胡桃は分かっているんです。
私達が寝る前にエリカラ取ってもらって毛繕いが出来ることを……
それを心待にし過ぎて
寒い廊下でひとりその時を待つのです……
その熱意とあまりの健気さに
就寝時間を早めることもしばしば。
日に日に前倒しされていることを思うと、どれだけ胡桃が楽しみにしているかが伺えます。
さすがにまだ早すぎると部屋に連れ戻されてしまうので、この微妙なさじ加減で胡桃は時間を得ています。時計なんか読めないのに、この能力はすごい……なんて自分の猫を過大評価しちゃう親バカ(笑)
寝室に入ると巻き舌でトンネルマンが座るのを急かし、飛び付くように膝の中。エリカラ取ってもらってスタートです！
ゴシゴシゴシ……
グリグリグリ！
エリカラで遮られていた全てを解放、捩れたり転がったりして喜びを表現する胡桃。
トンネルマンにしがみついてコロコロ掛けてもらい、もっともっととせがみます。
この時のトンネルマンと胡桃は確実に心を通わせており、会話が成立するくらいシンクロするのです。端から見ていてもこれだけの一体感はたいしたもので、本当に胡桃はトンネルマンが大好きなのだということを、これでもかと見せつけられます。
ですが終わってエリカラ付けると、胡桃のボルテージはみるみる下がり、祭りのあとの静けさとなります。まさに楽しい時間が終わって、興奮から醒めた虚脱感や虚しさを体で表現するのです。
こちらは飛び散った毛をコロコロで回収、それを冷めた目で眺めています。
やっと終わり横になります。胡桃はその間、一定の距離をとりヒーターの上で籠城していますが、寒くなると布団に入れてと近寄ってきます。
トンネルは喜んで布団を持ち上げウェルカム態勢をずっと取ってます。
が、ちっちゃい頭で何を思うかしばしフリーズ……
我に返ると『こっちじゃないでしゅ！』と踵返し、小春の元へいそいそ。
あの熱い包容、絶大な信頼と信用、あの夢のようなシンクロ率はなんだったんだ！？
あれこれと器用に使い分けする猫に、ちょっと傷ついちゃうトンネルマンは、この５分後楽しい夢の世界へ。
そして小春は今日も体中バッキバキになるのでした～←こんなんばっか(爆)
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