うきお「テレゴニーのことですね!」


猫大魔王「ウム」



ぼくたちは、リシュリュー翼へ。


ここの階段に置かれているのが、有名な「サモトラケのニケ」だよ。



ニャンまげにとびつこう!

サモトラケのニケ



猫大魔王「テレゴニー・・・先夫遺伝といわれるものである」


うきお「肉便器と結婚されられた男が、子どもができた後、必ず悩む問題なんだなあ」


猫大魔王「ウム。産まれてて来た子どもが、妻が前に性交渉を持った男に似ていたいう、残酷な事実を目の当たりにするのである」


うきお「動物界では当たり前のことなんですけどねぇ。血統書つきの白猫同士を交配させれば、生まれてくるのはもちろん白猫。では、血統書つきの白猫メスを、雑種のオスといちど交配させ、その後、血統書付きの白猫オスと交配させたらどうなるか? 良く知られているとおり、生まれてくるのは、雑種の毛色がまざった白猫。一度雑種と交わったメスは、二度と純血種を産むことはできないんだ」


猫大魔王「人間も同じなのである。人間の女性の場合、膣内には、子どもを作るための精液ポケットというものがある。これは精子が着床する前段階の場所に存在する。ここで真っ先に、妊娠に向けて、その精子のDNAが刻み込まれるのである。その後、妊娠にいたらなかったとしても、この刻み込まれたDNAは、来たるべき出産のために、生涯に渡って残りつづけることになる」


うきお「その女性が、最初にエッチした男性と結婚すれば、何の問題もないんですけどね」


猫大魔王「ウム。以前はそれが常識だったので、誰も気にする男はいなかった。しかし、ここ数年の性の乱れにより、多くの問題が噴出した。非処女と結婚させらた馬鹿な男が、妻だけでなく、自分の子どもすら愛せなくなったというのが、その最たるものである」


うきお「そりゃあ、我が子が、妻の前の男にどことなく似てたら、かわいがれないどころか、憎くなりますよ」


猫大魔王「ウム。そして、インターネットの普及により、その原因であるテレゴニーの存在は多くの人々に知られることになった。同時に、世界中の学者が研究しはじめた。以前は女性の人権問題が絡むことから禁忌の研究とされていたが、今では遺伝子工学の最先端分野なのである」


うきお「日本では、東京大学の毛利秀雄名誉教授が有名ですね」


猫大魔王「ウム。毛利教授・・・、いや、あのころはまだ教授でなかったかもしれないが・・・、なつかしいのである・・・」


うきお「お知り合いなんですか?」


猫大魔王「ここに住んでいた時、ヴェルサイユで私を救ってくれた3人の人物のひとりである。朦朧とした意識の中で、毛利という名前だけが頭に残っていた。あとで知ったことであるが、その人は当時東京大学薬学部遺伝学科で、まだ禁忌とされるテレゴニーを研究され、異端の人と言われていた毛利氏その人であった」


うきお「ほほう。なんだかすごい人と出会っていたんですなあ」


猫大魔王「そして・・・」


うきお「?」


猫大魔王「3人のうちのもうひとり、あの方も同じ話をされていた・・・」


うきお「えっ・・・」


猫大魔王「聖路加国際病院の名誉院長、日野原重明氏である・・・」



ニャンまげにとびつこう!

サモトラケのニケ(後ろ姿)



ニャンまげにとびつこう!

ニケを見るニャンまげ



【参考文献】

【テレゴニー】
◇[英]telegony、[独]Telegonie

○[生]感応遺伝・先夫遺伝・残存遺伝。
 女性の再婚後、その子供が先夫に似ているといわれること。

◎畜産業界では当たり前過ぎる常識であり、前に交わった雄の特徴が、
 のちに別の雄との間に生れた子にも遺伝するとされている。
 血統書付きの犬の場合、一度でも雑種と掛け合わせた雌はそれ以降、
 二度と純血種の繁殖には適さないという。

 つまり、非処女と結婚した場合、
表面上のDNA情報は貴方と非処女の物ですが、
実際には以前関係した男達のDNAを含み、特徴を持った子供が生まれます。


(東京大学名誉教授:毛利秀雄)



 貴方は、全く知らぬ男の精液・DNAや特徴でコーティングされた子供を、
長い年月とお金を掛けて養ってゆく自信と責任を持つことが出来ますか?