スイマセンあせるあせる八人目を下書きにしたまま放置していたらしく、先ほど公開にしました!!!!まだ読んでいない方は、少し戻ってみて下さい汗多分、あれを読まないとついてこれませんしょぼん
ブログネタをいきなり大量に書いたわけは、アメーバぬいぐるみが欲しかったからです(笑)あと、お馴染みの鬼気迫ったときにほかのことをやりたくなる症候群です(-_-;)
明日までに広げた伏線は回収できるのか!?…おそらくまたもや不完全燃焼で終わってしまいそうな予感…「乙女戦争!九人目」↓事実を見たくなくて、私は目をそらした。だから…なにが起こったのかも知ることはなかった。あなたが泣いていたことにさえ…気がつかなかった。
目に映る世界は、常にセピア色。





あの日私はリーガにチョコレートを渡したくて、荒れ果てた街を一人であるいていた。
ジョセフ…あの魔法使いがすべてを無へと帰していた。私はどうして自分が生きているのかが分からなかった。この国には私とリーガとジョセフしかいなかった。

ー…まだ生き残りがいたのか…ー

体が凍るような声だった。私はあたりを見渡した。高い塔の上にジョセフは立っていた。
赤い目が…私を貫く。

ーこれはこれは…姫君。どうなさいました?ー

逃げなきゃ…逃げなきゃ、私も…こんな風にされてしまう。私は足下に転がる骨に恐怖を覚えた。

ー噂通りの美しさだ。我が花嫁にふさわしい。ー
ジョセフがにやりと笑った。
…花嫁?私が?

ー世界を再生するには…姫君の血が必要なのです。ー

いつの間にか、ジョセフは私の目の前に立っていた。声を上げたいのにそれすらできなかった。

ーさぁ、姫君…参りましょう。ー

ジョセフの手が私を誘う。

ーミリアから離れろ!ー
剣をかまえたリーガが私をかばうように、ジョセフの手を払いのけた。

ーははははは…ずいぶん優秀なナイト様だな!だが…目障りだ!ー




「何百年…この時を待ったことか…。」

私は、目をつぶっていた。だから今がいつなのかわからなかった。もしかしたらまだ、私は過去のあの日にいるのかもしれない。
この世界は夢なのかもしれない。
聞こえてくるのはなにか金属を研ぐような音。

「時が過ぎすぎてしまった…世界は今すぐ再生しなくてはならない。」

首筋になにか冷たい物がふれた。

「さぁ…麗しの姫君…ともに新たな世界を生きましょう。」

冷たい物が静かに私の首に入り込む。鈍い痛みが走った。…なにかが私の体から溢れ出していく…これは…血?

「茜!この悪魔!茜を離しやがれ!」

何かが当たる音がした。その瞬間冷たい物体が、床へと落ちる。
私はゆっくりと瞳をあけた。転がっているのはダガーとサッカーボール…。

「ひ…なた…君!?」

来るはずのない陽向君が、開くはずのないドアを開けて立っていた。

私は…夢を見ているの?
「小日向陽向…いや、リーガ…また私の邪魔をする気ですか?」

ジョセフが憎らしそうに陽向君を見ていた。
私は確かに陽向君に睡眠薬を飲ませたはず…だからここに陽向君がいるはずなんて…ない。

「…悪いけど…何回も同じ手は使えないぜ!」

私は、周りを見渡した。たくさんの思い出が渦巻いていた。
そうだ…私たちは、何回も同じ悲劇を繰り返していたんだ。

「…ほぉ、あなたにも学習能力があったのですね。」

にらみ合う二人。
私は息を飲んだ。
なんとかしないと…なんとか…ふと視線のはじにダガーが写った。
これを使えば!

「邪魔だ!リーガ…時間がないので残念ながらあなたと遊んでなんていられません。」

ジョセフが手を挙げると、陽向君の体も浮かび上がった。

「くっ…そ!離しやがれ!」

必死にもがく陽向君の体が床へと叩きつけられる。苦しそうに息を吐く陽向君…私に口パクでなにかを伝えようとしている。

ーは…やく…に…げろー
陽向君…。涙があふれ出した。私は手の中にあるダガーを握りしめると、静かに首を振り…ジョセフに向かって走り出した。

「さぁ、リーガ…とど…!?」

「…陽向君を…苦しめないで!」

ぬるり…赤い液体が、ダガーを濡らし、私の手を染めていった。
ジョセフの顔が苦痛にゆがんだ。

「ひ…姫君…どう…して…?」

「茜!」

呆然とする私の元へ陽向君が走り寄ってきた。

「茜、大丈夫か!?」

笑顔がいつかのリーガと重なる。

「わた…私…ジョセフを…!?」

声が震えた。
私が、刺した。
私が、ジョセフを刺した。

「…あはは…はは…姫君…わた…し…の負けです…。」

私たちは、ようやく…何百年と続いた因果を…打ち破るチャンスを手にした。


決戦の日まであと一日…。