世の中もだんだんクリスマスムードになってきたみたいですね。ちなみにたぶんこの話はクリスマスまでもちません。楽しいクリスマスになるといいなぁ。ちょっと間があいてしまいましたが、ヤンデレちづるちゃんに軟禁されてしまった見習いサンタさんはどうなるのでしょう?…私にもわかりません(苦笑)「見習いサンタのプレゼント⑩」↓逃げるわけにはいかなかった…だってどんなに逃げたってほら、俺の後ろには…。
あれからもう、何日過ぎたのかわからなかった。この部屋のカーテンはいつも閉められていて日光すら入ってはこなかった。時間の感覚がどんどん麻痺していった。家にはちづるちゃん以外の人はいないらしく、俺に気がついてくれる人はいなかった。
「…サンタさん…今日は寒いからシチューを作ってきたの。」
俺はゆっくりと顔を上げた。唯一の時を告げるものはちづるちゃんの持ってくる食事だけだった。ちづるちゃんの料理はおいしくていつもすごく工夫されていた。
「…ちづるちゃん…そろそろここから、出してくれないか?」
ちづるちゃんはシチューの入った皿を置くと俺にゆっくりと微笑みを浮かべてみせた。
「サンタさん…やっとちづるを病気にしてくれる気になってくれたの?」
「…いや。」
俺は静かに首を振った。ちづるちゃんの微笑みが静かに消えていく。そして俺の首筋に静かに手を当てた。
「じゃあ…だーめ。」
くすくすと笑い声を立てる。もし、今力を入れられたら…ゆるやかな恐怖が俺を支配していく。
「ほら、サンタさん…シチュー、冷めたらおいしくなくなっちゃいますよ。」
手を拘束していた布がはずされる。俺のほうが力は強い…逃げようと思ったら…逃げられる。
「…どーしたの…サンタさん?食べないの?」
ダメだ!今俺が逃げたらこの子はどうなる?こんな危うさをもった子を置いて逃げ出すなんてできない。
「…あ、そうだ。今日はサンタさんにプレゼントがあるの。」
そう言ってちづるちゃんが取り出したのは赤い毛糸で編まれた手編みのマフラーだった。
そっと首にマフラーが巻かれる。
「…サンタさん…まさ兄ちゃんに…似てる。」
甘えるようにちづるちゃんが俺に抱きついてきた。
現実と夢がゆっくりと境界線を失っていく。
あれからもう、何日過ぎたのかわからなかった。この部屋のカーテンはいつも閉められていて日光すら入ってはこなかった。時間の感覚がどんどん麻痺していった。家にはちづるちゃん以外の人はいないらしく、俺に気がついてくれる人はいなかった。
「…サンタさん…今日は寒いからシチューを作ってきたの。」
俺はゆっくりと顔を上げた。唯一の時を告げるものはちづるちゃんの持ってくる食事だけだった。ちづるちゃんの料理はおいしくていつもすごく工夫されていた。
「…ちづるちゃん…そろそろここから、出してくれないか?」
ちづるちゃんはシチューの入った皿を置くと俺にゆっくりと微笑みを浮かべてみせた。
「サンタさん…やっとちづるを病気にしてくれる気になってくれたの?」
「…いや。」
俺は静かに首を振った。ちづるちゃんの微笑みが静かに消えていく。そして俺の首筋に静かに手を当てた。
「じゃあ…だーめ。」
くすくすと笑い声を立てる。もし、今力を入れられたら…ゆるやかな恐怖が俺を支配していく。
「ほら、サンタさん…シチュー、冷めたらおいしくなくなっちゃいますよ。」
手を拘束していた布がはずされる。俺のほうが力は強い…逃げようと思ったら…逃げられる。
「…どーしたの…サンタさん?食べないの?」
ダメだ!今俺が逃げたらこの子はどうなる?こんな危うさをもった子を置いて逃げ出すなんてできない。
「…あ、そうだ。今日はサンタさんにプレゼントがあるの。」
そう言ってちづるちゃんが取り出したのは赤い毛糸で編まれた手編みのマフラーだった。
そっと首にマフラーが巻かれる。
「…サンタさん…まさ兄ちゃんに…似てる。」
甘えるようにちづるちゃんが俺に抱きついてきた。
現実と夢がゆっくりと境界線を失っていく。
