夢のない小説

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6月29日

金曜日は嫌いだ。


4月から始めたバイトもあるし、苦手な体育もある。

種目は「卓球」。最悪だ。


僕は卓球が昔から苦手だった。

力いっぱいラケットを振れば軽い球は遠くへ飛んで行ってしまうし、だからとい言って弱く打てば中央のネットに引っかかる。

あの種目ほど発散しきれずモヤモヤとした競技は他に無い。少なくとも、僕にとっては。


体育の後はやはり苦手な数学で、まあそれでも高校時代までの数学とは違いパソコンに数式を入力するだけの簡単な授業なのだけど。

こんな授業だけれどもテストはしっかり記述式の普通の数学で、油断した僕は去年見事に単位を落とした。

そう、つまりこれは再履修で、しかも最悪なことに一年生の必修授業であるため一年生に混じって履修しなくてはならない。

自業自得なのだけれども、屈辱だ。


はあ。

僕はため息をついた。

金曜日なんていいことひとつも無い。


アルバイトも最近めっきり面白くなくなった。

正直、6月中ごろからやってきた社員、佐藤さんとウマが合わないのだ。

大学の同級生で、僕をその店に紹介してくれた友達はつい先週店をやめた。

話を聞くと、やはり佐藤さんとウマが合わなかったからだそうだ。

くそ、佐藤め。


…僕もやめてしまおうか。

少し考えて、首を振る。

いや、料理も覚えたばかりだし、もう少し頑張ってみたい。

バイト先の、気の会う仲間達と別れるのも嫌だし、それにもう少し頑張れば佐藤さんもいちいち煩くなくなるだろう。

努力が報われる日が来ればいいのだが…

まあ、今考えた所でどうにもなるまいな。