今日は同じ劇団の亜水弥ちゃんが様子を見に・・・というかからかいに三人の元へとやってきました。しかし、残念なことに男二人は会社に大学にと出かけていたため、七海ちゃんが先日の七海ちゃんが留守中に家事を頑張ってみた男たちの一件で再びきたなくなった部屋を掃除していたのでした。
お茶をいれて二人で机を囲みます。

「んで…どーなの?」

亜水弥ちゃんがお茶に口を付けながら聞いてきます。

「?なにがですか?」

不思議そうに首を傾げる七海ちゃん。

「いやいや…一応、美男子二人と生活してる訳じゃん!…まぁ、性格には多少難があるかもだけど、悪い奴らではないし結構おいしいシチュエーションじゃん。」

あぁ…そういうことか。七海ちゃんは曖昧な笑みを返しました。

「…別に今までと変わりないですよ…私たちは兄妹なんですから。」

「まぁ、劇団の中ではね。…でも七海、黒崎のことはお兄ちゃんって呼ばないじゃん。」

七海ちゃんが名前のあとにオプション→例えばお兄ちゃんとか先輩とか。をつけない人は劇団の中で数人しかいません。逆に言ってしまえば、オプションをつけないということはなんらかの特別な思いがあるということなのです。

「…別に一護兄さんって呼ぶ約束はしたけど、なんかゴロが悪いからつい黒崎さんって呼んじゃってるだけだよ。」

本当は、初めは特別な思いを持っていたのですが4年間放置されていたことにより気持ちが分からなくなっていたのでした。

「じゃあさ…正直どっちがいいの?」

こういう時の亜水弥さんには手をつけられません。とんずらしたい気持ちをこらえて七海ちゃんはうつむきました。

「いいよねー黒崎は弁護士だからお金の心配はないし、なによりやっぱり大人な男って感じ?…まぁ、少し図太いけどね。」

ちびちびとお茶菓子のクッキーを食べながら亜水弥ちゃんがつぶやきます。

「でも咲也だって大学院卒業したら、かなりのエリートコースが待ってるもんなぁ…なんだかんだ言ってしっかりしてるから頼りになるしね~女好きさえ治れば完璧?」

いつの時代も本音のぶつかり合うガールズトークは怖いものです。

「さぁさぁ、お姉さんに言っちゃいなって、どっちの方がいい感じなのよ?」

「…どっち…って…。」
その答えが出せなかったから、三人で暮らすことになったわけで…。

「あ、もしかして…本当は太陽が好きとか、実は弟属性の雅人君が好きとか!?わぉ…荒れるねぇ。」

ただたんに亜水弥さんがさらに荒らしてるだけです。

「…禁則事項ですね。」
もはや、なんと言っていいのかわからないのでした。

「ちょっと待てー!マジに太陽が好きなのか!?」

「ちょ…咲也、落ち着けって!」

「へっ?」

どこからか聞こえてくるいないはずの二人の声にキョロキョロとする七海ちゃん。次の瞬間クローゼットの扉が開き、男二人が現れたのでした。

「に、兄さんに黒崎さん!?なんで…そんなところに。」

あちゃーと頭をかく黒崎さんとなんだか怒っている咲也君。

「くそ…やっぱり、癒し系なのか!?だから太陽なのか!?」

どうやらなにか勘違いをしているみたいです。
しかしそれよりなにより最近ザックラ→FF7のキャラクターのザックスとクラウドがラブラブ!という妄想(笑)というものにはまり始めていた七海ちゃんは
二人でクローゼット→狭い→抱き合う→流れる汗→…咲黒…?
という答えにたどり着いたのでした。

「…不潔です!ふーけーつ!でていけー!」

暗黒の笑顔で二人と亜水弥ちゃんを追い出すのでした。妄想力の大勝利!
「なな!?なぜに!ななー!」

「だから待てって言ったのにー‥。」

寒空の下亜水弥ちゃんは思ったのでした。こいつら尻に敷かれるなーっと。