ーはい…わかりました…では、そのようにします。ー
七海ちゃんはそうつぶやくと静かに携帯を起きました。そして…なにかを決意した瞳で、部屋のなかで作業をしているはずの二人へと視線を向けるのでした。
その時、咲也君は言いようのない悪寒に襲われていたのでした。
「どーした?咲也?」
黒崎さんがペンが止まった咲也君に不審そうに声をかけました。咲也君はゆっくりまわりを見渡したあと…頭を抱え込むのでした。
「…なんか…とてつもなく、嫌な予感がする。」
窓の外には久しぶりに積もった雪が太陽の光に照らされてきらきらと輝いていました。
「お茶いれてきたよ~。休憩にしよ?」
七海ちゃんがご機嫌な様子でおやつを持ってきました。寒いのを暖めるために熱い緑茶と手作りの抹茶ババロアが乗っかっていました。
「おー、うまそ!こんなんも作れんだな。」
黒崎さんが感心したとばかりに手をたたくのでした。しかし咲也君は七海ちゃんの顔をじーっと見つめているのでした。
「今度サークルで作るから、久しぶりに本見つけたの。だから試しに作ってみたの!」
机の上を片づけて、わくわくとお茶を待つ黒崎さん。手際よくお皿が並べられていきます。
「さ、食べよ?」
「いただきまーす!」
早速口を付けて顔をほころばせる二人とは対照的に咲也君はなにかをさぐるように七海ちゃんの顔を見つめていました。
「…に、兄さん?どうかしたの?」
「そうだぞ、咲也?食わないのか?」
はぁ~っとため息をついて、机を軽くたたきながら立ち上がる。そして七海ちゃんの目の前に座りました。
「七海…なにか隠してるな?」
ビクッと体を震わせる七海ちゃん。よく見るとなんだか…冷や汗がにじんでいます。咲也君は優しく肩に手をおくと静かに力をかけました。
「お、おい!咲也?どーしたんだよ?」
黒崎さんが焦って二人の間に割り込もうとするのですが、そんなことは許されません。
「これは、俺と七海の問題なんだ。おまえ…なにを隠してるんだ?言いなさい。」
「や…やだな、なんにも隠してなんか」
「嘘だ!!」
某レナのような剣幕で咲也君は七海ちゃんを睨みつけます。オロオロとしながら、なにかを確認するように携帯をさする七海ちゃんの様子を咲也君は見逃しませんでした。
「ケータイ…見せなさい。」
「だ、ダメ!」
「そうだぞ、咲也!さすがにそれはプライバシーの侵害だぞ。」
まさか現役弁護士の前でそんなことをできるはずはありません。しかし、咲也君はゆっくりと微笑んで、さらに小さく七海ちゃんにだけ聞こえる声でつぶやきました。
「…七海、隠してもハッキングするぞ…素直に見せれば、被害は少ない。」
顔面蒼白な七海ちゃんはしばらく携帯を見つめたあと涙をのんで携帯を差し出しました。
黒崎さんは、不思議そうにその様子を見つめていました。
カチカチと携帯をいじる咲也君。
「やっぱり…なーな?…これは誰かな?」
画面には着信履歴。
そこには某プロダクション社長の名前。
「うー…誰だろね?」
引きつった表情で逃げ場を探す七海ちゃん。
「…なにが、欲しかったんだ?」
「あの…ドラマのオープニングで着てた白スーツ…えへ。」
てへっと頭を傾ける七海ちゃん。優しく微笑む咲也君。
「なにと交換するんだ?」
「えっと、兄さんの…寝顔…とシャワーシーン!」
「…ほぉ。」
咲也君をとりまくオーラが暗黒に染まります。
「あ、じゃあ…これで!」
部屋を出ていこうとする七海ちゃんの手をひく咲也君。
話についていけずちょっと疎外感な黒崎さん。
「もし、そんなことしたら…いろいろと覚悟しとけよ。」
冷たい営業スマイルが痛いのでした。
「ふぁ~ぃ。」
がっくりと肩を落とす七海ちゃん。
「??いったいなんなんだよ??」
「おまえは知らなくていいんだよ。」
無念そうな七海ちゃん。ため息をつく咲也君。
首を傾げる黒崎さん。
その瞬間確かに三者三様の思いが渦巻いていたのでした。
七海ちゃんはそうつぶやくと静かに携帯を起きました。そして…なにかを決意した瞳で、部屋のなかで作業をしているはずの二人へと視線を向けるのでした。
その時、咲也君は言いようのない悪寒に襲われていたのでした。
「どーした?咲也?」
黒崎さんがペンが止まった咲也君に不審そうに声をかけました。咲也君はゆっくりまわりを見渡したあと…頭を抱え込むのでした。
「…なんか…とてつもなく、嫌な予感がする。」
窓の外には久しぶりに積もった雪が太陽の光に照らされてきらきらと輝いていました。
「お茶いれてきたよ~。休憩にしよ?」
七海ちゃんがご機嫌な様子でおやつを持ってきました。寒いのを暖めるために熱い緑茶と手作りの抹茶ババロアが乗っかっていました。
「おー、うまそ!こんなんも作れんだな。」
黒崎さんが感心したとばかりに手をたたくのでした。しかし咲也君は七海ちゃんの顔をじーっと見つめているのでした。
「今度サークルで作るから、久しぶりに本見つけたの。だから試しに作ってみたの!」
机の上を片づけて、わくわくとお茶を待つ黒崎さん。手際よくお皿が並べられていきます。
「さ、食べよ?」
「いただきまーす!」
早速口を付けて顔をほころばせる二人とは対照的に咲也君はなにかをさぐるように七海ちゃんの顔を見つめていました。
「…に、兄さん?どうかしたの?」
「そうだぞ、咲也?食わないのか?」
はぁ~っとため息をついて、机を軽くたたきながら立ち上がる。そして七海ちゃんの目の前に座りました。
「七海…なにか隠してるな?」
ビクッと体を震わせる七海ちゃん。よく見るとなんだか…冷や汗がにじんでいます。咲也君は優しく肩に手をおくと静かに力をかけました。
「お、おい!咲也?どーしたんだよ?」
黒崎さんが焦って二人の間に割り込もうとするのですが、そんなことは許されません。
「これは、俺と七海の問題なんだ。おまえ…なにを隠してるんだ?言いなさい。」
「や…やだな、なんにも隠してなんか」
「嘘だ!!」
某レナのような剣幕で咲也君は七海ちゃんを睨みつけます。オロオロとしながら、なにかを確認するように携帯をさする七海ちゃんの様子を咲也君は見逃しませんでした。
「ケータイ…見せなさい。」
「だ、ダメ!」
「そうだぞ、咲也!さすがにそれはプライバシーの侵害だぞ。」
まさか現役弁護士の前でそんなことをできるはずはありません。しかし、咲也君はゆっくりと微笑んで、さらに小さく七海ちゃんにだけ聞こえる声でつぶやきました。
「…七海、隠してもハッキングするぞ…素直に見せれば、被害は少ない。」
顔面蒼白な七海ちゃんはしばらく携帯を見つめたあと涙をのんで携帯を差し出しました。
黒崎さんは、不思議そうにその様子を見つめていました。
カチカチと携帯をいじる咲也君。
「やっぱり…なーな?…これは誰かな?」
画面には着信履歴。
そこには某プロダクション社長の名前。
「うー…誰だろね?」
引きつった表情で逃げ場を探す七海ちゃん。
「…なにが、欲しかったんだ?」
「あの…ドラマのオープニングで着てた白スーツ…えへ。」
てへっと頭を傾ける七海ちゃん。優しく微笑む咲也君。
「なにと交換するんだ?」
「えっと、兄さんの…寝顔…とシャワーシーン!」
「…ほぉ。」
咲也君をとりまくオーラが暗黒に染まります。
「あ、じゃあ…これで!」
部屋を出ていこうとする七海ちゃんの手をひく咲也君。
話についていけずちょっと疎外感な黒崎さん。
「もし、そんなことしたら…いろいろと覚悟しとけよ。」
冷たい営業スマイルが痛いのでした。
「ふぁ~ぃ。」
がっくりと肩を落とす七海ちゃん。
「??いったいなんなんだよ??」
「おまえは知らなくていいんだよ。」
無念そうな七海ちゃん。ため息をつく咲也君。
首を傾げる黒崎さん。
その瞬間確かに三者三様の思いが渦巻いていたのでした。
