世界エイズデー、街でもポスターを見かけるようになりましたね。
今まで意識したことがなかった12月1日ですが、今年初めて当事者として迎えることになります。個人的な思いを綴っていきますね。
通称:薬害エイズ事件(本来であれば薬害「HIV感染」事件の名称がふさわしいのでしょう)のニュースが世間で話題になった時、自分は小学生でした。
当時、「エイズ」という病名も自分には耳新しく、「後天性免疫不全症候群」という漢字の羅列に興味をもって覚えようとしていたのを記憶しています。
数十年経って自分にとってHIVという言葉が身近になるとは思ってもみませんでした。
HIV陽性の診断を受け、役所から説明を受けた時に自分が真っ先に口にしたのは「障害者手帳、もらえるんですね」でした。
それまで、HIV感染症が身体障害者手帳の対象になることを私は恥ずかしながら知りませんでした。
手帳が貰えると知ってとても安堵しました。以降、必死に手続きをし、必要な支援はすぐに受けられるようになりました。
しばらくしてから、はばたき福祉事業団等からの情報を通して免疫障害が身体障害者手帳の対象として認められるまでの経緯を知りました。
同時に、その時に薬害感染以外のHIV感染者も支援の対象となるように当事者団体等が働きかけてくれていたことも知りました。
その努力が無ければ自分のようなケースの感染者は放って置かれていたかもしれない。
身体障害者手帳による負担減や、更生医療制度が無ければ治療を諦めていたかもしれない。
そう思うと、当時闘ってくださったみなさんには感謝の気持ちしかありません。
私は幼かったながら「薬害HIV感染事件」をリアルタイムで知っています。
ですが、20代やそれより若いHIVポジティブの皆さんはもしかしたら事件を知らない方もいらっしゃるのではないのでしょうか。
現代ではHIV感染症はきちんと成すべき事を成せば死なない慢性疾患です。そのための支援制度も用意されています。
でも、そうなるまでには当事者や支援者、医療従事者の尽きぬ努力と苦悩があったと思います。
HIVポジティブになって初めて迎える今年の世界エイズデーは、そんな感謝と敬意の気持ちを込めたいと思っています。

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