昨日、エル=バシャのピアノリサイタルに行ってきました。



僕は、このピアニストが演奏するラヴェルのピアノ曲全集を聴いていたので、生演奏を聴くのをとても楽しみにしていました。


と言っても久しぶりのコンサート。
神経を集中させて聴くので、終わるといつも脱力します(笑)


エル=バシャは、レバノン出身でエリーザベト王妃国際コンクール優勝歴のあるピアニストです。


場所は大阪のシンフォニーホール。あっあせるごまも一緒です(リサイタル初体験音譜)





プログラムはこちら。



ベートーヴェンとショパンです。

まずは、ベートーヴェンから。

ピアノソナタ第8番「悲愴」です。

ゆっくりと確かめるように演奏される第1楽章。そして、あまり情感を込めずに川のせせらぎを見るように流れる第2楽章が印象的。

次曲のベートーヴェンのピアノソナタ第17番「テンペスト」における演奏もそうですが、透徹した響きで一音一音を丁寧に刻んでいきます。

そして楽章の間をほとんどあけることなく演奏していきます。

休憩を挟んで、お次はショパン

英雄ポロネーズ以外は、ショパンの中でも華やかさより陰のある楽曲が並んでいて、それはエル=バシャのピアノと相性が良いと感じました。

まずは、バラード第1番と第4番。

特にバラード第4番の凄まじいテクニックと激しい情感のこもった圧巻の演奏は、個人的に今回のベストです。

激しすぎたのか、
そのあとの「英雄ホロネーズ」では、低音が弱い箇所もありましたが、最後のピアノソナタ第2番「葬送」で、また素晴らしい響きを聴かせてくれました。

第3楽章の柔らかいタッチによる優しい音色は、死者への労りにも思える美しい演奏でした。

アンコールは3曲で、とくに2曲目のラフマニノフの10の前奏曲(プレリュード)第5番は迫力ある熱演で、アンコール曲なのでとても得した気分になりました。
最後の演奏者作曲の「レバノンの歌」も美しい旋律のおしゃれな小品です。




安定した技量で、じっくりと曲を聴かせてくれるエル=バシャは、風貌も演奏内容も「いぶし銀の職人」って表現が合うピアニストで、とても素晴らしいリサイタルでした。

リサイタル初体験のごまも、プロの生演奏の迫力に感動してくれたようで、充実したひとときを過ごすことができてよかったですニコニコ

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