土曜日にNHKで放送された、家庭に問題があって居場所のない子どもたちにご飯を食べさせている保護司のドキュメンタリーを観ました。

https://www.nhk.jp/p/tokikaketv/ts/WQGK99QWJZ/episode/te/JRW4R6LXZ8/


こういった番組を観ると、いつも思い出す一人の女の子がいます。

若い頃、児童養護施設でボランティアをしました。ボランティアといっても子どもの面倒をみるのではなく、中学生に勉強を教える学習ボランティアです。

担当したのは、ちーちゃん(仮)という中学3年生の女の子。児童養護施設で過ごす子どもは比較的人懐っこい子が多いなか、ちーちゃんはどこかクールな印象でした。

最初はお互い探り探りでしたが、ちーちゃんは宿題を毎週きちんとやってくれました。そして、生まれて初めて100点をとったと嬉しそうに報告してくれました。

夏になり、半袖を着たちーちゃんの左腕を見て思わず息を呑みました。手首から肘の内側までびっしりとリストカットの跡があったのです。わたしは見えないフリをするのに必死でした。

秋になると、だんだんと心の内や自分の生い立ちを話してくれるようになりました。兄弟が何人いるか分からない、小学校に行っていなかったので給食を食べたことがないなど。この時代に小学校へ通わせてもらえない子がいるなんて…と衝撃でした。

ところが冬になると、約束の時間にちーちゃんがお風呂に入ってしまうとか、学校から帰ってこないことが続きました。結局1時間以上待っても来ないので、帰るしかありませんでした。


職員さんは「試し行動だろう」と言っていました。わざと困らせて、どこまで自分を大切に思ってくれているか確認したかったようです。


そっか…そっか…

納得できたようなできないような…


わたしも当時は20代前半と若かったので、どうすべきかわかりませんでした。やっと関係性を築けたと思っていたのに、そうではなかったことへのショック。そして不甲斐なさを痛感しました。


結局そのまま施設へ行くことはなくなりましたが、春になるとちーちゃんからお手紙が届きました。「あの時はごめんなさい。無事高校に合格しました。ありがとう」といったことが書かれていました。


今でもたまにちーちゃんのことを思い出します。どうかあたたかい家族に囲まれて幸せでいてほしいと願ってやみません。

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