果たして胸部MRIと細胞針の結果は…?
「右乳房硬癌を強く疑う、腫瘍の大きさ2.1㎝」
お母さん先生が静かな優しい声で丁寧に説明をして下さいました。
「この先さらに詳しい検査と治療する病院を決めた方が良いですね。
ご家族とよく相談してね」
そうか、手術するんだ私。おっぱい取らなくちゃならないんだ!
その頃は私もネットで検索しまくりでしたから、乳がんの治療は手術だけでは終わらないことが多いこと、長期間の通院が必要になることくらいの知識はありました。
K総合病院は全国的にも有名で、良い先生も揃っておられるだろうし設備も凄いです。
だけど…現実問題、同じ県内とは言え自宅からは遠すぎます。
ほとんど旅です。
夫にも負担かかるし、交通費だってバカにならないし。
……もっと近場の病院探してみよう、心当たりないケド……
「お母さんも、そしてお祖母様も乳がんで亡くされてるのよね…遺伝ということが考えられるわね」
優しくおっしゃるお母さん先生の言葉に急に涙が溢れてきました。
看護師さんが「ちょっと休んで、帰りましょうね」
隣の空いた診察室へ連れて行ってくれて冷たいお水を飲ませてくれました。
まだ待合室には他の患者さんもいます。
泣き顔で通るわけにいかないから、とてもありがたかったです。
夕方の風が冷たかったです。
クリスマスのイルミネーションが切なかったです。