亜水弥さんが急遽企画した『咲也君の輝かしい未来を祝おう』のパーティーが開かれることになり、三人は暁羅さんちへと向かうことになりました。黒崎さんが仕事を終えるのを待って車に乗り込みました。
「あー…静かにでて行きたかったのになぁ。」
ぶつくさと文句を言う咲也君。一見つまらなそうに、口元を押さえています。
「いーじゃんか、愛されてるんだよ。」
黒崎さんは珍しく、咲也君の機嫌を気にしていました。そんな様子に気がついた七海ちゃんがすかさずフォローをいれます。
「大丈夫ですよ~、兄さん照れてるだけですもん!」
長年見てきただけあって、咲也君の小さな動きをみただけでたいていの気持ちなんて七海ちゃんにとってはすっかりお見通しなんです。
「…うるせー。」
「にはは、照れちゃダメだよ。せっかくなんだからたまには素直になりなよ。」
誰もが、咲也君を大切に思っているのは確かでした。それがなんだか咲也君には照れくさいらしいのです。おまけにまたギリギリまで行く日を言わなかったために亜水弥さんからのパンチは逃れられないのでした。
「…俺は静かにいなくなりたかったんだよ。」
ここまできてまたぶつくさと文句を言っています。静かにいなくなった時にはたいてい事件がおこっていたので、それは心配すぎです。
「だいたい…また飲んで騒ぐんだろ…。」
毎年の正月で行われる、酔っ払いの暴走を考えると酔えない体質の咲也君は気が重いのでした。どうせまたフォローしなくちゃならなくて一人走り回らなくちゃならなくなるのでした。
「大丈夫だよ!今回は兄さんとちゃんとお別れと応援をしたいからアルコールは禁止なの。」
「えっ…?」
正直意外でした。どうせまた騒ぎたいだけだろうと思っていたので少し警戒が解けました。
少しいってもいいかなと思い直した瞬間に七海ちゃんが口を開きました。
「なんかね、一人一人からちゅーのプレゼントがあるんだって!」
固まる咲也君。
「も…もちろん…ななからも、あるんだよ?」
めったに七海ちゃんからのちゅーなんてないので本来なら咲也君は喜ぶはずなのですが…。
「も…もちろん…俺からも、あるんだよ?」
運転中の黒崎さんの一言になにかを決意したように顔を上げました。
「おろせ!」
「ほぇ??」
驚いている七海ちゃんの横で咲也君が涙ながらにシートベルトを外して、逃げだそうとし始めました。
「にゃー!?ダメだよ!車走ってるのに、飛び出したらひかれちゃうー!」
慌てて七海ちゃんが腕をつかみますが圧倒的な体格と力の差で、ひきずられてしまうのでした。
「むしろひかれる!いっそひかれたいんだー!」
なんだか忘れていましたが涼風の人間は酔っていなくてもあまりまともじゃないことを思い出した瞬間でした。
「な、なんでー??ななと往人さんのドキドキ野球拳とかはらはら王様ゲームとかもあるんだよ!」
主催者だったらまだ楽しそうだと一緒になって笑ったかもしれません…しかし、送り出される側なのに逃げたくなるなんてさすがです。
酒が入ってないのにこのノリは本当に神がかっています。酒が入ったらどうなるかは…知らない方が幸せなのです。
あと往人さんと七海ちゃんが仲良くなりすぎなのも若干心配でした。
「いやだー…俺には…俺には、もうおまえらを止める自信がない!」
大変です!ここにきて咲也君がマジ泣きそうです。
「咲也、安心しろ。やばくなったら俺が一肌脱ぐから。」
なんとなく前を見ている黒崎さんの横顔がかっこよく見えてきた瞬間でした。
「くろ…さき…。」
「文字通りの意味でな♪」
文字通り…?つまりは服を脱ぎたいと??
「やだー!やっぱりおろしやがれ!とめろ!今すぐとめろー!」
泣き叫ぶ咲也君を前に七海ちゃんが決意したように、ギュッと手を握りました。
「…私も…脱ぐ?」
「脱がなくていー!」
悲痛な叫びを残したまま…車は会場目指して加速していくのでした。
「あー…静かにでて行きたかったのになぁ。」
ぶつくさと文句を言う咲也君。一見つまらなそうに、口元を押さえています。
「いーじゃんか、愛されてるんだよ。」
黒崎さんは珍しく、咲也君の機嫌を気にしていました。そんな様子に気がついた七海ちゃんがすかさずフォローをいれます。
「大丈夫ですよ~、兄さん照れてるだけですもん!」
長年見てきただけあって、咲也君の小さな動きをみただけでたいていの気持ちなんて七海ちゃんにとってはすっかりお見通しなんです。
「…うるせー。」
「にはは、照れちゃダメだよ。せっかくなんだからたまには素直になりなよ。」
誰もが、咲也君を大切に思っているのは確かでした。それがなんだか咲也君には照れくさいらしいのです。おまけにまたギリギリまで行く日を言わなかったために亜水弥さんからのパンチは逃れられないのでした。
「…俺は静かにいなくなりたかったんだよ。」
ここまできてまたぶつくさと文句を言っています。静かにいなくなった時にはたいてい事件がおこっていたので、それは心配すぎです。
「だいたい…また飲んで騒ぐんだろ…。」
毎年の正月で行われる、酔っ払いの暴走を考えると酔えない体質の咲也君は気が重いのでした。どうせまたフォローしなくちゃならなくて一人走り回らなくちゃならなくなるのでした。
「大丈夫だよ!今回は兄さんとちゃんとお別れと応援をしたいからアルコールは禁止なの。」
「えっ…?」
正直意外でした。どうせまた騒ぎたいだけだろうと思っていたので少し警戒が解けました。
少しいってもいいかなと思い直した瞬間に七海ちゃんが口を開きました。
「なんかね、一人一人からちゅーのプレゼントがあるんだって!」
固まる咲也君。
「も…もちろん…ななからも、あるんだよ?」
めったに七海ちゃんからのちゅーなんてないので本来なら咲也君は喜ぶはずなのですが…。
「も…もちろん…俺からも、あるんだよ?」
運転中の黒崎さんの一言になにかを決意したように顔を上げました。
「おろせ!」
「ほぇ??」
驚いている七海ちゃんの横で咲也君が涙ながらにシートベルトを外して、逃げだそうとし始めました。
「にゃー!?ダメだよ!車走ってるのに、飛び出したらひかれちゃうー!」
慌てて七海ちゃんが腕をつかみますが圧倒的な体格と力の差で、ひきずられてしまうのでした。
「むしろひかれる!いっそひかれたいんだー!」
なんだか忘れていましたが涼風の人間は酔っていなくてもあまりまともじゃないことを思い出した瞬間でした。
「な、なんでー??ななと往人さんのドキドキ野球拳とかはらはら王様ゲームとかもあるんだよ!」
主催者だったらまだ楽しそうだと一緒になって笑ったかもしれません…しかし、送り出される側なのに逃げたくなるなんてさすがです。
酒が入ってないのにこのノリは本当に神がかっています。酒が入ったらどうなるかは…知らない方が幸せなのです。
あと往人さんと七海ちゃんが仲良くなりすぎなのも若干心配でした。
「いやだー…俺には…俺には、もうおまえらを止める自信がない!」
大変です!ここにきて咲也君がマジ泣きそうです。
「咲也、安心しろ。やばくなったら俺が一肌脱ぐから。」
なんとなく前を見ている黒崎さんの横顔がかっこよく見えてきた瞬間でした。
「くろ…さき…。」
「文字通りの意味でな♪」
文字通り…?つまりは服を脱ぎたいと??
「やだー!やっぱりおろしやがれ!とめろ!今すぐとめろー!」
泣き叫ぶ咲也君を前に七海ちゃんが決意したように、ギュッと手を握りました。
「…私も…脱ぐ?」
「脱がなくていー!」
悲痛な叫びを残したまま…車は会場目指して加速していくのでした。
