幼稚園の頃は ピアノの練習をしていて
少しでも間違えたら 料理を作っている母親から罵声がとぶ
母親はピアノをやっていたから 簡単なところで間違う私にイライラするみたい
怒られる度に 私は泣く
怒られる度に また間違える
もう 顔なんか鼻水と涙でぐっしゃぐしゃで ピアノの鍵盤なんか涙で歪んで見えてない
そんなときに父親が帰ってくる
「もういいから ほらシューンして」
と ティッシュをもって鼻水をかんでくれた
練習をしながら 私は父親が帰ってくるのをいつも待っていた
でも 仕事で家に帰ってこないときは 泣きとおした
小学生の頃 晩御飯を食べているとき
父親が 母親がつくった料理に 難癖をつけて食べようとしなかった
母親はなにも言わなかった
母親がかわいそうに思えたので
「好き嫌いせんとちゃんと食べんにゃー」と私が言うと
「お前は黙っとけ!」 とものすごい形相で怒られた
そんな私を母親はかばうこともできなかった
中学生の頃
太郎がうちにきた
父親は その頃は犬派だった
うちに猫が来たことに いい気も悪い気もしていなかった
だけど うちにきてびくびくして 怯えて
身をどこかに隠そうと家の中を走り回っている太郎に イライラしていた
イライラがつのって 父親が太郎に物を投げた
それをちょうどみていたのは 私だけだった
父親がいなくなってから私は太郎に近づいて
泣きながら 「太郎ごめんね」 と抱きかかえた
高校生の頃は部活ばっかりの生活だったので 話しをする時間も顔をあわす時間もあまりなく
良い記憶も悪い記憶もないが
父親を父親として意識し始めたの高校生の頃だった
進路には親が絡むから
大学に入って 親から離れた
たまに帰省すると 父親はすごぶる優しかった
歳をとってまるくなったのもあるとは思うけど 久々に娘とあうのが大層嬉しいのだろう
それから 父親と少しずつ話しができるようになった
なんの感情ももたずに 恐怖なんて感じずに
初めて男性から恐怖を感じたのは 父親だった
この人と話すと そばにいると怖い と初めて思ったのが 父親だった
仕事柄家にいないことも多かった
たまに家にいたら一緒に遊んでくれてもいいものの 遊んではくれなかった
寝ているときに兄と喧嘩でもして
隣の部屋でテレビを見て笑って眠りをさまたげると 怒鳴られた
父親が家にいると 家の空気が変わった 家の中はしーんとしていた
兄と私はよく部屋にこもった 部屋で二人で遊んでいた
父親が家にいないときは テレビのある居間で遊んだり テレビを見たりと過ごせた
母親もどこかほっとした様子だった
ラストフレンズの錦戸をみてると とても怖くて
親と暮らしてた頃 父親に対して抱いてた恐怖感を思い出した
見てると いつも父親を思い出してた
父親は 一度もこどもに暴力をふるったことはないけど
あのドラマをみてると 同じ怖さを感じていた
父親をみて育った兄は 優しい男になった
兄が大学生の時に福岡に遊びに行った時は 福岡の街を案内してくれて
友達にも会わせようとしていた
今では 私がこっちで一人暮らしをしていることを心配してくれている
母親と電話をしていると「今度いつあやこ帰ってくるんーってよく言うんよー」ときかされる
兄はとても優しい男になった
父親を見て育った私は 感情を態度に出しやすい男が苦手である
私の周りの男友達は 皆が認める穏やかな男しかいない
何を考えているのか分からないくらいの方が ちょうどいい
職業柄か 職場には優しい男しかいない
同期も皆 優しい男が揃っている
父親に甘えられなかった分 周りにいる男たちに甘えている自分がいる
私は やっかいな変な女になってしまった
男の怒りには絶対に触れたくない これから先 ずっと
だいぶ前に書いたのをぽんと
今日テレビを見てて同じような感情がでてきたので 載せることにしました
明日は 北海道日記書きます 多分ね!
おやすみなさい。