私の「自分史」をブログに投稿したが、コメントが皆無なので、読んでくれた読者は少ないと思う。どうしても伝えたいことがある。相手の年代により言いたい事は異なる。共通的に言いたい事は「頑張れ!」である。そしてそれは特に東京やその近郊で働くサラリーマン達に対し言ってあげたい激励のことばである。
私は、札幌に移住して2年が経つ。それまで40年間東京でサラリーマンだった。正直言おう。札幌の人たちは東京やその近郊で苦労している人に比べて、仕事も生活も楽だ。失礼かも知れないが、若い人で10年、60代で30年くらい成長が遅れている。どうしてこんなに差が付くのか読者に伝えたい。
東京やその近郊に住んだ経験がある人なら分かると思うが、住宅事情が厳しい。埼玉県や千葉県でも住宅を購入すると札幌よりも3~5倍の住宅ローンが発生する。札幌であれば定年退職までに完済できても、東京だと難しい。子供の私立学校や進学塾、スポーツ費用も高額となる。ローンを安くしようとすると更に遠距離通勤となる。諦めて東京で賃貸住宅を借りる人も多い。このような人は私のように将来、実家に戻れればよいが、そうでない人は一生東京で苦労することになる貯金もできない。
家を6時半頃出て最寄り駅までバスで向かう。朝7時頃の電車に乗る。1時間半も混雑する超満員電車に立って揺られていく。会社はだいたい朝8時半はじまりなのでぎりぎり間に合う。最近は時差出勤する社員も多い。しかしどの時間にもシフトする人が多いので、電車が空くわけではない。
仕事は競争が激しいので営業ノルマは厳しい。仕事のストレスを抱えへとになって遅い時間の電車で帰っていく、そんな時間でも混雑を避けられない。家族は部屋で休んでいるのでようやく一人で冷たい食事をレンジでチンする。札幌だと自家用車で通勤できる。朝8時過ぎに家を出れば十分に間に合う。企業は競争が少ないのでストレスも少ない。毎日家族と夕食をして会話を楽しめる。大きな違いだ。
ストレスを抱えた東京のサラリーマンの中にはメンタルダウンする社員も多い。私も若い頃会社で徹夜仕事が多かった。私はメンタルダウンで苦しむ社員の相談相手になることが多かった。私が若い頃は顧客から下請けへの苛めをくらい、私に泣きついてくる部下がたくさんいた。私は顧客に会いに行った。しかしただ謝ったり。媚びを売ることしか出来なかった。自分が情けなかった。顧客から叱られる姿を、部下に見られるのが一番悔しかった。
でも部下から「室長辛かったでしょう。でも私たちのためによく我慢してくれました」と言うことばに救われた。彼らを守らなければならない。私は仲間を思う大切さを知った。だから部下を散々叱った。仕事が軌道にのり、会社で慰労会をよくやった。協力会社の従業員やバイトが机に向かっている。「何をしてるんだ。誰が皆を支えてくれていると思ってるんだ。すぐに呼べ仕事はもう良いから」と言った。協力会社やバイトのみんなはとても嬉しそうだった。今でも後輩たちと仕事をしてくれている。年賀状もとどく本当に嬉しい。
最近は先輩や同僚からのパワハラで悩む若い社員が多くなった。女性社員の中には私に会って泣き出す子もいた。誰にも相談できず辛かったのだろう。私は専門医でもないので彼らの話を聞いてあげるしかできない。ただ一冊の本を渡した「アドラー心理学 嫌われる勇気」という本だ。この本には「人に嫌われてもいいんだよ。弱くていいんだよ。自分をいじめる相手も弱い人なんだよ」と書いている。
でも本人にとっては相手の顔を見るのもつらかったのだろう。パワハラ常習犯の社員は、比較的仕事の能力が高い人が多い。昔なら職人と呼ばれた人たちだ、仕事に消極的で性格的に弱い人は、彼らのターゲットとなる。大切な人材がこのパワハラで育たなくなるのは困る。わたしはパワハラ加害者には、自己啓発セミナーの受講を薦めるようにした。冷静になって、自分がしたことと、相手が受けた傷を理解して欲しい。しかし多くの場合、改善は見られなかった。自分の信条は曲げられない。嫌なことがあるとすぐに逃げ出す相手が悪いと思っている。そんな場合は、私はすぐに配置換えを行い、この二人を遠ざけるようにした。でも加害者はパワハラを他の人に続けるし、被害者は回復できないことが多かった。難しい問題である。
話がそれたが、私は20から30代くらいの東京で働くサラリーマン達に「がんばれ」「負けるな」「逃げるな」「嫌な友達と付き合え」「資格をたくさん取れ」と言ってあげたい。ストレスが多い環境の中で本人達は、本当に大変だと思う。でもその苦労がいつか報われる日がくるはずだ。
また、40歳以降の人には「健康に気をつけよ」「家族を大事にせよ」「老後の生活を考えよ」「やりたい事をやれ」「仲間を大事にせよ」と激励したい。
残念ながら札幌で安穏と暮らす人たちに掛けてあげる言葉は少ない「ビジネススクールでもっと勉強せよ」「資格を取れ」「嫌な事を言ってくれる友達を増やせ」くらいしかない。東京にいれば自然と身に付くことが、札幌だとなかなかできない。でも自分の人生なのだ。苦労はお金を払ってでもすべきである。