徒然なるままに今日も書かせていただきます「見習いサンタのプレゼント④」↓みなさんヤンデレは好きですか??私は結構好きですラブラブラブラブ(笑)というわけで今回はヤンデレ度か少々あります。



人間の世界にたどり着いた俺はゆっくりとあたりを見渡した。するとすぐに一件の洋風な家が目に入った。封筒の名前を確認してみる。

「えーと、二階堂…ちづるっと。」

表札にはしっかりと「二階堂」と書かれていた。ここで間違いはないだろう。
玄関のドアに軽く手を当てて神経を集中させる。すると俺の体はするりとドアを通り抜けた。これは決して泥棒行為なのではなく、煙突がなくなった近年の住宅事情にあわせたサンタの力だから勘違いしてほしくない。
どうやら家の人たちは留守のようだった。
サンタはサンタを信じるものにしか見えない。だからそんなに気を張る必要もなかった。
一階を一通り見て回ったが、特に気になるものはなかった。
一般的な家庭と言った感じだ…少しの違和感を無視すればの話だが…俺にはその違和感の招待がつかめずにいた。
ゆっくりと階段を上がり二階へと向かう。
すると唐突に声が聞こえてきた。

「どうしてかな…どうして私のこと、見てくれないのかな…?」

おかしいな…誰もいないと思ったんだけど?
俺は少しだけ空いていたドアの隙間から中を覗いてみた。
長い黒髪の少女が床にぺったりと座りながらぬいぐるみを相手になにやら話していた。ぬいぐるみにはなにやら写真が貼られているみたいだけどよく見えなかった。

「まさ兄ちゃん…どうして…ちづのことおいてっちゃうの?」

泣き出してしまいそうな声でぬいぐるみを抱きしめていたかと思ったら急に抑揚のない声でなにやら呟きだしたのだ。

「…私のことおいてっちゃうんなら…そんな足なんていらないよね…。いらないよね。いらないよね。」

「えっ?」

布を切り裂く鈍い音とともになにか鋭い光が走りドスっとぬいぐるみの足が転がった。

「…こえぇ…。」

思わず声がこぼれてしまった。俺は焦って口をふさいだが少し遅かったみたいだ。

「…誰かいるの?」

しまった…!!
俺…いったいどうなっちまうの?
冷や汗がぽたりと床に落ちたのだった。