デレの対象がようやく明らかになってきました。ヤンデレなのにイマイチインパクトにかけているちづるちゃんは果たして某スクールデイズの言葉様や空鍋の楓ちゃんのような歴史に残るヤンデレになれるのか!→絶対に無理(-_-;)というわけで今日もやってきました「見習いサンタのプレゼント⑧」↓ヤンでしまうくらいにあなたのことを思っています。永遠に…。




「病気になるの。」ちづるちゃんの言葉には何の迷いもなかった。サンタは病気にはならない。そのかわりサンタが恐れるのは、自分たちを信じるに人間がいなくなってしまうことだ。だから病気になるということがどんなに苦しいことかは想像することしかできない。でもそれはきっとすごく辛いことに違いない。なのにちづるちゃんは「病気になりたい。」という。

「まささんは…どこに行ってしまうの?」

もしかしたらまささんがどうしていなくなってしまう理由がわかったら、なにか手をうてるかもしれない。

「…あの女の…ところに…」

ゾクリ…明らかにこの場を包んでいた空気が変わった。ちづるちゃんの瞳は壊れたカメラのように焦点が外れ、俺を通してほかの誰かを見ているようだった。

「まさ兄ちゃんは…私のお兄ちゃんなのにあいつが…あいつが私の気持ち知ってたくせに、なんにも知らないふりしてまさ兄ちゃんを連れて行っちゃうんだ!」

鈍い音があたりに響きわたった。はじめなにが起こったのか…理解できなかった。大切な…大切だと言っていたぬいぐるみがぽとりと床に落ちた。ちづるちゃんが体にたまった怒りをぬいぐるみにぶつけ壁に投げつけたのだ。

「…テト、ごめんね、テト…痛かったね…よしよし。」

ぬいぐるみを拾い上げてちづるちゃんは愛おしそうに何度もぬいぐるみの名前を呼びながらぎゅっと抱きしめた。

「でも…許せないの…あの女のことだけは…絶対に…アンナウソツキノコトワタシダイキライ…マサニイチャンダッテスキナハズナイ、ダマサレテルダケ…ダマサレテルダケナンダ。」

まるで暴走した機械のようにぎこちない言葉が繰り返される。俺は目の前で繰り広げられる柔らかな狂気に…徐々に心を蝕まれていた。

「まさ兄ちゃんはちづるが風邪をひいたらいつもずっとそばにいてくれたの。だからサンタさん…ちづるのことを病気にして下さい。そうすれば、ズットイッショニイラレルカラ。」

氷のように冷たく整った美しい微笑み…幼さとのギャップ…そのアンバランスさに魅入られてしまう。

全てを叶えてあげたくなってきてしまう。