私には、
ガンの友達がふたりいます。
ガンの友達のふたり、と言うのは、
こうしてブログを通じて知り合った友人を除いて、ということですが。
ふたりはお互いが知り合いではなくて、
別々のところで私と知り得た友人です。
ふたり共、今現在は治療していなくて、
経過観察、定期検診のみです。
従って、ガンのことで病院へ行く機会は極めて少なく、
医師や看護師と話すこともほぼありません。
同病の知人友人も限られているかと思います。
私がふたりの病気を知ったのは偶然と言うか、
会話の成り行きと言うか、
思わず口からポロリと出てしまった…という感じです。
事実を知って、
私もすかさず自分がガンであることを言いました。
ふたり共、ガンに罹患したのは、私よりもずっと前、
ひとりは、もう10年を超えました。
自分の病気をすかさず打ち明けたのは、
彼女達が、とても悩んでいるように見えたから。
身体は、もちろんとても元気です。
外見からガン経験者と分かることはありません。
だけど、
偶然ながらふたり共、
心の傷は深く、
今でもガンの恐怖から立ち直れてない。
ひとりは、自分がガンであることもを、
何年も口にしていないし、
家族間でガンの話題を出すこともない。
そのことを知って、とてもショックでした。
ショックだったけど、
同時に私が何か彼女達の力になれないだろうか、
と思いました。
立ち直れないまでも、
ほんの少しでも慰めになれば、
と思いました。
私は、自分の体験してきたこと、
励まされた同病の友人達のこと、
何よりブログの存在、
ももいちのことも含めて、
打ち明けるべきか悩み、考えました。
でも、それは出来なかった。
ブログは私にとってはリアルな世界とはまったく別のもの、
ブログを読んでくれているリア友はほんのわずかです。
狡いかも知れないけど、
矛盾してると思うけど、
ブログは私が自分ひとりで辿り着いた、
心の拠り所です。
何とか、彼女達にも心の拠り所を自力で探し出して欲しい。
闇から這い出して欲しい。
自分の力で、外の世界へ目を向けるためには、
どうしたらいいのか…
私ひとりの力では、ガンの恐怖から救い出すことは出来ません。
歯がゆくて、自分が情けないです。
自分のためであり、もしも誰かのためになればと書いているブログ、
だけど、実際私は、
人ひとりも救うことが出来ない。
言葉足らずで、ガンの友達に光を当てる言葉がみつかりません。
いや、そもそも私が誰かを救おうなんて、
おこがましいにも程がある。
「私で良ければ、いつでも話し聞くよ。
同じ病気だもん、気持ち分かるよ」
そんなことしか言えなかった私。
大切なのは、自分自身が救われることもだけど、
自分の存在が誰かの支えにもなるのだ、
ということだと思う。
昨日、全部ではないけれど、
BSの「ガンを生きる新常識」
という3時間の番組を見ました。
ご覧になられた方もいらっしゃるかと思いますが、
とても、興味深い内容でした。
医者もガンになる。
ガンになれば私達と同じ、不安で孤独に苛まれる。
中でも、自分を救ったのは、
同病の人のブログから発信される生の患者の"今"を語る言葉だったと話されているお医者さんの話がとても印象的でした。
PCを開けば、膨大な情報を得られる今、
自分と同じ不安を抱えている人を見つけられることが出来る。
少し前を行く人の、体験談や解決策も知ることが出来る。
だけど、多くの同病の人は、
きっとまだ闇の中を彷徨っている。
這い上がりたいと足掻いています。
私は、自分は幸運であったと思います。
「何で私だけこんな辛い思いしなきゃならないの!」
泣いて、夫を困らせた日が蘇ります。
出口の見えない闇の中を今日も彷徨う人、
どうか私のブログを見つけてください。
私の友達のブログを見つけてください。