日曜日の朝は、三人でゆっくりできる特別な日。いつもはなんだかんだでわたわたと走り回って慌ただしい七海ちゃんも珍しくなかなか動こうとしません。しかし、無情にも電話のベルが鳴り響きました。
「・・・うーーーー・・・起きたくない・・・」
七海ちゃんが布団をかぶって潜り込んでしまったので、しかたがなく咲也君と黒崎さんはじゃんけんをしました。んで、負けた黒崎さんがしぶしぶ廊下へと向かいました。
「もしもし??・・・もしもーーーーし!!」
しかしどうやらいたずら電話なのか、間違い電話なのか無言が続きます。数分間「もしも-し」を繰り返した黒崎さんはあきらめて受話器を置くと部屋へと戻りました。しかし、電話帳の間に奇妙な冊子を見つけました。
「黒崎さん、誰だった??」
さすがに目を覚ました七海ちゃんが問いかけます。ちなみに咲也君はまだ半分寝ています。
「あーーなんか、間違いだったみたい。てかさぁ、七海これ何??」
手に持っているのはハードカバーな赤い表紙に冊子。どうやら七海ちゃんも知らないらしく不思議そうにそれを見つめています。
「なんだろ??開けてみようよ!」
その言葉に黒崎さんもうなずき、ページをめくってみます。それはアルバムらしく、さまざまな姿で小さな少年が迷惑そうにカメラをにらんでいます。
「・・・だれだこの可愛いの??」
確かに可愛いのです。サラサラの髪の毛に、ちょっと切れ長な大きな瞳、高い鼻にきめ細かい肌・・・・下手したら女の子と言われても違和感がありません。まさに中性的な美人でした。
「・・・・どこかで見た気が・・・」
その時、急に咲也君が飛び起きました。そして、急いで黒崎さんの手からアルバムを奪回するのでした。
まさしく、盗賊のような早技に、二人は茫然と見つめていました。
「なんでこれが残ってんだよ・・・捨てたはずなのに・・・見たのか?」
鬼気迫る表情に二人は思わず首を振ります。そして、感じ取ったのでした。・・・これは咲也君のアルバムで、おそらくとったのは暁羅さん。そしてこれが彼にとっては・・・・そうとう消したい過去であるということ。そして、咲也君にもちゃんとした(??)子ども時代があったということ。
「モヤサナイト・・・・いますぐにでも・・・・モヤサナイト・・・」
なんだか病んでしまった咲也君をしり目に、黒崎さんは緑色の冊子も取り出しました。そこにも可愛い少年の姿がたくさん(こちらは隠し撮りだったらしくこっちは笑顔がたくさん)うっていました。
「・・・・暁羅さんって・・やっぱり・・ジャ●ーさんのお仲間なのかな??」
「・・・・たぶんそうだろうな・・・。」
しばらくの間、二人は可愛い咲也君をたっぷり堪能したとかしないとか。ちなみに・・・ほかの団員のもあったりして・・・。
