・・・陸のところなんて、いかせないよ。有紗は「私」の友だちなんだから。

「ウソ・・・ツカナイデネ。」




「あ、有紗この間はどうしたんだよ?」

私は、陸のとなりから有紗の姿を見ていたの。有紗は私を見ると怯えたように目を避けて、小さく頭を下げていなくなった。

「・・・俺、何かしたかな?」

陸、大丈夫だよ。
だって陸には私がいるんだから。陸だって、私と同じ気持ちだったんでしょ?

「本当に、どうしたんだろうね・・・。」

有紗は大切なお友だち。陸は大切な私の半身。
私のポケットには小さな小瓶が少しだけ音を立てて揺れていた。

私と有紗の大切なお約束。私が有紗を大好きなままでいられる大切なお約束。

「・・・ウソツイタラ・・・ハリセンボン・・・ノーマス・・・ふふっ。」

ねぇ、有紗。
私、あなたが大好きだよ。
ねぇ、陸。
一卵性の私たちの性別が違うのって・・・不思議じゃない?
ふふふ・・・。

ホントウノウソツキハダレナンダロウネ?