終末期病棟に移ったが、看護師から次の質問が多くなってきた。


「辛いところは有りませんか?」


患者を苦痛から和らげることが、目的の病棟なので、当然あり得る質問である。


「肺の痛みが辛いです。」


と答えた。


看護師は5段階のスケールを見せ、私に聞いてきた。


「肺の痛みは、今何点ですか?」 


1(弱)、2(やや弱)、3(中)、4(やや強)、5(強)とスケールに書かれている。


しかし、感覚的かつ判定基準もない痛みの程度を答えることに、意味があるのだろうか? 


「いつから、どんな時に、どのくらい、どのように辛いか」を伝えないと、治療法が決まらないのではないだろうか?


患者さんは、「昨夜から、話す時に、肺の痛みが強くなりました。」などを答えるべきではないか?


更に看護師さんは、「この点滴をする前と後だと、肺の痛みに違いがありますか?」と先程の5段階スケールをみせ、点滴をする前と後の数値を聞いてくる。


私なら、次のように判定基準を設定する。


1:咳は無く、会話も出来る。

2:咳は有るが、会話が出来る。

3:咳が出て、会話が苦しい。

4:酸素吸入器を付けないと、会話が出来ない

5:酸素吸入器を付けても、会話が出来ない


明日、看護師さんに提案し、早速自分でやってもらえないか頼んでみよう。効果があれば、他の患者さんに水平展開してもらおう。