食べ物が喉を通りますように

『食べ物が喉を通りますように』



おかちゃんの家のメモ帳に私が書いた一年前の言葉。


去年の夏、食べ物が喉を通らなくて通らなくて。
胸が苦しくて食欲は無いし、お腹いっぱいになるとパニックを起こしていて、満腹になるのが怖かった。




それから一年前経って、
復職もして、頓服はほとんど飲まなくなって、ご飯はパクパク食べれるようになった。



かっきり10キロ増えた。



お腹はタプタプだし、太ももは太い。
当然去年のジーンズは入らない。



ダイエットはしている。


制服が入らなくて、総務部に大きいサイズの制服を買ってもらった。
情けないなぁ・・と思う。


でも、いっか。とも思う。


去年自分が思った通り、ちゃんと食べれるようになったんだ。
何を食べても美味しいんだ。飲み込むことが出来るんだ。



おかちゃん、扇風機にあたりながら、



『ええんじゃない？その姿があんたの本当の姿じゃないん？去年は骨と皮だったよ。』



って言ってくれた。



ありがとう。



でもね、本当はまだ完全ではないんだ。



おかちゃんとドライブしても買い物しても、前の彼氏の面影がひょっこり顔を出す。



辛い。


でも、



時が過ぎるのをじっと待つしかないって、もう知ってる。




傷はまだふさがってないんだな。



そして、テニス君に向かっていこうとしてる自分がいる。



引きずりながらでもいいのかな？



テニス君は受け止めてくれるかな？



抱き締めてくれるかな？



今日、花火大会に行く約束をした。



次に会う時に、私の話をしてみよう。