朝顔、昼顔、夕顔(または夜顔)と、なかなかいいネーミング
だと思う。
見ればちゃんと、朝、昼、夕の顔をしている。
だが朝顔、夕顔はイメージがはっきりしているのに、昼顔は
なんとなくぼやけた存在だと言えなくもない。
しかし、写真のとおり、昼顔はこざっぱりとした普段着姿が
似合う、いかにも性格のよさそうな表情が好ましい。
朝顔も夕顔も、昼顔に比べると、それぞれなにか言いたそう
なので、つい、お伺いをする姿勢になってしまうのだ。
まさに「かんばせ三様」だ。
などとエラそうに見比べているように書いているが、実は、
私のイケナイ癖のひとつに、『人の顔を覚えない』という
やっかいなものがある。
人と面していても、顔の造作をはっきりと見ていないらしい。
なんというか、だいたいのイメージで覚えているらしい。
しかもイメージでグループ分けをしているらしい。
だから、時に失敗する……こともある。
おなじグループの中で取り違えるのだ。
思うに、私は「顔」としてではなく「かんばせ」つまり
「顔つき」として見ているんじゃないかと思う。
スズメ。
なぜかあまり逃げないで、
ちょっとこちらを意識している
ようだ。
スズメも昼顔に似ている。
カワセミやうぐいすに比べて、普段着のつつましい愛らしさ。
昼顔グループですな。
カワセミは朝顔グループ。
うぐいすは夕顔グループ。
ということになるかな。
ああ、そうだ、これをやるからいけないんじゃないか。
どうもね、境界線が好きじゃないんだ。
いろいろなものが混ざったところから、なにか
新しい芽を見つけたい、という性癖が、人をはっきり
認知しないことにつながっているのかもしれない。
(あ、これは言い訳めいてるな)
調べてみたら、「かほばせ」の音便型とあった。
そして「はせ」はおおむね 印象という意味で、「かほばせ」
のほか、「こころばせ」「こしはせ」などがあると。
「こころばせ」→心馳せ、で気持ちを外に走らせること。
つまり気を利かせること。
「こしはせ」→腰の動きによって感じられる印象。
挙動不審、なんていうのがこれかな。
とまあ、とにかく、内なるものが外へ走り出てきて感じ
とられてしまう…ということだね。
おお、昼顔のおかげで、いつになく勉強できた。
あとは、きちんと人の顔を覚えること!
かんばせを
見つけた。