必ず役立つ文法書

 

「日本語を教える仕事をしようかな?」「オンラインで日本語を教え始めたけど、文法のことを聞かれるとうまく伝えられないな。」という方におすすめの文法書を紹介します。

 

 その2 は こちら

 

 

 

 

 

初級レベル編

 

 

初級レベルの文型が機能別の表現形式で整理されている 

 

授業準備時の活用度 ★★

 

 

 

(私は台湾で出版されたものを持っています)

 

初級の学習が半分(N4-N5)程度進んだ学習者向けのテキストです。

 

機能別の表現形式(例:時間関係、比較・対比など)で整理されていて、それぞれの文型のポイントが書かれています。それから、各項目に簡単な練習問題もついているので、文型練習を作成する時のヒントにもなります。

 

2013年に発行された改訂版では、英語、中国語に加え、韓国語、ベトナム語の解説がついています。学習者に媒介語を使って説明する際にとても役立ちます。

 

 

同じシリーズから、初級から上級者向け(N1-N3)のテキストも出ています。

 

 

 

文型500の方は、短文作りの練習帳も出ていますよ。

 

 

 

 

この1冊で、初級で教える文法が網羅されている! 

 

 

授業準備時の活用度 ★

 

 

 

養成講座に通っている時に、最初に買った文法書です。

日本語教師が知っておくべき文法がわかりやすい文で詳しく書かれています。

 

研究者の方が書かれているので、文法について考えすぎてよくわからなくなってしまった時に、百科事典的に使っています。

 

中上級編も出ていますよ。

 

 

 

 

 

 

中上級レベル編

 

 

 

文型毎にモデル会話がついている 

 

 

授業準備時の活用度 ★★★

 

 

 

こちらは、とても画期的な文型辞典です。

というのも、なんと、各文型毎に一つずつモデル会話が掲載されているのです。

例文じゃないんです。モデル会話なんです。

 

たとえば、「~からといって(~からって)」のモデル会話は

 

 

勇太: お母さん、おかわり。

母 : まだ食べるの⁉ 3杯目でしょ、大丈夫?

勇太: だって、これ、おいしいんだもん。

母 : おいしいからって、食べ過ぎてお腹こわさないでよ。

 

「“生きた”例文で学ぶ」というだけあって、とても自然(に近い)会話例ですよね。

モデル会話以外にも、例文が6-7文ありますし、文型のポイントも書かれています。

 

 

 

上級レベルの文型の分析が細かくされている 

 

 

授業準備時の活用度 ★★★

 

 

中上級レベルの授業をする方、必携の1冊です。(特にN1対策などを担当される方)

 

中上級レベルの文型は、類似文型が数多くあり、「あれ?私、違う文型でも同じ説明しちゃったかも(汗)」となった経験がありませんか?(私はあります…)

 

そんな時、こちらの本があれば、すぐに調べることができます。

というのも、他の文法書にはない、圧倒的な分析結果がこれでもか、と集められた1冊なのです。

 

たとえ、授業中に説明しないとしても、その細かな違いは、やはり、確認しておいたほうが安心ですよね。

文型分析で一人で、頭を抱えている時、こちらの本に何度も救われました。

 

 

どれくらい圧倒的な分析なのかというと、

 

 

たとえば、「~あげく・・・」を調べてみると、

 

意味1)Aがエスカレートしてマイナスの結果を招いてしまった


意味2)あんなに努力や金銭などの代償を払ってAをしたのに期待外れのBになってしまった。話し手の驚き、あきれなどの気持ちを伴う。


意味3)どんな過程を経てBという結果になったかを表す。

 

意味4)Aに引き続きBという不幸が積み重なる。Aだけでも十分不幸なのにBまで起こり、かわいそう、ついていない…などの話し手の気持ちを表す。

 

と、4つに分かれているのです。

さらに、各意味毎に、例文はもちろん類似文型との対比も書かれています。

 

意味1)対比1 「A(の)結果B」、「Aた末B」、「AあまりB」

意味2)対比2 「AにもかかわらずB」
意味3)対比3 「Aた末B」

意味4)対比4 「AうえにB」「Aた末B」

 

ここまで、詳しく文型対比の分析が書かれた本は、見たことがありません。
ぜひ、[試し読み]をクリックして、サンプルを確認してみてくださいね!

 

 

「もっとすごい本があるよ!」という情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひコメント欄に記載していただけると、ありがたいです。

 

 

 

 

というわけで、「必ず役に立つ文法書」のご紹介でした。

 

 

 

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

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