注意ストックがあったぶんをせっかくなので気ままにアップしていきます。時系列がおかしいのは見逃してください(-_-;)



咲也君がいなくなってから黒崎さんは弁護士の仕事の他にもたくさんの劇団関係の仕事を受け持つことになりました。さすがに慣れない統計の処理にはパソコンを睨みつけながら疲れ切っています。

「黒崎さーん!大変なりよ。」

パタパタと室内にもかかわらず、スピード違反で走ってきた七海ちゃんは、思わず止まりきれずに壁へと突撃しました。
鼻の頭が真っ赤になっています。泣きそうになりながらへたり込んでいます。

「うぅ…咲也兄さんなら受け止めてくれるのに~。」

ぐさっ!!
最近咲也君と比較されることがなをだかんだ言いながらトラウマになってきた黒崎さんでした。

「ごめん…次は死んでも受け止めるから。」

…死んだら受け止められないので生きていてください。

「あ、それより大変だよ!劇団のメール開いてみてみて!」

七海ちゃんは広報課なので、メールのチェックなども任されていました。それが焦りながらメールを見てくださいて言いだしたのだから大変です。カチカチとパスワードをいれます。

「え…新着メールが75件??何日チェックしてないんだ?」

めったに来ることのなかった劇団宛のメールが大量に…これは放置していたとしか思えません。

「二日だよ!たった二日でこんなことに~。」

対応しきれなくなった七海ちゃんが泣きそうになりながらどうしよ、どうしよ?と走り回っています。

「とにかく内容から確認しような。」

うんうんと頷く。クレームが怖かったために一人じゃ開けなかったのでした。フォルダを開くとそこには「会報が届いてません。」の文字が並んでいました。

「会報?そう言えばー先月から見てないな…担当は誰だっけ?」

黒崎さんが、首を傾げました。七海ちゃんもつられて首を傾げます。とりあえず一月の会報を探し出してきました。

「…往人さんだよ。」

「…あいつ…まさか書いてないのか?」

とりあえず携帯をとりだして、往人さんに連絡をします。

ーおかけになった電話番号は…ー

「わぁ…着信拒否されてるぅ。」

「…俺もだ。」

二人は確信した…こいつ絶対に書いてない。

「…もはや病院にかけていいかな?匿名希望で…。」

つぶやく七海ちゃん。
それはちょっと問題になるのでやめてください。
「とにかく、原稿ができてる分は集めて…あとは…誤魔化そう。」

今回の分担は咲也君がやっているところが少しあったはずです。でも他はみんな往人さんの担当。どう考えても間に合いません。というかもはや、各種手続きがまったくできてないという危機です。

「咲也兄さーん…へるぷみーだよぉ。」

半泣きの七海ちゃんが電話をかけると、もはや混乱からなにを話しているのかすらわからない七海ちゃんの話を冷静に聞いた上で咲也君はすぐさま状態を悟り、メモを取るように言いました。

・もはやごまかすために2、3、4月号合併にする。新春スペシャルなノリ。
・一人半ページくらいの特集にして各自から記事を集める。

・あとは往人のパソコンのパスワード。ここに入ればデータが見れるらしい。
などなど…。

急いでみんなに連絡をしてなんとかなりそうな、感じになったそうです。パソコンのメールに対応しながら二人はいなくなった咲也君に向かって頭を下げたそうでした。
咲也君はさすが若くして涼風の団長をしていただけあるのでした。

「まいった、咲也様々だな…。」

「本当だね。…なんかこれから、大丈夫なのかな…。」

「いつまでも頼ってはいられないしな。」

「はぁ…頑張ろうね。」
二人で頑張っても、咲也君になるにはそうとうな時間がかかりそうなのでした。